世界農業遺産(@埼玉県 三芳町)を散歩して『武蔵野の落ち葉堆肥農法』を学ぶ
2024年11月17日(日)一般社団法人 埼玉県中小企業診断協会 SDGs共創経営研究会主催による『三芳町、”世界農業遺産”で武蔵野の落ち葉堆肥農法を学ぶ』に参加しました。今回、中小企業診断士10名と、お子さま1名がフィールドワークに参加。天候にも恵まれて絶好の農業遺産めぐりとなりました。
世界農業遺産とは?
武蔵野の落ち葉堆肥農法世界農業遺産推進協議会によれば、2016年に世界農業遺産承認及び日本農業遺産への認定申請してから、翌年に日本農業遺産に認定、2023年7月に世界農業遺産認定となり、認定まで7年かかったようです。
伝統的農林水産業を営む地域(農林水産業システム)として認定されたのは、武蔵野台地に位置する川越市、所沢市、ふじみ野市、三芳町の地域において300年以上つづく伝統農法「落ち葉堆肥農法」です。農林水産業システムの名称は、「大都市近郊に今も息づく武蔵野の落ち葉堆肥農法」となっています。
↓こちらの動画で分かりやすく説明されています。
今回のプログラム
1.農園レストラン「伊左衛門」にてランチを愉しむ
まずは、農園レストラン「伊左衛門」にてランチを愉しむことから。
こちらは、雑木林を活用した循環型農業を営んでいるサツマイモ農園のレストランです。地元みよし野菜やサツマイモ、ハーブ類を活かしたイタリア料理が食べられるお店。ランチの時間帯は予約できないお店のため、11時前に集合し、まずはランチをいただきました。
こちらのお店、イタリアのナポリに本部を置く『真のナポリピッツァ協会』より10月に認定を受けたとのこと。世界で1108番目、日本では5番目とのことです。ナポリに行かずとも本場の味を堪能できるのです。
2.世界農業遺産を散策 平地林コース (歩行距離 6.2km)
埼玉県三芳町にある農業遺産を巡る3つの散歩道のうち、一番距離の長い”平地林コース”を歩きました。やはり、今回のフィールドワークにおけるポイントは、平地林の落ち葉を活用した落ち葉堆肥農法であるため平地林コースを選択。今日は日差しも強く、6.2kmのコースを少しだけショートカットして、約5.0km程に短縮しましたが、農業遺産の見どころスポットは全て周りました。
旧島田家住宅をあとにして、また、いも街道をてくてく歩き続けます。
次の見どころスポット、多福寺へ。多福寺は、三富開拓農民の菩提寺とのことで、精神的支柱として約3 2 0 年前に建立された由緒正しい禅寺です。今回は周囲からの雰囲気を感じたのみで内部まで入りませんでした。
再び平地林コースをてくてく歩きます。日差しが強かったのでやはり日陰は嬉しい。
続いて、生命力の象徴として健康や子孫繁栄に御利益のある「甘藷の神(いものかみ)」と「 なでいも 」が祀られている神明社へ。
ランチのあと、12:40頃に歩き始め、スタート地点に戻ってきたのは14:50分頃。つまり約2時間程の散策となりました。
3.さつま芋掘り体験(はやし園にて)”富のいもを収穫”
こちらの農園では、『富の川越いも』のPRも兼ねて、イモ掘りの体験もできます。一株500円。おそらく幼稚園以来の体験。
平地林の落ち葉堆肥を320年以上使い続けている土壌から収穫される「富の川越いも」。こちらを収穫体験させてもらいます。
おわりに
埼玉県に40年以上住んでいますが、いつも国道や高速道路を車で通り過ぎてしまっていた三芳町。そういうこともあり、最寄り駅からは徒歩にて三芳町周辺を感じることにしました(本日合計:32,310歩)。今回の企画を通じて、目的をもって三芳町を訪問し大変貴重な学びとなりました。最後には、三芳町の林町長ともご挨拶させていただき、今後の協働などにもつながりそうです。
落ち葉堆肥農法についての実演を見たり、体験をしたりしたわけではないのですが、世界農業遺産として認定された伝統的農林水産業を営む地域(農林水産業システム)から、「生まれた食材を活用したイタリア料理を愉しみ、イモ掘り体験を通じてフカフカの土壌に触れ、そして自分たちの足で農業遺産を巡る」ことで、開拓当時の様子等を想像しながら、現在まで受け継がれている農法を学ぶことができたと思います。貴重な機会を企画してくれた事務局の皆さま、提案いただいた研究会会員の方々に感謝いたします。
(文責:SDGs共創経営研究会 丸山康明)