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noteってコタツ #noteでよかったこと


僕は、外で降り積もる雪を見ながら、コタツに入って家族や友達と話をしている時間が好きだ。時にみかんやスルメを食べながら、今日こんなことがあったよとか、明日こんなことしたいとか、ゆるく話す。外で降り続く雪は風情があるけど、白く積もった雪の冷たさは、僕らが外に出ることを拒んでいるようだ。ずっとこの暖かいコタツで親しい人と話していたい。このコタツで話す時間だけは暖かくいつまでも続いていく。そう思ってしまう。

僕にとってnoteとはそういう場所だ。

初めてnoteを書いたのはちょうど1年前。初めはブログを書く1媒体としか捉えていなかった。だから、最初の記事は、ネットに溢れる量産型記事みたいになっている。ただ内容は少しだけエモい。


noteとともに歩んだ1年間は、25年間生きた僕の人生の中で最も濃い1年だった。母を亡くしたり、医師になったり、医療の役割を自問自答したり。そんな記事を書いていくうちに、noteは気持ちを表現するメディアであること、そして、その気持ちを暖かく受け取ってくれることに気づく。母を急死で亡くしてから、初めて書いた文章は、このnoteだった。

いつだって電話すれば、やれやれといった声色をしながら、自慢を聞いていてくれた母。「母さんが育ててくれた僕は、こんなに成長したんだよ」って1年前の僕は言いたかったんだと思う。あと1ヶ月遅ければ、この賞を見せられたのに。そんな後悔の想いを込めて書いた記事だった。noteの記事を書いたあと、それを見た友人たちが、自慢を聞いてくれる時間を作ってくれた。「自慢できないって言ってたもんね」って言ってイベントで自慢タイムをとってくれる友人の姿が僕はとても嬉しかった。

noteを見てくれたいたのは、友人たちだけじゃなかった。想いを込めて書いた文章はいつだってnoteの編集部は見てくれていた。「命を救うだけが医療の役割じゃない」「社会を変える文章に共通することは…」「病院の建築的余白を考える」。 編集部がおすすめに載せてくれた記事は僕にとって大切な言葉ばかりだ。


その年は僕にとって医学生から医師になる年でもあった。医師国家試験が終わり、落ち着いた段階で、母を亡くした気持ちをnoteにつづった。

コミュニティが僕を救ってくれたって話だ。辛くっても、悲しくっても、落ち込んでいても、同じように受け入れてくれるコミュニティが僕にとって本当に嬉しかったし、救いになった。そんな渾身の想いを込めて書いた記事。その記事を多くの人が読んで、同じような想いを持った人がTwitterでリツイートしてくれたり、noteのいいねがついたり、メッセージを送ってくれたり、直接会いにきてくれたり。いろんな形の想いをくれた。今も読まれ続け、16000PVを超えている。自分の想いを文章に載せて書くことで、人の心を動かすことができると知った。自分を開くことは、ちょっと勇気がいることだけど、noteにいる人たち、僕の友達はそれを受け取って、多くを与えてくれた。

嬉しいことにそれ以来、文章を書く仕事はもちろん、お話をさせていただく機会も少しずつもらえるようになった。自分を開くことで得られたものはそういうこともあった。外に出ることはちょっぴり勇気がいること。他メディアで書くとき、こういう文章書いて喜んでくれるかなって悩むし、講演するときに、こういう話をこの人たちにして得られることはあるんだろうかとリターンを気にしてしまう。相手に合わせてしまう。

だから、僕にとってのホームグラウンドはいつだってnoteなんだと思う。

初めて会った人が、note見てますよと優しい顔をしながら言ってくれるとき、僕はすごく嬉しい。初めてあったのに、なぜかずっと前から友達だったような気がする。noteでの自分を知ってもらえていることはそれくらい嬉しいし、本当の自分。noteがあるから、ありのままの自分を表現できるようになった。

noteなら、想いを込めて書いた記事はいつだって受け止めてくれる人がいる。読んでくれる人がいる。どんなに出来栄えが良くない記事でもいいね!って言ってくれる人がいる。外は寒い雪だけど、コタツみたいに暖かい。noteはそんなコタツみたいだ。ずっとここにいたくなる。

でもそういうわけにも行かない。どうしても外に出て行かなきゃいけない。なにか新しいチャレンジもしたいし、外でも自分の想いを伝えたい。もしかしたら外は吹雪いているかもしれない。雪で滑ってずぶ濡れになるかもしれない。

「そしたらまた戻ってこればいいじゃない、このコタツに」

そう思わせてくれるのが、noteというメディアの暖かさだ。

よし、ちょっくら外に出かけてこよう。


(photo by hiroki yoshitomi

★noteで記事にする他に、Twitterでつぶやいたりしています。



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守本 陽一
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