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GANGSTA 893

定期的に、無性に、なぜか観たくなるバイオレンス映画。
というかヤクザ映画。

今回どうしても観たくなったのが『アウトレイジ』でした。
好きだけどえぐいのでDVDを所有するまではなーと思ってたけど、やっぱり購入する方向にかなり傾いてる。。。えぐいけどおもしろすぎる。。。


シリーズ3作の中で、わたしは1作目が1番好きです。
バカヤローコノヤローの応酬。スピード感がだんとつ。えぐさもだんとつ。とあるシーンはトラウマもの。
ビートたけし演じる主人公・大友の愚直さは『仁義なき戦い』の広能にも通じるものあり。しょっぱい思いさせられまくりの損な役回りとか。
自分の道理は曲げないけれど、どこか諦念混じりの哀愁が漂ってます。
殺して殺されて殺されて殺して・・・って、もっとちゃんと外堀埋めるなり土台固めるなりうまいことやれよ!と言いたくなるくらい計画性に欠けるヤクザのみなさんですが、あれこれ智謀をめぐらせるというよりとりあえず「殺ったもん勝ち」の下剋上なので、これはこれでわかりやすくてよい。
下っ端は黒ジャージ、中間~上位はスーツ、会長になったら白ジャージという山王会本家のドレスコードも気になるところ。椎名桔平がかっこいい。


2作目のビヨンドは関西ヤクザも登場して、関西人のわたしとしてはテンションが上がります。バカヤロー!よりボケェ!のほうがしっくりくる。
時代の流れとともに、インテリヤクザの台頭で組のシノギにも変化が。ヤクザの経済も大変そうです。先物取引とかFXとか株とか、わからんやつには加瀬亮ブチギレ。しかし吠えすぎることで強調される小物感。三浦友和といい、1作目での落ち着きはどうした?とキャラの変化への違和感は否めず。
そして1作目ほどではないものの(自分比)、目を覆いたくなるシーンは健在。それをそう使うのか。拷問の天才か。ヤクザマジコワイ。
西田敏行のナイトスクープ(元)局長と同一人物とは思えない目つきと口調は圧巻。塩見三省は顔面凶器。金田時男という人は、存在感と説得力ありまくりでその筋の人にしか見えません。要検索。


最終章の3作目は唯一映画館で観たけど、前2作に比べるとちょっと物足りない。なんか雑?ドンパチシーンが派手過ぎて逆にお粗末に感じる。。。
塩見三省が病み上がりということもあってなのか、関西弁のイントネーションがかなり変になってたのが残念です。ピエール瀧の役は小物・外道・変態という三拍子揃っているにもかかわらず、なんかどうにも中途半端で微妙。いや一貫して小物ではあるか。しかし微妙。
大杉漣の素人ヤクザっぷりは見事だったので、つくづく惜しい人をなくしたなぁと思いました。。。
だれも殺さない、怒鳴り声も上げない、なんなら表情すらひとつも変わってない岸部一徳が一番こわかったです。

裏切り、復讐、殺し合いの負の連鎖で行き着く先には何も無いのに、そういう風にしか生きられない業というか虚しさとか哀れさを感じた最期でした。


まぁシリーズ通して暴力に終始した作品なので、ストーリーや登場人物にイデオロギーとかシンパシーとかそういったものを求めるのは無粋か。

あと、何作目のどのシーンか忘れたけど、ビートたけしの横顔がきれいなEラインでちょっと見惚れた。


NANJAMANの歌詞けっこうそのまんま。ジャパレゲなつかし。


残虐描写さえ多少我慢できるなら、頭からっぽで楽しめるのでおすすめ☆
椎名桔平がかっこいい(2回目)ので、1作目だけでも観てほしいと個人的には思います。



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