「エントロピー小日記」
★ 2月15日 月曜日
午前5時半、
傘を打つ雨の音も
近くを流れる水の音も
すでに春。
月日の流れのなんと速いことか。
光陰矢の如し、と述懐した人は
相当年を取っていた人に違いない。
なぜなら
坂を滑り落ちていくように
月日の流れは加速する。
40代より50代
50代より60代、
どんどん早くなる。
★ 2月16日 火曜日
高校三年生のこの時期といえば
自宅待機だった。
3月1日の卒業の日まで
学校に行かなくて済んだ。
夏休み以上の自由がいっぺんに押し寄せて来た。
もう半世紀も前の昔のことだが、
この時期から
束縛時間から解放される自分時間
というものを知り始め
それをどう采配していくか
訓練されてきたように思う。
★ 2月17日 水曜日
地方の現状は、大方
少子高齢化が進み
後継者はなく
地元の産業は廃れ
空き家が増え
里山と里海は荒れていくばかり。
コロナ禍を契機に、
リモートワークが推奨されたが、
どこでも働くことができ
教育もでき
治療もできるようになるまでは
まだ道遠し。
それでも
いや、もっと
地方が、普通に何でもあった昔のように
活気づくよう
期待したいし、
何といっても
地方で生き生きと生きて行きたい。
★ 2月18日 木曜日
少子化の影響か、
特に地方で、外国人労働者が増えている。
エントロピーが増えるのが、
自然界の鉄則なんだけど、
つまり熱が高温から低温へ伝わっていくように
益々交流が成されていき、
今後、日本でも想像だにできない社会が
待ち受けているのかもしれない。
★ 2月19日 金曜日
小中学生の頃、
縦笛とハーモニカを
勉強の合間に吹くことが楽しみだった。
30代の後半に、トランペットを手にし
それがアルトサックスに代わり
そしてテナーサックスとなって
今に続いている。
音楽は一つの表現芸術とはいえ
何といっても
その中身は楽しいこと。
楽曲は無数にあり、
それはまた、日々を生きていく糧となり
慰謝になる。
★ 2月20日 土曜日
猫の可愛がりようを見て、
人間に対してはそうでないと言われるが、
ペットに対する愛を
人間同士のそれと
比較できるものであろうか。
対人間では
無数の複雑な因子が絡み合い
ペット同様な愛は
無理というもの。
もしそれができたなら
本物の博愛者かもしれない。
が、如何せん
そういった器ではないのが残念。