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無理だとしても書いてみる、話してみる/京都ライター塾第11期レポート #06
先月から始まった、江角悠子さん主宰の「京都ライター塾」第11期。今日はその第6回目を受講しました。京都ライター塾は講義の回とペアワークの回が交互にあり、今回はペアワークでした。
前回の「自分の価値観、判断軸を知る」ペアワークのレポートはこちら。
今回のペアワークの内容は「人生の企画を立てる」。事前課題の「人生企画ノート」に記した内容に沿って、ペアになった受講者と60分間対話をし考えを深めていきました。
今回ペアになった受講者は穂積つづるさん。穂積さんは発達障がいを持つ息子さんと暮らされていて、中国の伝統楽器・二胡の演奏に精力的に取り組まれています。そのことをnoteに綴られていて、もっと書けるようになりたいとこの講座を受講されているそう。
穂積さんのnoteはこちら。どの記事も落ち着いていて温かな、穂積さん節が滲んでいます。
無理だとしても書いてみる、話してみる
インタビューはまず「こんな記事を書いてみたい」というテーマで、具体的に書きたい媒体と書きたいテーマや内容を挙げるところから始まりました。
穂積さんは滋賀のスポットや、人物を取材する記事を書かれたいという希望があるのだそう。一方、私は京都の記事を書きたいという希望があり「京都移住計画」「ハンケイ500m」「月刊京都」など、京都に暮らす人たちを詳細に取り上げる記事を掲載されている媒体を挙げました。
私は「絶対に無理だろうな」と思いながら、これらを事前にノートに書いていました。けれども穂積さんと話せば話すほどこれらの媒体で書きたいと思えてきて、ではどうすれば無理じゃなくなるだろうと具体的に考えられていることに気づきました。
無理だとしても、書いてみる。それから話してみる。そうすることで到達点までの道を具体的に考えられるようになると気づきました。
やりたいことと道筋を具体的に書くことはこれまで何度もやってきましたが、途中で「これって本当にやりたいことなのかな」と分からなくなって絵空事に終わっていたのです。
そこを乗り越えるのは対話なのだと知りました。自分のことを言葉にして他者との違いに気づき、自分のことを知る。対話の効用を実感した回でした。
具体的に描けるほど、見えてくる
インタビューの中で、穂積さんは二胡のことや、息子さんのことを上手くブログに書けるようになりたいと話してくださりました。「でもそれは趣味で……」と仰っていたのですが「こういうことを書きたい」を具体的に話されている穂積さんは生き生きとしていて、まるで記事がそこに立ち上がってくるようでした。自分で媒体を作れるのでは、という可能性まで感じるぐらい。
目標と同じく、「書きたい」の内容も具体的に話せば話すほど見えてくる。そして書きたい内容はすでに自分の中にある「自ずと語りだしてしまうこと」なのだと知りました。
自分起点の仕事を一度やってみたい
対話の中で、毎週のレポートしんどくないですかという質問をいただきました。そこでどう答えるかとても迷ったのです。しんどいのはしんどいけれども、それだけではないという感覚があり、でもしんどい以外の部分を上手く言葉にできなかった。
ちなみに仕事はしんどくなると「なんでこんな無意味なことをしているんだろう」と虚しくなってくる。けれどもレポートや課題はしんどくなってもそういう虚無感が湧かないのです。
すると最後に江角さんが“依頼された仕事を必死にこなす中で「人の企画は一生懸命こなそうとするのに、どうして自分の企画は叶えないんだろう」ということにあるとき気付いた”という話をしてくださりました。
それを聞いて、ああレポートや課題は「自分の企画」だから虚しくならないのかと気づきました。
これまで自分は言われたことをただやる仕事しかしてきませんでした。それを必死にこなして、大切なものを犠牲にしたこともあります。でもきっと自分の企画なら「犠牲」とは思わないのではないか。
自分が起点になる仕事を一度やってみたい。一つやってみたいことが明確になりました。
おわりに
ワークを通して自分について考え、話して、そのままの自分を見つめられるようになったことで、自分を大切にできるようになってきている気がします。
「この自分は崩れることはない」という感覚を得られたというか。「自分にできることはない」と落ち込むことが以前より減り、「できることはない」は変わらないけれども「できることのない自分でいい」と思えているというか。「誰になんと言われようが自分は自分」というストレートな言葉をそのまま使ってしまいたくなるような気分です。
今回の穂積さんのレポートはこちら。来週は「インタビューのやり方」の講義回です。