「繋がりに気づき、創造性を回復させる」のメタファー(1)
プロジェクトの推進がうまく行かない時、チームの雰囲気が悪くなったときに読むnote。メンバー全員、状況をよりよくしたいと願っている。悪いのは人ではなく、繋がりである。さらに言うと、繋がりを作るのではなく、適切な繋がりに気づけばよいのであると勇気付けるnote。
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「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
これは『アイデアのつくり方』(ジェームズ・W・ヤング著)で書かれている有名な言葉だ。
何か創造的なことをしようとするときに、必要なのは「何かと何かを繋ぐこと」ではなく、「何かと何かの繋がりに気づくこと」だと捉えることもできる。
ちなみに、この「繋がりに気づく」というスタンスの前提にあるのは、物事はすでに繋がっている、ということだ。物事は既に繋がっていて、必要なのは誰かがそれに気づくことだけ。
個人や組織に当てはめれば、どの個人も組織に関しても、既にある繋がりに気づき、いわば、創造性を回復すれば良いと捉えることもできる。肩の力の抜けた、いい捉え方だと思う。
僕はこの「繋がりに気づく」という創造性を回復させるスタンスが大好きなので、それに関するメタファーをまとめてみた。
(金継ぎ)なおすことはセラピー
2019年3月に知った河井菜摘さん。漆と金継ぎをメインに動く修復家だそうだ。「なおすことはセラピー」というnoteで知った。
記事の一部を紹介させてください。当初は作家活動の中心は漆のものづくりだったそうだが、徐々に金継ぎ、なおすという作家活動をし始めたそうだ。
ちょうど6年前は漆で作家活動をしていて、この先、物作りを続けていくのが正しい道なのかわからなくなっていた頃でもあった。
修理を仕事にしようと方向転換したのは自然な流れだった。
周りにはものづくりを諦めた、という風にも見られたけど、自分の手の中で400年前の江戸時代の傷んだ古物が息を吹き返すのはかなりクリエイティブな感覚だった。
なおすことはセラピーである、そんなことを年月をかけて実感し始めている。
なおすことはクリエイティブな活動であり、セラピーだとも表現されている。
勝手な推測にすぎないが、「セラピー」という優しい言葉を使われているあたり、河井さんは金継ぎによる「なおす」ことをする際に、「繋ぐ」ことより「繋がりに気づく」というスタンスなのだと思う。
同じことを他の活動でも言える気がするので、いくつか紹介したい。
ヨガの語源は「繋がり」
ヨガは様々なアーティストやスポーツ選手はもちろん、ビジネスマンにも取り入れられるようになっている。また、あのappleのジョブズもヨガや禅の精神に触れていたという話もある。
そんなヨガは実は「繋がる・統治する」という意味があります。そして、この繋がりと創造性(クリエイティビティ)について、5年以上前に、ヨガのインストラクターの活動をしていた時の考察した文章を転載したい。
ヨガの練習では、丁寧に自分の吸う息と吐く息をコントロールし、身体の隅々まで意識を向け、心の動きに触れながら、ポーズをとっていきます。それだけで、自分の身体の輪郭を細かく見ていく作業だと想像できると思います。
自分の輪郭を丁寧に観察したり、練り上げたりすることは、自分自身と世界を明確に切り分けるという意味ではなく、その接点、境界線、輪郭、要するに自分と世界の繋がりをより見ていくことに他ならないのだということを示しているのではないでしょうか。
だからこそ、ヨガの練習をしたあとは、閉じた気持ちになるのではなく、満たされ、解放された気持ちになるのでしょう。とても不思議な感覚ですが、本来「繋がり」という意味をもつヨガにとっては当然のことなのかもしれません。
何かを作り上げるというアプローチではなく、より丁寧に観察することを通じて、そこにある繋がりに気づくというアプローチこそ、創造性を回復する、発揮することになるのではないかとヨガからも読み取ることができる。
デッサンは「対象や空間の繋がり」を見ている
デッサンからも、同じようなことを読み取ることができる。
一時期、絵が好きなことを思い出し、絵画教室でデッサンを習っていた。その時を振り返り、気づき事項をまとめて見ると、ものを描いていたのではなく、「対象や空間の繋がり」を描いていたのだなと気付かされた。
学んだことを6つにまとめてみたが、今回の文脈だと、1番が特に該当するものだろうか。
これについての記事は以下のnoteでまとめている。
ちなみに、デッサンをやられている方にヨガと感覚が似ていると答える方もいる。静かに対象物に向き合うことは、一種のセラピーのような効果をもたらすのかもしれない。
ミッションの策定も「繋がり」を浮かび上がらせること
令和時代は個の時代と言われるが、その時の「自分らしさ」や「自分のミッション」を考える時も、自分をいくら深く掘っても、それを掘り当てることはできない。
それは、なにがしかのトライアンドエラーを通じた探索であり、周囲との関係性、それこそ「繋がり」を通じた気づきなのだろうと思う。
ちなみに、ミッションについては以下のnoteで触れている。
さいごに
ビジネスの推進に関わる時、うまく行かないことも多々ある。そのような時、メンバー間が感情なしこりが生じてしまうこともある。
しかし、色々なメンバーにふと個別に話をしてみると、「よくしたい」「貢献したい」という想いを乗せたフレーズがふとこぼれる。
「もう無理なのかもしれませんね」
一見、こんな言葉にすら、実は「本当はなんとかしたい」という想いが隠れている。
そんなときに、ふと、実は人は誰もが基本的に「よくしたい」「貢献したい」という想いを持っている。ただ、なにがしかの状況で、良い繋がりが浮かび上がっていないだけなのではないかと感じた。衝撃的だった。
「繋がりに気づく」「創造性を回復する」
それは個人だけではなく、チーム運営にも深く関係しているスタンスだったと改めて感じ、今回の記事を書いた。
これからも、「繋がりに気づき、創造性を回復する」というスタンスの取り組みを収集したいと思うのです。
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