古本屋に舞い降りた天使の秘密
天使オバがやってきた。小柄で足が少し悪いが、たまに古本屋の店頭で雑誌を買っていく常連だ。「この間の仏教の本、すごく良かったわ」と微笑みながら、今日は2冊で220円の雑誌をレジに持ってきた。しかし、いつものように100円玉を4枚、計400円をレジにそっと置いていく。
「いいのよ」と、上品な声で言い残して。
この余分な数百円は、お釣りの端数ではない。彼女はいつも、端数にプラスし多めに支払っていく。その行為を最初は不思議に思った店主も、今ではその意味がわかっている。まるで「天使の涙