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「小学校英語」に求められること

(この記事は5-6分程度で読めます。)
こんにちは、お久しぶりです☃️。Ynglishです。最近、寒くなってきましたね。先ほど、やっと秋の授業がすべて終了し、脳内に溜まりに溜まっていた情報や想いを吐き出す時間がやっと取れるようになりました。やったー!

今回は「小学校英語」について書きます。



獨協大学シンポジウム「小学校英語 現状と課題」

12月8日(土)、14:00-17:10のおよそ3時間、獨協大学で開催されたシンポジウムに行き、パネラーの方々の話を聴いてきました。主催は、獨協大学外国語教育研究所。「?!」そんな機関があるのかっっ、と思う人もいると思いますが、あるんです。「語学の獨協」と謳っているだけあり、研究にも力を入れています。

当日の順番はこんな感じ!

基調講演:粕谷 恭子氏 
実践報告1:田山 享子氏
実践報告2:新海 かおる氏


それぞれ、大学で教鞭をとられていたり、小中学校の現場で働かれていたりするスペシャリストです。話を聞いていて、知識や熱意に対し素晴らしいなと感じました。特に、粕谷氏のゆったりとした話し方と、質問にすぐに回答なさる頭の回転の速さには、目を見張るものがありました。

シンポジウムの中で特に印象に残ったことをお伝えします。

1. いままでの「Repeat after me教育」ではなく、本音で語り合う英語教育2. 生徒を動かす力-なかなか答えてくれない生徒に対して3. まずはできるところから

1. いままでの「Repeat after me教育」ではなく本音で語り合う教育

僕はいま、20歳(大学3年生)なのですが、小学校の頃の英語を思い出してみると、このフレーズが脳内再生されます。みなさんは覚えているでしょうか。

"Repeat after me! Apple!” ‘Apple!’ “Apple!” ‘Apple’


いま、クスッと笑われた人も多いと思います。なぜならほとんどの人がこの「Repeat after me教育」(勝手に命名しました) に晒されてきているからです。今回のシンポジウムでも、この話題に触れました。みなさんもお察しのとおり、このやり方、あまりよい効果ってありませんでしたよね?

この教育・教授法のデメリットとしては、

・コンテクストが存在しないため、生徒の会話力が定着しにくい
・子どももバカではないので、そのうち「その音声を繰り返すだけでよい」という思考になり、appleという意味内容をとらえなくなる。

の主な2つ。

2つ目に関しては大問題です。音声を繰り返すだけでよいなら、教師から発せられる単語は必ずしもappleでなくていいわけです。もしそれが、「バビブベボ」という言葉に置き換えられてもなんら変わらないわけです。なぜなら、意味が含有されていない音声と同じになるから。だからこそ、小学校で、この方法はさっさとやめて、自ら考えて発言したり、会話に特化したりほうがよい、しかも本音でという結論でした。本音で語るとき、考える作業が必要になるからです。

2. 「生徒を動かす力」

なかなか答えてくれない生徒に対して

僕の塾で、たまにこのような学生を見かけます。

僕が、「じゃあ今から先生が質問するから英語で答えてね。自分が考えた答えでいいよ。」と生徒に呼びかけます。すると

生徒「……………………..」

僕「うんうん、ゆっくりでいいよ」

生徒「………………………………………….」

生徒「………………………………………….」

生徒「………………………………………….」

生徒「………………………………………….」

(ど、どうしたんだこの子は、、いやもう少し待とう、もう少し待てば絶対に答えてくれるはず。だって、質問は what color do you like? だから。うん、落ち着け自分。あと5秒あれば大丈夫だろう。)

生徒「………………………………………….」

生徒「………………………………………….」

(粘れ、粘るんだ。よし、このまま。)

生徒「………………………………………….」


(…………………ん?おかしいな。ま、ま、まさか、この子最初から答える気がなかったんじゃ?!?! 

ふ、ふざけるなっ!!!!は、早く答えてくれ、ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁもう限界ぃぃぃ!!)


僕「あぁ、もう何でもいいよ〜〜~!!!!!!!じゃぁ、赤でいい? I like red. ね。じゃあ、次行こうか。」

というやり取り。茶番かよ。多くの塾講師経験者がこのような場面に遭遇したことがあると思います。でもこれは間違いなのです。生徒の本音(ほんとうに好きな色)を聴きだす前に先生が答えを言ってしまったからです。これは生徒の回答ではない。先生の回答です。

これは僕の主観なのですが、小学生の場合、初めて出会うものには時々臆病になったりします。だから、臆病になって黙る、間違えるのを恐れて黙る、いつも親に怒られていて、塾の先生にも怒られたくないから黙る、そもそも答えたくないから黙る。いろいろ理由は考えられます。

では、どうすればいいのか。まず、先生が適当に選択肢を独り言のように言っていけばいいのです。I like blue! I like yellow! I like pink! I like white!” このような感じです。そして最後に手を差し伸べてあげる。So, what color do you like? このような自然流れと選択肢を与えることで、子どもたちは自然と答えるようになる (ことがある) という話がありました。

** 3. まずはできるところから**

まぁ、難しいことは後回しにして、まずはできるところからです。よく考えてみると、小学校の先生たちは、英語専門ではありません、言い換えれば、国社数理英やその他の授業にも精通している必要があります。多くの人が苦手とする英語が小学校5年生から(「外国語活動」は3年生から) 始まる: つまり職員室の3分の2の教師陣が少なくともFLに触れることになります。「あぁ佐藤先生、4月からは5年生担当ね。英語教えるなんてかわいそう。」の時代は終わるらしいのです。だから、まずはできるところから。目標を立てる力・生徒を動かす力・指導のための英語力・発問をつくる力・教材をアレンジする力・楽しませる力などいろいろ求められるスキルがあります。だから完璧ではなく「よりよい」を目指せばいい。「でも、甘えるのではなく、自分から足を踏み入れる必要がありますね。いつかはやらなきゃいけないから」とパネラーの先生はおっしゃていました。

あ、そういえば、10年前と比べて、現場の生徒たちの英語での応答も積極的になったし、文部科学省も(英語は得に) 企画書などの作成に尽力してくれている、という話もありました。

そして、最後に、粕谷 恭子教授はこう締めくくりました。

「小中高の連携といわれていたものが小中高大の連携になっていく、自分の学校で完結ではなく次の進学先のことも考えて先生たちは頑張るべき。先生や国が頑張るから、親御さんたちには温かい目で見守ってほしい」と語りました。


いかがだったでしょうか、久しぶりに英語教育のことについて投稿しました。小学校英語がやっとfull operation で動いていきますね。数十年後、いまの小学生にバカにされないように、大人たちも日本語力・英語力ともに努力していきましょう。僕も頑張ります….(汗)

ここまで読んでいただきありがとうございました。それではまた!!👋

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外資系専門商社でBtoB, BtoG営業をしています。さまざまな社会問題や身の回りに起きた出来事を発信しています。「新しいモノ・コトで人々の生活を豊かにする」