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【RX 山本健一】 2022.07.17-18 全日本選手権トラック マスターズ3km個人パーシュート 優勝

3年ぶりの開催となった2022全日本選手権トラック マスターズ。シーズン前半の目標として設定している大会に臨んだ。結果は最大目標達成の優勝。

目次

概要

出場種目はスクラッチ、3km個人パシュート、チームスプリント(以下、チースプ)の3種目。
すべてにフォーカスすることが理想ではあるが、今回は3km>チースプ>スクラッチの序列をつくる。
3kmは手堅く。チースプは将来へのファーストステップ、スクラッチはクジ引きみたいなもんなので、行ければいく。
チームからはいぶし銀の武田親分、トラック初参戦のエンディー。
全国から長年トラック競技で練磨された猛者が集い、若手の押し上げもある。現役競輪選手も出場していて気が緩まない。

スクラッチ 10km 11位

年齢別なしの13人が出走のスクラッチ。練習を共にした知った選手たちも出場しており、和気藹々だが全日本という空気感はある。最も警戒していたのはロードレース男子部の岸本選手。10kmと短めだが中長距離の能力が高い選手は積極的に動かないと勝ち目なし。筆者もどちらかというと逃げる方で活路を見出差ないと勝負にならない。
チームからはスプリンター武田さんと私の2名参加。お互いの得意分野で上位を狙えるので、私が動きまくってダメなら最後は狙ってもらうという作戦に。
序盤は牽制状態で散発的に抜け出す動き。決定的だったのは残り20周を残して岸本選手の単独アタック。半周ほど差がつき集団はまだ追走の空気がない。ちょっと緩んだときに抜け出して、先頭ジョインを目論む。3時間後に控える3kmに向けても調子をみる。ガーミンによると48〜50kmで4分間ほど追走し、差を詰めるが宙ぶらりんになり、残り数周。後続も黙っていない。一気に差を詰められて残り4周ほどで集団に飲み込まれる。足はほとんどないけど最終2周目で先頭に。武田さんに最後を託すべく最終ラップまで引く。割といいペースだったと思うが、別次元の加速で4人に抜かれていく。その中に武田さんも入っており後は見守るだけ。先行する選手の番手をうまくスイッチしレース巧者の走りが光る。ラストまで足掻いた岸本選手をパスして3位に入賞。スプリンターが上位をしめる結果になり、中長距離勢は残念。とはいえよい刺激になった。

BikinTV/マスターズ スクラッチ決勝 動画

3km個人パーシュート 45-49歳の部 優勝

3分38秒583 AVE49.41km/h

昼休みを経てJOCの種目といよいよ個人パーシュートへ。競技時間がながく後半の順番だったので2時間ほど糖質をとりながらゆっくり待機する。

糖質といえばパラチノース!

個人パーシュートはホームとバックから2名の選手が同時に出走し、TT系の機材でタイムを競う。または追い抜いた時点で勝利となるが、今回(だいたい)もタイム基準なので抜かれてもそのまま走れる。
かつてコンディションが万全でないときチームメイトのハンさんに追い抜かれたこともあったが、今回は直前までのタイムトライアルレースの結果(5戦/3勝、2位2回)という結果と事前のバンクでの計測などでコンディションの良さは確認していて、タイムの想定はできてる。ズバリ自己記録を超える大会記録3分35秒を目指す。
最新の出走リストを見ると、同じ年代には現役プロのエントリーがあり動揺する。かつては中距離のナショナルチーム代表の児玉さんか…。実際にタイムもよく3分40秒を切ってきた。「本当に自分にできるだろうか?」直前になり緊張する。インフィールドは終始和やかな雰囲気だが、スタートラインに立つとやっぱりNCらしく厳粛な空気になる。
出走機にバイクをセット。バイクにまたがり待機時間60秒が表示される。この時間が長い。あーいよいよスタートかあ、と他人事のように感じる。
カウントダウンされいざ出走。スタートは蛇行させず、パワーが推進力だけのために注がれるイメージに。
今回前半はパワーを抑えめで後半に備える走りを心がける。その余裕があった。最初の1kmは呼吸が乱れない程度で深呼吸を心がけて丁寧なラインをとり、1分14秒ほどで入った。
ここから垂れるのではなくタイムを上げていかないとタイムはでない。1~2kmは1分9秒ほどだったと思う。後半は我慢するだけ。武田さんやエンディーがインフィールドから状況を伝えてくれる。しだいに対抗で出走した岩佐選手の背中が見える。俄然踏み込んでラスト2周はまたタイムを上げることができた。明らかにフォームは崩れてくるが冷静に走れた。前を見たくなるができるだけ頭を下げて、走路だけを見てフィニッシュラインを越える。MCがらぱさんのコールが聞こえる。「3分38秒...」 おお、勝ったぞ。
公式記録では40秒を切ったことがないので正直嬉しい。時速は49.41km/h。走りながらギアが軽いから「次回はもう1〜2枚上げるか」と思っていたが、リアのコグを見ると15Tをセットしたはずが14Tで4倍のギア比を踏んでいた。それだけ調子が良かったんだろう。
2位の児玉プロ、3位の選手とはタイム差が僅差だが勝つことができた。ちょっとしたミスで余裕でひっくり返される差だった。

↑ BikinTV/マスターズ 個人パーシュート動画

チームスプリント A 2位(2チーム中)

3人ひと組で1周ごとに先頭が抜けていく、いわゆる三段ロケット。出場選手の合計年齢でAとBにクラスが分けられた。我がチームは若いほうのAに。参加チームは2チーム。対抗はどう足掻いても勝てないスペックの天狗堂チーム。今回の目的はダイヤの原石エンディーの練磨。前日に練習を重ねて仕込みはまだまだ甘いが実戦が良い経験となる。練習ではスタートに出遅れる点が指摘されたが、分析してなんとかなるだろうと結論づけて本番に臨む。ギア比をエンディーに合わせて同じ比率にしていく。1走目は武田さん、2走目は筆者、3走目はエンディー。とにかく食らいついていこうということで、スタート。チースプはスタートがポイントとなる。2走目は1走目のスピードを3走目に伝える重要な役目。ギア比も同じだし、普段のスプリント練習から同様程度の加速性能だろうとたかを括っていた。
武田さんの加速に対して合わせてドラフティングに入る。ここで後方を確認すべきだったか。ちょっと前半緩めた感じだがいいペースに乗せて武田さんが引っ張り1周目で先頭からはずれる。「居る」ことを前提にその加速を受け継いでもがく。2周目の交代で先頭責任をおえて走路からはずれるといるはずのエンディーがいない。スタート直後から後方に置き去りにしてしまい、完全な独走で3周を回ることになった。なんとも苦い結果となったが、反省を生かし次回に向けてのスタートとする。

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全日本(マスターズ)タイトルをゲットし、ナショナルジャージもいただいた。
photo:武田親分

緊張から解放された瞬間は気持ちがいい。さらにご褒美がつくのなら、日々の憂鬱なトレーニングにも打ち込めよう。フロックと言われないように今後も精進をしていく。





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