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定期考査のデジタル採点について

中間考査の時期になってきましたが、いつになっても採点は時間がかかるものです。
特に中間であれば、試験のない教科もあるので、なぜ5教科だけ忙しい思いをしなければならないのか、と思うこともあるはずです。
本校では数年前からデジタル採点用のソフトが、教員各自のパソコンに入っており、自由に使うことができます。
教科や単元によって使い勝手には差がありますが、活用ができている人にとっては働き方改革に繋がっています。

本校で取り入れられているデジタル採点ソフト

本校では大日本印刷(DNP)のAnswer Box Creatorというソフトが入っています。
このソフトは自動採点ではなく、あくまでデジタル採点に対応しているもので、従来の紙と赤ペンの採点をパソコンの画面上で行うためのものです。

まずは解答済みの答案をクラスごとにスキャンします。
スキャンしたpdfデータを解答欄設定用のソフトに取り込み、試験の設定をします。
欠席者を飛ばすなど、名簿との照らし合わせを行うと、解答欄と観点、配点の設定を行います。
この手順がやや面倒ですが、慣れると直感で操作することができます。

続いて採点用のソフトを立ち上げて、画面上で採点していきます。
画面上ではクラス全員分の特定の問題の解答を一覧で見ることができるので、一括で丸バツをつけてから個別に変更したり、一つずつ見ていくことができます。
記号問題など、答えが分かりやすいものは全員一括で正解にしてから、間違いを探していくほうが楽です。
作文など、解答に幅のある問題は一つずつ見ていくのが良いです。
答えによっては△にして減点したり、部分点を与えたりすることができます。

クラスぶんの採点が終了したら、結果はcsvで出力して、成績処理用のエクセルファイルにコピペしたり、生徒返却用に印刷したりすることができます。
生徒に返却する際は、この印刷したもの(生徒の解答にデジタルで◯×△などの採点が加えられ、点数がついているもの)とオリジナルの生徒が解答した解答用紙を返却します。
どうしても印刷したものだと薄くなってしまうので、解答用紙を確認用として返却するようにしています。

デジタル採点ソフトのメリット

デジタル採点をすることによって、明らかに採点にかかる時間を削減することができます。
ざっくりとした印象ですが、赤ペンで採点していくときと比べ、採点の時間は1/3から2/3ぐらいになっているでしょうか。
そのおかげで他の業務に時間を割くことができます。
また、同じ問題ごとに採点をしているので、どの問題が躓きやすいのかを瞬時に判断することができます。
もちろんその結果はデータとしても見ることができるので、「最初の問題は100人中95人正解していたが、最後の問題は100人中30人しかできていなかった」などの結果をすぐに知ることができ、授業改善に活かすことができます。

また、スキャンをするため、解答用紙の改ざん防止につながります。
中には返却された答案を書き換えて採点に誤りがあると言ってくる生徒もいないわけではありません。
そういうことを未然に防止するのにもデジタル採点ソフトは有効です(もちろんスキャンをするだけでも可能なわけですが)。

デジタル採点ソフトのデメリット

他のデジタル採点ソフトはどうか分かりませんが、本校で導入されているAnswer Box Creatorに関して言えば、いくつかのデメリットがあります。

まずは致命的なデメリットとなり得るのが、ソフトの重さ・遅さです。
ソフトの立ち上げ、スキャンデータの読み込み、採点の開始電子投票終了など、至る所でソフトの動きの遅さが目立ちます。
デジタル採点自体が働き方改革につながるとはいえ、一つ一つの動作が遅いとイライラの原因になってしまいます。
パソコンのメモリの問題もあるかもしれませんが、最低限のメモリであればストレスなく動く程度の軽いソフトにしてほしいものです。

次にスキャンデータの濃度です。
スキャナーで一番濃く読み取れる設定でスキャンしたものであっても、画面上だと薄くなってしまいます。
元の解答の文字が薄い場合はほとんど見えない状態になることもあります。
その際は解答用紙を見る羽目になり、時間がかかってしまいます。
スキャンデータの濃度から落ちることなく、同等の濃度でデジタル採点ができるようにしてほしいです。

最後に単元や教科によって向き不向きがあるということです。
画面表示の都合上、どうしても横表示縦スクロールになることから、国語の記述問題のような縦長の解答欄には不適切なことがあります。
また、数学のグラフを書く問題など、一つの解答欄に複数の答えを書くものも不適切になります。

まとめ

以上、本校で導入されているデジタル採点ソフトについてまとめましたが、メリットもデメリットもそれなりにあることが分かります。
このデメリットのせいか、本校ではそれほど活用がされていないのが現状です。
一度校内でデジタル採点の研修会を実施しましたが、特に使用者が増えるわけでもなく、その後の研修会のニーズもありませんでした。

やはりデメリットを解消してもらわないことには、学校全体での活用というわけにはいきません。
また、中にはデジタル採点イコール自動採点だと認識している人もいます。
記述問題はできなくても、記号問題では自動採点は採用してほしいです(サービスとしてはあるようですが、本校のソフトがアップデートされていないのでしょう)。

採点ソフトとしては何社も開発をしているので、より良いものを探して導入していけたらいいのかなとは思います。

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