【視座の高め方】打ち手が無いときは「捨てる勇気」を持ってみる
nanocolorに入社して1年たった山下(@ymst9991)です。
皆さんは、自分が人に提案した施策やデザインがダメだったとき、捨てきれないことがありますか?
ぼくはめちゃくちゃあります。一生懸命考えたのに…と。
「一生懸命考えたものが売れるとは限らない現実」も分かっているつもりです。厳しい世の中ですね。どうすればもっと良い提案ができるのか?と考えているうちに、「視座を高める」という言葉を覚えました。「より広い領域でモノゴトを捉える」という意味らしいです。
BtoC領域でクライアント事業の支援をしていると「具体的にどうすれば売れるのか」という相談を求められる場面が多くあります。具体的な手法を聞かれると実はぼくもよくわかりません。
なので、社内外ともに直接話をするときは「打ち手から考えることを捨てる」ことをオススメしています。
相談時点で、「そもそも売れていない」というお困りごとがあります。打ち手を捨てた結果、再考し可能性があるならまた拾えば良いし、「一度、視座を高めて見渡してみる」方が販売の可能性を探りやすい考え方になることが分かりました。
売れる手法でやっているのに、なぜ売れないのか?
「何か作って誰かにたくさん売る」とき、Webで広告を売ったりリアルの販促イベントをやったり様々な手法があります。でも、いまいち売り上げが上がらない…というとき、皆さんならどんなことをしてみますか?
・Web広告の手法を見直す
┗媒体やセグメントを変える、配信面やキーワードを追加する
・新聞やチラシで広告してみる
┗QRコードを付けて計測して検証してみる、地域を絞る
・お金を払って有名人やインフルエンサーに拡散してもらう
┗フォロワー数の多い人にPRをお願いする
Webだけでも手法が星の数ほどあります。特にWebはアドテクノロジーを使えば「買ってくれそうな人」にだけ配信することも可能。オリジナルの効果計測ツールやクッキー(訪問者の足跡を取る)を開発する会社も現れ、いずれの技術も非常に優れています。エンジニアの人たちはホントにすごいね…。
BtoC領域の「売らないとヤバい」の正しい捉え方
事業継続のためには「今」とにかく売っていかなきゃいけないんだ!という課題を抱えた会社はたくさんあります。売れなきゃウン千万円かけた事業が潰れるなど。それはヤバい。大手もベンチャーも一緒です。
広告代理店時代はWebマーケティングの手法を売る仕事だったため、キーワードやセグメントをこねくりまわし媒体側の最適化を待つ日々。結果、良いときは「CVRが0.数%上がった」「CPAがいくら下がった」→「ヤッター!すごい!」という感覚で一喜一憂していました。
運用が仕事ならもちろん正解です。ただ、「売り上げを上げる」という本質とは少し異なります。今日は、現場の人間だからこそ直面する「打ち手を捨てる考え方」を自分なりに整理してみようと思います。
1.どうやって売る?
優れた打ち手が多いからこそ、めちゃくちゃ迷いますよね。「誰に売るか」が決まっていない場合に迷ってしまうことが多いと感じています。
そのときにぼくが考えているのは、「まず優先順位を決めること」。
・誰に買ってもらうのが一番数が売れるのか
・結果、全体として投資対効率(率)はどうか
BtoC事業にとって、サービスやプロダクトが消費者に売れなければ売上が上がりません。
◆今から3,000円の化粧水を売って、利益を出すことになりました。一番売上が上がる方法はどちらでしょう?
①100人に手に取ってもらい、50個売る。
②1,000人に手に取ってもらい、100個売る。
事業のフェーズによって優先度はもちろん変わるのですが、今すぐ売らなきゃいけないなら答え②だと明確です。
①利益は150,000円(購入率50%)
②利益は300,000円(購入率10%)
どれだけ率が良かろうと、個数が売れなきゃ利益が出ず、事業はオシマイです…。
まずは、「今迷っているステージ」を一つずつ捨てながら、「サービス・プロダクトを売るには?」の本質へ順番に戻っていきます。
2.誰に売る?
「誰に…」と聞けば、獲得前~獲得後のペルソナ・カスタマージャーニーマップの設計をイメージするかもしれません。ガチガチに固めず、アンケートやユーザーインタビューなどで地道にターゲットを探っていくフェーズです。利益を最大化するためには、「ニーズがあり母数の大きいターゲット」にあてていきます。
例えば…化粧水を売りたい場合。
◆商品にとって抽象的なペルソナ(母数が少ない)
「港区タワマン在住、旦那の年収は800万円くらい、高校生の子どもがいて無印良品のスキンケアを使用している40代くらいの女性」
→ターゲットが定まらない
→手法・打ち手が分からない
◆商品にとって具体的なペルソナ(母数が大きい)
「敏感肌にずっと悩んでいる」「使用しているブランドはA」「ラインで使わない」「シワが目立ってきている」「Webで頻繁に買い物をする」
など市場調査から出た結果のパターンを組み合わせ
→ターゲットA・Bに絞り込み
→手法1・2・3+手法4・5・6
数を売らなきゃいけないので、「こうあったら良いな」という主観を排除していく考え方です。抽象は極端に小さい世界や大きい世界の話になりやすい側面があります。この市場にはどれくらいの人数がいるのか。いたとして、そのターゲットが買ってくれなかったら…事業がオシマイじゃないですか…!!
なので、このステージも1回捨てます。
3.それって今やること?
ターゲット・手法も重要ですが、考えたいのは「今やるべきことに当てはまっているか」。短期的な獲得は一時的に事業を潤すけれども、サービスの継続率を伸ばさないと先が不安。サービス・プロダクトを人々に徐々に認知~理解してもらうことで、「スキンケアといえば、あのブランド!」のポジションを築くことができます。(中~長期的施策へ展開。)
では、今回の事業はそもそもどんなポジションを狙っているのだろうか。このステージも捨てた方が良さそう。
4.事業責任の領域を俯瞰する
マスなどへの出稿や継続的なPRは費用がかかる割に売り上げへの関与が不透明で、効果測定もしにくくヒジョーに扱いにくい側面があるので避けがちです。そこで、理念へ立ち返ります。
・何のために始めたのか?
・世の中をどうしたい/いくら設けたいからサービス・プロダクトをはじめたのか?
・現状の事業フェーズで優先してやるべきことは何か?
ここから「いつまでに、誰に、どうやって売りたいのか?」が決まれば「具体的な打ち手」が固まります。
5.自分ができない領域は「プロの助っ人」を増やす
ひとりの力は有限なので、全部やろうとすると知識が足りなかったり時間がうまく使えず優先順位を見失うことがあります。なので、それぞれの領域のプロに助けてもらいます。
終わりに.ぼくがサービスやプロダクトを作るときに考えておきたいこと
きっと計画通りにいかないので理想論でしかありませんが、「自分だったらきっとこうしたいな」という流れを考えてみました。
今回の記事を逆に追ってみたいと思います。
自分ひとりでは全部できないので、「こうやりたいんだ!」に共感してくれる方を待ちます。
同じく、自分ひとりで抱えると死んじゃうので、分担してもらいます。
「何を優先してやるのか」をプロに刺激を受けながら、決めていきます。理想を言えば、短期と中~長期の同時並行です。理想です。あくまで、理想…。
優先順位の中で、短期と中~長期でターゲットが違うかもしれない。それぞれで考えてみよう。
窓口や広告運用はプロに任せてしまいたい!
で、もしうまくいかない手法があったら…?
きちんと「捨てる勇気」を持ち続けてみようと思います。
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▼オススメ記事:ぼくが迷う原因は、「バランサー」だから。
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