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力強いお湯が湧く土地 旅先銭湯 鹿児島編 Part1
元々、温泉や銭湯が大好きなので、旅に出なくても暇さえあれば銭湯に通っています。そんな私の旅の目的ナンバーワンはいつも、「その土地のお風呂に入ること」。次点は「その土地の美味しいものを食べること」と「その土地に住んでいる人たちの暮らしを垣間見ること」が同点です。
東京には東京の、大阪には大阪の銭湯があります。小泉進次郎並みに当たり前のことを言いましたが、何が言いたいかと言うと、その土地にはその土地に根差した、その土地の個性があらわれたお風呂があると言うことです。47都道府県あるから47通りの、さらに言うなら同じ県内でも文化や方言が異なるようにそれ以上のお風呂カルチャーがスペクトラムとして日本全体に広がっているはず。何それ超ワクワクするじゃないですか!
鹿児島を選んだ理由
複数の銭湯好きの方から「鹿児島の温泉はいいよ」と教えてもらっていました。
中でも指宿にある弥次ヶ湯温泉は一年前に旅先銭湯の著者、松本康治さんにその良さを熱く語っていただき、「いつか絶対行こう!」と心に決めていました。
でも、人間のいつかって、なかなか訪れないですよね。私の場合は、長い付き合いの友人が九州で法事があるので合わせて鹿児島に温泉入りに行くけど、一緒に行かない?と誘ってもらったのがきっかけでした。
その友達は、私より10歳年上で、多分私が知ってる人の中で一、二を争うレベルで脳にブレーキがない人です。新卒の会社で出会った北海道出身の女性ですが、日本全国いろんな土地で仕事を見つけて働きながら住むというスタイルを繰り返していて、温泉旅館の仲居をしていたこともあると言ってました。
数年前、「東京に行くからご飯食べよ」と誘ってもらい、新大久保のチムタクという名物料理を食べながら「明日はどんな予定?」と聞いたら「ひとりで東京ディズニーランドに行く」と言ってて、じゃあ舞浜近辺に泊まったりするの?と聞いたら、「ううん、その辺のネットカフェに泊まるのー」と言うのでびっくりしました。ネットカフェに泊まるって、私の宿泊オプションにはなかったけど、彼女のおかげで「今まで何でナシだと思ってたんだろう?別にネットカフェでもいいじゃん」と思うようになり、ネットカフェに限らずですが行動範囲が広がった気がします。
彼女との楽しいエピソードは他にもたくさんあるのですが、それはまた別の機会に。
そんなこんなで自由奔放な彼女と鹿児島空港で待ち合わせて、いざ三泊四日の旅へ!私はペーパードライバーなので、レンタカーの助手席でナビを務めます。
(本文記載の料金は全て2024年10月現在です)
1湯め: 昇龍温泉
着いたその日にどっかお風呂入ろうと探しましたが、到着が21:00とかだったのであんまり開いてるところがなくて、とりあえずホテルチェックインした後Googleマップで確認したらヒットしたところに行ってみることにしました。
川沿いにたくさん温泉の看板があり、それらはみんな家族風呂でした。家族風呂って何?と言う方のために説明すると、個室の貸切風呂です。建物にずらっとドアが並んでて、ドアを開けるとちょっと大きめの2人入っても余裕くらいの浴槽がある浴室と、脱衣所になっています。受付でお金を払うと札を渡されて「何番へ」と指示されるのでその番号のドアの浴室に入って、鍵を閉めてお風呂に入ります。時間は1時間と言われましたが、誰もカウントしている様子はなかったです。
受付の女性に「初めて?」と訊かれたので「はい」と答えたら、「出てくる時に浴槽の栓を抜いてきてください。毎回温泉を入れ替えるので」と教えてもらいました。つまり、源泉かけ流しってことです。贅沢!豊かな気分で温泉に浸かりました。
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個室を貸し切るスタイルは温泉旅館のサービスのひとつとして見たことはあったけど、こう言う形で単体でお店になっているのを実際に見るのは初めてでした。大きい湯船で脚を伸ばして、とはいかないけれど、かけ流しの温泉を広めのお風呂で堪能できて、男湯女湯に分かれなくていいからお子さんいる人は家族みんなで入れるし、カップルもふたりで入れるから待ち合わせしなくていい。あと思ったのは、性自認が肉体とずれがある人も、気兼ねなく温泉を楽しめますよね!タトゥーがある人も入れるんじゃないかなあ?銭湯の広いお風呂は大好きですが、入れる人が広がる家族風呂も、素敵だなと思いました。
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昇龍温泉
住所: 鹿児島県霧島市隼人町姫城1丁目131
TEL: 0995-43-7733
FAX: 0995-43-7733
営業時間: 5:00~26:00(最終受付25:00まで)
年中無休
料金: 1名一室360円 2名一室470円(各1時間)※土日祝日は料金変わるようです
URL: https://shouryuonsen.com
※駐車場広いです
2湯め: 福寿温泉
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2日目午前中は、霧島神宮にお参りした後、福寿温泉さんへいきました。薄いブルーの建物が可愛らしいです。男湯・女湯の出入り口に挟まれた壁に箱が設置されていて、そこに料金を入れて入ります。大人200円。安い。
脱衣所で服を脱いで浴室の扉を開けると、簡素な洗い場と浴槽がひとつ。確か水風呂もあったと思う。温泉のお湯はほのかに黄緑色だけど無臭だった。窓の外はみずみずしい緑が目に優しい。静けさの中で水音だけが聞こえます。他に何もいらない…。
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湯上がり外に出ると、道を挟んで隣に作業場があり、福寿鉱泉として水が売られていました。
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どうやって持ち帰るのかな。
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福寿温泉
住所: 鹿児島県霧島市牧園町三体堂2306
TEL: 0995-76-2083
営業時間: 8:00〜19:00(夏季5〜8月は20:00まで)
料金: 大人200円
http://fukuju.tm.land.to/spa.htm
※駐車場広いです
3湯め: 田島本館
これまた山の中をうねうね行った先にある地鶏で有名なお店でお昼ご飯をいただいた後、向かったのは田島本館。湯治宿も併設されていて、受付横には囲炉裏もあっていい雰囲気。
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浴場は駐車場の端っこにぽつんとありました。女湯の引き戸を開けると脱衣所で、その奥に浴室。浴室には中央に温泉浴槽が、その手前に地下水の水風呂があります。
黄色がかった薄緑色のお湯は、なんとなく年配の男性をイメージします。は?お前のことなんて知らねーよ。と冷たいことを言いつつ、黙って囲炉裏の火をおこし、どこの誰だか知らねーけど、せっかく来たんならあったまっていけよ。とお椀に熱々のお味噌汁をよそって渡してくれる、みたいな男性です。(モデル: 國村隼さん)粗野で、不器用で、でも愛と熱量がいっぱい。
水風呂の地下水はそこまではっきり見える透明度で、近くの蛇口から飲むこともできます。常連さんに促され、ひとくち口に含むと、口内でやわらかく広がり、飲み込まなくても粘膜から吸い込まれていくようでした。この水風呂でクールダウンし、また國村隼(イメージです)の腕に抱かれに戻る、の繰り返しは至福のひとときでした。
いつか、ここの湯治宿にしばらく滞在して、思う存分お湯をいただきたいなあ。
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田島本館
住所: 鹿児島県霧島市牧園町宿窪田4236
TEL: 0995-77-2205
営業時間: 8:30〜19:00(月水金の11:00〜13:00掃除)
料金: 中学生以上 300円
URL: https://tajimahonkan.com/
4湯め: かごっま温泉
かごっま温泉さんは、街中にありながらパワフルな温泉が楽しめる銭湯です。田島本館さんのお湯に入った時も思ったことですが、かごっま温泉さんに限らず鹿児島の温泉は概して力強い。太い眉毛の西郷さんが有無を言わさずガシッとハグしてあっためてくれる感じ。洗練されてはいないけど素朴で、その素朴さがとても好きです。温泉以外にも、目についたのは塩が入った木の箱。塩を身体に擦り付け、発汗を促すんだそうです。また、電気風呂が私の好きな揉兵衛だったのですが、入ってみたら全然電気を感じず、なぜ?と思っていたら浴槽の横の壁にスイッチがありました。スイッチ式の電気風呂、初めて見ました…!(スイッチ入れたら結構強め)
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かごっま温泉
住所: 鹿児島市易居町3-28
TEL: 099-226-2688
営業時間: 8:00~24:00
料金: 中学生以上460円
URL: https://www.kagoshima-onsen1010.net/sento-map/beauty/post.php
※お店の裏側にコインパーキングありました
Part2に続きます!