落ちていく腎臓
少し前に、「骨盤の位置が悪いことがかかとのガサガサを引き起こす」という記事を書きました。
今日はもう一つ、骨盤の位置が悪いことで引き起こされる内臓の不具合についてお伝えしたいと思います。
「腎臓」がどこにあるか、ぱっと思い浮かべることはできますか?
腰に両手のこぶしを当てていただくと、ちょうどそのあたり、そのぐらいの大きさで2つあるのが腎臓です。
血液から老廃物や余分な水分を濾過し、排出を行って尿を作る臓器です。
図を見ていただきたいのですが、腎臓につながる管は、大動脈/大静脈から分かれた腎動脈/腎静脈という大きな血管、そして尿を膀胱に運ぶ尿管です。
横、下につながる管はあるのですが、上からつるすようにつながっている管がないことがわかりますね。
胃や肺などを思い浮かべていただきたいのですが、多くの臓器は口からつながっている食道や気管の延長線上にあるので、上からぶら下がるようにつながっていると言ってよいでしょう。
一方、腎臓は特殊で、下へつながる管はあっても上からはつながっていないので、ある意味宙ぶらりんです。
この宙ぶらりんの腎臓が落ちないように支えているのは脂肪や筋肉でもあるのですが、とても大事なのは腰のカーブです。
背骨の腰の部分、腰椎がおなかの方にカーブをしていることで、ちょうど骨盤の上(この図で言うと仙骨)に乗るような形で腎臓が支えられているのです。
ところが、デスクワークの人によく見られるように、おなかの力が抜けて骨盤が後傾してしまうと腰のカーブがなくなってしまいます。
腰のカーブがなくなると腎臓が重力に負けてどんどん尾てい骨の方へ落ちてしまいます。
すると、大動脈から分かれた太い血管、腎動脈も下に向き、腎臓に流れ込む血流が多くなってしまいます。
腎臓に想定より多い血液が流れ込むことは腎臓に負担をかけます。
負荷に耐えかね濾過機能が衰え、いずれは人工透析?ということにもなりかねません。
また血圧が上がるので、心臓にも負担をかけることになります。
おなかの力が抜けて腰が丸まる骨盤後傾の姿勢が引き起こすのは腰痛だけではありません。
不具合になかなか気付きづらい臓器、腎臓が落ちていかないように、骨盤をよい位置にセットするよう心がけてくださいね。
ピラティスやヨガなどのボディワークが、あなたの骨盤をよい位置に保つお手伝いをしてくれるはずです。