任せられないのは弱さがあるからだ!
前回の続きになります。
仕事を任せられないのは、まかす本人に「部下の失敗を恐れ、任せられないという隠れた弱点」があるからです。
「部下の失敗を許せない」という弱点です。
「弱い者は許すことができない、許すということは強さのあかしだ」は、
マハトマ・ガンジーの名言です。
一度目の失敗は経験である。二度目は確認である。部下に任せて
失敗しても、二度までは成長のための学びのチャンスとおおめに見て
許すべきではないでしょうか。
それくらいの度量が、上司には必要です。上司の上司から、部下の失敗を
咎められたとしても、「私は何度でも部下にチャンスを与えたいのです。
その方が部下も伸びます!」と大見えを切ってもいいのです。
それを認めない上司の上司は、さらに上から咎められたときに、
部下の責任を持てない情けない上司かもしれません。
ただ銀行や役所のように「減点主義」がある組織では、気をつけない
といけません。
これは会社の風土のようなものなので、どうしようも
ありません。トップが変わらない限り改善の余地はないでしょうね。
一度の失敗が命取りとなり、一発でThe endになることもあります。
そういう時は部下の仕事ぶりを、徹底的にチェックして失敗しない
ようにしないといけませんし、上司のあなたの立場も危なくなら
ないようにしないといけません。
しかし、減点主義の組織は弱いです。
減点主義の組織では、冒険をしない、前例のないことをしない、
結果を見通せないことはしないことが基本となります。
典型的な大企業病だし、官僚病でもあります。
変化の激しい時代に過去しか見ずに、過去と同じことしかしなければ
組織の弱体化は避けられない。
海外の会社との競争にも簡単に負けてしまいます。
ホンダの創業者本田宗一郎氏は、チャレンジして失敗した社員のうち、
最も会社に大きな損害を与えたものには社長賞を与えたといいます。
半導体のロームという会社も同じようなことをしていたと、
記憶しています。だから、不景気でも業績が伸びるんでしょうね。
「部下の成長に責任のある上司たる者、任せて失敗することを
恐れるよりも、任せず何も経験させないことを恐れるべきだ。
最大のリスクは、リスクを取らないことである」という。
これは、新将命さんの言葉であります。
実際、私も新将命さんが上司の時には、のびのびと仕事をさせて
もらいました。過度に干渉されたり、口を出されたりした記憶は
一度もありません。
「やれ!失敗したら俺が責任を取る。まぁ取る羽目になったことは
ないけどな」と笑っていました。