見出し画像

AI学習アプリMonoxerを活用した知識定着

勤務校では、AI学習アプリケーションのMonoxer(モノグサ)をトライアルとしてお試しで活用し始めました。
ここでは、Monoxerとはどういうものなのか、Monoxerで何ができるのか、生徒の反応にはどういったものがったのか等について書きたいと思います。

Monoxerとは何か

Monoxerは「理解」ではなく、「定着」に特化した新しい教育ツールであり、一人ひとりにちょうどよいレベルの問題を、ちょうどよいタイミングで、ちょうどよい量だけ出題してくれるサービスです。
どんな生徒でも、確実に記憶定着の状態まで到達することができることに定評があります。
MonoxerはGIGAスクール端末のブラウザ上でも、生徒自身のスマートフォン上にインストールしたアプリでも使用することができ、データも同期されるため、個別最適化された記憶定着に適しています。

公式HPの内容をざっくりとまとめるとこんな感じでしょうか。

このMonoxerですが、大手進学塾の早稲田アカデミーでも活用されています。
主に理社を履修している生徒を対象としているようです。

また、公にはされていませんが、以下のレポートを見る限り、早稲田実業学校でも活用されているようです。

さて、Monoxerの使い方ですが、たとえば英単語の学習であれば、まず生徒に覚えてもらいたい英単語と日本語訳の一覧をcsvでbookとして作成します。
bookをMonoxer上にアップロードして、タスクとして配信すると、生徒は取り組むことができるようになります。
英単語の一覧は教科書会社が発行しているデータをそのままコピペして、多少整えただけなので、それほど難しい作業ではありません。
タスクは学習計画(スケジュール)を設定することで、無理のないペースで進めることもできます。
英単語のタスクは単元ごとに分けて、一年分アップロードしたので、スケジュールは設定せずに、生徒が好きなタイミングで好きなときに取り組めるようにしました。

ちなみにbookを自分で作成せずに、あらかじめ用意されている基礎コンテンツを利用することもできます。
社会や理科などでは基礎コンテンツは有効に活用できそうです。
英単語に関しては、教科書に準拠させたいのであれば自分で作る必要がありますが、ジャンル別の単語集のような形でよければ基礎コンテンツも十分活用できます。

Monoxerは学習者のレベルに合わせて、自動で出題形式を変更してきます。
まずは、英単語を見て日本語を選ぶ問題、次に日本語を見て英語を選ぶ問題、次に英単語の一部を埋める問題、最後に英単語全部を書く問題、というふうに少しずつ難しくなっていきます。
これは単語ごとに異なるので、一度の出題セットの中でも様々な形式で出てきます。
一応、日本語を入力するように設定することもできますが、日本語の意味にはかなりのブレがあるのでおすすめできません。

Monoxerを使ってみた

英語科では単語テストの範囲の英単語をすべてアップロードし、生徒一人一人が自分の好きなタイミングで好きなスピードで学習ができるようにしました。
同時に小テストも配信し、十分に学習できたと思ったタイミングで本番前のプレテストのイメージで実施ができるようにしました。
また期末考査前には、試験範囲の英単語をピックアップして学習ができるようにしました。
1年生の英単語から3年生の英単語、英語検定3級から準1級までの英単語もタスクとして配信しており、生徒は自分の必要に応じて学習を進めています。
国語科では定期考査前に用言の活用などをタスクとして配信し、授業中や家庭学習で取り組ませました。

単語テストでは、従来の紙ベースでの練習用紙だけのときと比べ、平均の達成率が83.4%から92.3%に上昇しました。
また満点の生徒の人数は74人から92人(約105人中)に増加しました。
こうした結果から、ある程度の効果があることを実感しています。
教員の管理画面からは個々の生徒の取り組み状況や記憶度を知ることができ、またリアクションを送ることができるので、たまに「いいね」を押したりしています。

生徒の反応・課題など

これまでどのように記憶定着を図れば良いかわからなかった生徒が積極的にMonoxerを活用することにより、記憶定着を図ることができました。

以下のような声が挙がるなど、多くの生徒が活用していました。

・定期考査返却後、生徒A「文法は完璧にしてたけど単語がイマイチだった」→生徒B「俺はMonoxerやってたから単語完璧だったよ」
・生徒C「国語の文法はMonoxerでやったところがでたからできた」

知識定着において一定の効果を上げることのできるMonoxerですが、最後に現状で感じた課題を挙げておきます。
まず、教科や単元によって活用の柔軟性に差が出ます。
暗記教科では扱いやすいですが、どうしても複雑な数式や文章題では活用が困難になってきます。
また、生徒によって取り組み方に差が出ました。
スマホやタブレットよりも紙で勉強した方がいいという生徒も少なからずいたり、そもそも暗記という行為自体に抵抗感を示す生徒もいました。
登録段階での手助けが必要な生徒も多くいました。
特に1年生で授業内で登録した際には、全員が登録完了するまでには結構時間がかかりました。

最後に、スマホの場合はアプリでサクサク取り組むことができるのですが、パソコンブラウザ上だとそううまくいかないです。
ディクテーションなどの機能は活用することができません。
Windows端末用のアプリケーションの開発を進めてほしいところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?