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【旅日記】北九州のちょっと変わった鉄道乗り歩き(2)

北九州乗り歩きの続きです。
ここまでは以下の通りです。

添田駅で日田彦山線の列車に乗り換えです。
鉄道とBRTバスは多少の乗り継ぎ時間が取られているものの、比較的スムーズな接続ダイヤになっています。

日田彦山線の列車

添田駅は、国鉄時代は日田彦山線の香春駅から別ルート通って添田とを結ぶ添田線の終着駅でした。
筑豊地区の他の路線同様に添田線は運炭路線としてまた石灰石運搬として建設されたわけですが、実はもともと日田彦山線(当時は日田線)は添田線のルートでした。1960年頃に日田彦山線は田川後藤寺経由の路線と再編され、結果添田線は短距離のローカル線となりました。炭鉱閉鎖後は急速に過疎化が進み、国鉄末期には日本一の赤字路線として有名になっています。

国鉄改革として国鉄再建法で廃止対象として挙げられた赤字83線の筆頭だったわけです。廃止は第一次から第三次にわけて実行されましたが、もちろん第一次で1985年に廃止されました。

過去を偲ばせる広い添田駅構内を背に田川後藤寺ゆきの列車は進みます。
わずか3駅で田川後藤寺駅に到着。日田彦山線の中間駅としては最も大きい駅でしょうか。ここで、同じホームの反対側に止まっている小倉ゆきに乗り換えです。添田からの列車も乗り換えた列車もキハ47の2両編成ですが、ボックスを占有できるほどの乗車率でした。

田川後藤寺の次は田川伊田駅。ここは、平成筑豊鉄道との交差駅です。交差駅といっても立体交差ではなく国鉄時代から続く平面交差です。また、平成筑豊鉄道のホームと日田彦山線のホームの間に大きなスペースが空いています。以前はたくさんの側線があって、運炭列車が止まっていたのでしょう。

ここでホームの反対側にはキハ185を使った団体列車が停まっていました。真っ赤な列車は、朝に特急ゆふとして乗った車両です。日田彦山線の定期列車は普通列車だけなので、かなり珍しい光景だったかと思います。

すれ違った185系

香春駅、石原町を過ぎ、志井駅あたりから小倉市の郊外となります。志井公園駅は、小倉モノレールの終点企救丘駅にも近いです。
城野駅から日豊本線に入り、架線化進み小倉駅に到着しました。

小倉駅に着いたのは12時半過ぎ。
小倉駅でお昼どきとくれば、ホームの立ち食いうどんを外すわけにはいきません。今でもいくつかのホームにうどん屋がありますが、着いたホームの目の前にうどん屋があったので、そこでいただくことに。
もちろん「かしわうどん」。少し甘い味つけのつゆとうどんは、ほっとする味です。

小倉駅のかしわうどん
ホームの立ち食いうどん店

お腹が満たされたので、次の目的地に移動することにします。
鹿児島本線の普通列車に乗って、八幡駅で下車しました。

次の目的地は八幡駅から車で10分ほどのところにある皿倉山ケーブルです。
以前は帆柱ケーブルと呼ばれていました。

駅から離れているので、駅からケーブル駅まで無料のシャトルバスが出ています。平日は夜景を楽しめる夕方以降だけですが、休日は日中も毎時2本運行されています。
駅前のシャトルバス乗り場で待っていましたが、時間を過ぎてもバスが来ません。おかしいなと思っていると、目の前に止まっている普通車から声がかかりました。バスの調子が悪くてメンテナンス中とのことで代車だそうです。車には確かに皿倉山ケーブルの文字が。業務用の社用車みたいでした。

皿倉山ケーブルシャトルバス乗り場

結構な急坂を上り、10分弱でケーブル駅に到着しました。
チケットを買うと、もうすぐに20分起きに出ているケーブルの発車時間でした。車両はスマートなデザインで割と新しい感じでしたが、2001年に導入されたスイス製だそうです。

ケーブル山麓駅
皿倉山ケーブル

最急勾配は27度くらいだそうで、高低差は440メートルです。途中からは八幡を中心とした北九州市街を望むことができました。
山上駅からは、さらにスロープカーで山頂の展望台へ向かうことができます。スロープカーは鉄道ではないのですが、もちろん乗っておきます。
展望台は真ん中の階にレストランがあり夜景を見ながら食事を楽しむこともできるようです。最上階は山頂そのものですが、NHKや携帯電話の通信塔が立ち並んでいました。

スロープカー
皿倉山山頂からの眺め

それにしても標高600メートルは流石に凍える寒さで、のんびり景色を眺めてもいられませんでした。何枚か写真だけ撮って、さっさと引き返すことにしました。

スロープカーとケーブルを乗り継ぎ山麓駅まで戻りましたが、次のシャトルバスまで30分以上あるので、八幡駅まで歩くことにしました、急な坂道でしたが、下りであればどうということはありません。しかも車道ではない最短ルートがあることもGoogleマップが教えてくれました。
20分強で八幡駅に戻ることができました。

ここから再び鹿児島本線に乗って香椎へ到着。
香椎線は、筑豊本線とともにバッテリーカーである「DENCHA」が投入され、運行している区間です。昨年からは自動運転の実証も始まっています。
もともと香椎線は非電化路線ですが、香椎駅構内には架線が張られてバッテリーへの充電ができるようになっています。

JR九州 BEC819系 "DENCHA"
DENCHAの側面
DENCHAのサイドビュー

帰京の時間までそれほど余裕がないので、この日は宇美駅までだけ乗り通すことにしました。2両編成のDENCHA、香椎線は日中もほぼ30分おきに走っていて座席が埋まって立ち客が出るほどよく乗っています。国鉄でローカル線だった頃に乗ったきりでしたが、すっかりと福岡の近郊路線に生まれ変わっていました。

香椎駅構内を出ると架線はなくなり、バッテリー走行で進みます。全く普通の電車と変わりません。終点の宇美駅にも充電設備はなく、往復約25キロをバッテリー走行します。
車と全くレベルの違う重さの鉄道車両をバッテリー走行でそれだけ走らせるって、けっこうすごいことのような気がしますが、わずか10分の急速充電で90キロを走れる性能を持っているとか。普段スマホとかの充電をちまちまやっていることを考えると、同じリチウムイオンバッテリーでも別世界という気がします。

篠栗線との接続駅である長者原でだいぶ人が下車して車内は空き、そのまま宇美駅へ到着。
宇美駅には、国鉄時代は勝田線の宇美駅が広場を挟んでありましたが、福岡近郊なのに赤字線として廃止され、今は面影も残っていません。福岡の中心部に近い分西鉄バスとの競争に勝てなかった路線といえます。ただ、残しておけば、鉄道ネットワークの一部のとして再生できたかもという点では残念です。

非電化区間を走るDENCHA

宇美駅は、実は福岡空港にも割と近く、空港経由博多駅ゆきのバス路線もあります。ちょうどバスがやってきて乗ってみたくなりましたが、博多駅へ戻らなければならないし、博多までだと鉄道の方が確実なので見送りました。

10分ほどの折り返し時間でもと来た道を戻り、長者原駅で篠栗線に乗り換えます。ここももともと両線が交差しているのに駅がなく、JR化後に駅が設けられて乗り換えが可能になり、ネットワークとして利便性が大きく増しました。
長者原から篠栗線の列車に乗れば、博多までは15分で到着です。篠栗線も以前は非電化だったのにJR化後に電化された路線です。最近は合理化でワンマン化されていて、4両編成でもワンマン運転になっています。

ということで、朝8時前に博多駅を出てからいろいろと乗り歩いて博多駅へ無事に戻ってきました。
ホテルでキャリーケースを回収しても、まだ少し時間に余裕があったので、博多駅のラーメンストリートへ。混んでたらやめようと思ったのですが、幸い長浜ナンバーワンにはすんなりと入店できました。もちろん並んでいる店の方が多かったです。私はあまりラーメンにこだわりはないので。。。。

長浜ラーメン 長浜ナンバーワン

そんなわけで、あとは福岡空港へ移動して、夜のフライトで羽田へ戻ってきました。

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