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【旅日記】鉄道旅の原点となった本・著者・友の会

先週末京都にいったのは、鉄道趣味の会の同窓会に参加するためでした。

私の旅の原点はむろん親に連れられて出かけた旅行ではあるのですが、ひとり旅、鉄道旅といった主体的な旅の原点は、一冊の本にあります。

  種村直樹著 「鉄道旅行術」  (日本交通公社)

鉄道や旅のガイド本はそれまでもあったのですが、この本はそれまでの本とは全く違いました。
鉄道を使って旅行するには、何が大事なのか、何を考えなければいけないのか、どんな考え方や行動をすると楽しくなるのか、とにかく鉄道を使って旅する上でのさまざまなノウハウが詰まった新書版の本でした。

私がこの本を手に取ったのは中学生のときだったと思います。

そして、この本のもうひとつすごいところは、中学生や高校生がひとりで旅に出るということも前提としていたところです。
むろん、当時は世間一般でも今ほど青少年に対する過保護はなく、中高生が旅すること自体は必ずしも珍しいものでなかったということもありますが。

どんなことが書いてあったのかは、上のリンクのブログに書かれているので、参照してみてください。
とにかく、旅に出る前、旅の最中、そして旅から帰ってきてから使える役に立つノウハウでいっぱいでした。

こんな本を読んでしまったら、中学生だって旅に出たくなります。中学生はお金もあまりありませんし、もちろん運転免許もありませんから、旅の手段は鉄道一択です。

そして、前後して、もうひとつの本がありました。

  種村直樹著  「周遊券の旅」  (実業之日本社)

こちらは鉄道で安く旅をするのに欠かせない、当時の国鉄から発売されていた「周遊券」の解説本です。周遊券には、ワイド周遊券、ミニ周遊券、ルート周遊券、一般周遊券、ことぶき周遊券と5種類があり、どれもお得に旅ができるきっぷでした。若者には、ワイド周遊券、ミニ周遊券という今でいうフリーきっぷタイプのきっぷが人気でした。
北海道ワイド周遊券や九州ワイド周遊券といったワイド周遊券では、14〜20日間フリーエリアを自由に乗り降りできる、当時まだたくさん走っていた急行列車の自由席にも乗れるという破格なきっぷでした。

これらのきっぷのお得な使い方、時刻表に載っていないようなオプション券の解説など、これを読むと、よりお得に旅ができるというものでした。

「鉄道旅行術」と「周遊券の旅」。
ここから得た知識で、私の旅が始まりました。

最初の本格的な旅は、中2の冬休み。
信州ワイド周遊券で、長野県内の国鉄路線を乗りまくるという旅です。

ワイド周遊券は、フリーエリアまでの往復も料金の中に入っていて、しかもそのルートに自由度があります。東京都区内や横浜市内発の信州ワイド周遊券の場合、そのルートは例えば以下のようなルートが選べました。
・中央本線(西線)経由  (甲府経由)
・信越本線経由  (高崎、軽井沢経由)
・飯山線経由 (上越線、飯山線経由)
もちろん、往復別々のルートでもOKです。

しかし、私は、名古屋発長野方面行きの夜行列車を利用したかったので、オプション券(L券)を合わせて利用しました。これにより、東海道線で名古屋まで行って、そこから長野県へ入るという技が使えるようになるのでした。

このときは、初めてのひとり旅だったので、行き帰りを夜行列車にすることで一泊三日の旅となりましたが、これによって経験値が大幅に上がり、その年の夏、中3夏休みでの北海道の旅につながることとなります。

そんな私の旅の原点となった「鉄道旅行術」「周遊券の旅」。
この著者である種村直樹さんは、読者からの質問などを受け付けていて、手紙やハガキを送った読者がたくさんいたのです。
そして、その読者を横に繋げる「友の会」を立ち上げ、運営されていたのが、種村さんの友人だった環白穏さん。

今回の京都への旅は、すでに故人となったおふたりを偲び、感謝する会でした。最盛期は1000人近い会員がいたかと思いますが、会が発足して約50年。当時若者だった会員も皆年寄りの領域になり、それでも100名以上の人が集まりました。

いまだ、私の旅の原点はこれらの本にあって、それを応用しながら続けてきていいるのだということを改めて感じました。

本格的に「鉄道旅行術」のノウハウを使ったのが中3の北海道の旅。機会があれば、また書いてみたいと思います。

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