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行列積計算を高速化してみた

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数値計算ライブラリBLASに含まれる行列積ルーチンDGEMMを高速化していく手順を記した記事「行列積計算を高速化してみる」の章ごとに分割した記事をまとめたマガジンです。元の記事は…
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はじめに|行列積高速化#0

以前書いた行列計算DGEMMを高速化する記事が、あまりに長すぎた(20万文字以上)ので、記事あたり1万字以内を目安に、章ごとに記事を分割することにしました。 元の記事が有料記事のため、高速化の重要なカギになる章は有料にさせていただいています。全記事をご購入いただくと1000円になります。元の記事は560円ですので、全ての章を読むなら元の記事の方が割安になっています。一部の章は元の記事で有料部分に含まれていましたが、分割したので無料でもお読みいただけるようになりました。 元

ベクトル化の設計|行列積高速化#16

この記事は、以下の記事を分割したものです。 [元の記事]行列積計算を高速化してみる 一括で読みたい場合は、元の記事をご覧ください。 前述したように、コンパイラ最適化では効率的なベクトライズができないため、インラインアセンブラ機能でアセンブラ命令を直接使ってベクトライズを試みます。 そのためには、どの要素を同時に計算するかを設計しなければなりません。 設計のポイントは、処理全体の命令レイテンシーの合計値を可能な限り小さくすることです。なぜなら、総レイテンシー以上に速くする