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“Unlearn”という言葉|歯科分野の翻訳

みなさんこんにちは、歯科翻訳・通訳をしています西原由希と申します。

今日は私が通訳・翻訳の仕事を通して訳に困った “Unlearn”という言葉について書いていこうと思います。

“Unlearn” (アンラーン)とは、
「未学習や既存の認識からの解放」を意味する言葉として定義されています。
英語圏ではよく使われている言葉ですが、日本語に訳すとどうなるのか…考え出すとなかなか訳がまとまらず、しばらく悩みました。

上記のとおり、Unlearnとは現在の認識を変えることを意味します。
様々な業界で習慣化されてきた考え方や行動をUnlearnすることで、新しいアイディアを生み出したり、新しい習慣を取り入れることができます。

歯科業界においても従来から行ってきた治療の手法であったり、治療方針に対する考え方など、Unlearnの対象となる部分は多く存在します。
具体的な話をすると、歯科では最近デジタル技術の応用を取り入れていく動きが出てきています(他の業界よりはかなり遅れています)が、
その中で従来のアナログな手法とそれに伴う考え方をUnlearnするということが一つの大きなテーマだと私は考えています。

このような意味を持つUnlearnですが、翻訳するとなるとどんな言葉が一番しっくりくるのか?
まず思いつくのは「学び直す」ですが、これは「同じことをもう一度学ぶ」という意味になるので最適解ではありません。
考え抜いた末、個人的に一番いいと思った訳は「学びほぐす」でした。

「学びほぐす」は日本語として辞書には存在しないと思います。
でも、自分がUnlearnという言葉を解釈した上で一番しっくりきたので、造語になってしまいましたがこのように訳すことにしました。

もちろん翻訳者・通訳者として日々成長していく上で、より良い訳、より適切な訳がないかということは常に考えていることなので、もしかしたらもっと適切な訳し方が見つかるかもしれません。

この “Unlearn”という言葉との出会いは、私に新しいパースペクティブ・視点を授けてくれたなぁと今でも思っています。

日常生活においてUnlearnできること。行動や考え方、その一つ一つにUnlearnするきっかけがあるのだと思います。
実際にUnlearnし以前のものから解放される、というのは習慣が主体の人間にとっては難しいかもしれません。
でも、Unlearnについて考える、ただそれだけでフッと心が軽くなったり、視界が開けてきたりするのかなぁとも思います。

今回はあまり私の仕事とは関係ない話題になりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございます!

それでは、良い一日をお過ごしください。

Have a great day, wherever you are.

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