4時6分。 この絶妙な時間にならない事には、美しい夜醒めの街は見られない。 グラファイトのような空はたちまち変化する。夜明け特有の灰掛かった雲を膜のようにしながら、…
豪雨に震えながら眠ったのが一昨日の話。豪雨に怯えながら起きていたのが昨日。 天気予報など当てにならない。はじめは何十ミリも降るとほざいていた天気予報が、私が目を…
平家蟹
2024年6月4日 04:39
4時6分。この絶妙な時間にならない事には、美しい夜醒めの街は見られない。グラファイトのような空はたちまち変化する。夜明け特有の灰掛かった雲を膜のようにしながら、薄い群青色の空が空に張りついている。このとき街はまだ暗い世界に包まれたままだが、ほんの少しだけ色味を帯びた世界に移り変わり、黒の街は灰青一体になる。この瞬間『絶妙な色味の“のっぺりとした立体的な”街』が生まれ、まるでそこは慣れ親しんだ地
2024年5月29日 03:07
豪雨に震えながら眠ったのが一昨日の話。豪雨に怯えながら起きていたのが昨日。天気予報など当てにならない。はじめは何十ミリも降るとほざいていた天気予報が、私が目を覚ます直前には雨量数ミリに更新されていた。小さな(尤も私にとっては大きな)歓喜に踊ったの束の間、数時間後には再び数十ミリ単位に変わっている。途端に息が詰まった。これほどまでに私が豪雨に怯えるのは、雷を伴う可能性があるから。ただそれだけの