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【旅日記】東大寺二月堂 お松明を見に行った

東大寺の「お水取り」というのは、ずっと前から気になってました。
でも、寒い時期だよなー、夜中なんだよなー、ということで、旅の対象として頭から追いやっていたという気がします。

今年2月に、さだまさしのコンサートに行く機会があり、そこで歌われた曲のひとつが『修二会』でした。
「修二会」とは、お水取りを含む、2月から3月にかけての修行全体をさす言葉です。「お水取り」とは正確には、その最後のハイライトとも言える行事で、若狭井(わかさい)という井戸から観音さまにお供えする水(お香水)を汲み上げる行事があり、それを指します。

この歌にも歌われ、視覚的にも、また全国区ニュースの映像などでも流れるのがこのお水取りの前に行われる「お松明(たいまつ)」と呼ばれる行事。
大きな松明を修行僧が持って二月堂に駆け上がり、最後は二月堂の舞台を走って、そこから吊るすというものです。

歌を聴き、さださんの話を聞いているうちに、ちょうど翌月行われる「お松明」を見に行きたくなりました。

調べてみると、昨年までコロナで一般の参加ができずにいたのですが、今年は解禁されるとのこと。これは行くしかありません。

まずは行事のスケジュールや流れを確認します。
それによると、お松明は2週間にわたって行われるのですが、お水取りも行われる3月12日がピーク、過去の例では、人出もこの日と、その前の週末が特に多いようでした。
できれば12日がいいのでしょうが、あまり混まない日の方がいいだろうということで、翌日が休みになる8日金曜日にねらいを定めました。

早速、宿と新幹線を予約。
比較的直前でしたが、オフシーズンのせいか、奈良市内のビジネスホテルは思ったより安かったです。
今回は夜に奈良公園の奥の二月堂まで往復する必要があるため、歩いても移行ける近鉄奈良駅近くの宿にしました。

当日は、昼前の新幹線で京都へ移動。
京都駅近くのサテライトオフィスでちょっと仕事。

その後、近鉄京都駅から近鉄の新しい特急「あおによし」に乗り込みました。「あおによし」はいわゆる普通のロマンスシートではなく、ボックス形などの座席とテーブルがセットになった形の観光特急です。

観光特急「あおによし」

車内では、生のクラフトビールや、ソフトドリンク、ケーキ、それに列車のオリジナルグッズなども販売していました。

ビールとモンブラン

京都から近鉄奈良へはわずか40分ほど。あわただしいですが、とにかくビールを買い求めて、車窓見ながら観光気分を盛り上げます。

最後に平城京の南大門を見て、あっという間に奈良に到着。
物足りないですが、仕方ありません。

まずはホテルにチェックイン。
この後お松明が始まるのは19時。約1時間前に現地到着することとして、17時半頃に出かけることにしました。

奈良公園まではバスもありますが、大した距離ではないので、歩いていきます。東大寺入口あたりは日中に行くと鹿さんたちが大勢いらっしゃいますが、もう日没後になってましたので、わずかしかいなくてほとんどは寝ぐらに帰られていたようでした。
ちなみに、寝ぐらというのがどこなのか、私的にはいまだに謎です。
二月堂に向かう人は思ったほど多くなく、ぽつりぽつりという感じでした。

二月堂に着く頃にはもう真っ暗ですが、近くの茶店はまだ開いてました。
それでも、二月堂の真下のエリアはもう締め切られており、階段の下の規制線から順に人が埋まっている感じでした。それなりに人はいるけれど、そこそこ全体が見えそうで安心しました。

二月堂下の広場。寒いです。

開始の19時に向けてどんどん人が集まってきて二月堂下の広場をほぼ埋め尽くしました。
並ぶ直前にトイレに行っておいてよかったです。一度トイレに行ったら、もう後ろに並ぶしかありません。
ちなみに、待っている間、スピーカーから注意事項とともに、修二会の簡単な解説がされ、英語、中国語などでも放送されました。確かに、インバウンドの方々も結構いらっしゃるようでした。

そして19時頃、照明が消されて、お松明を持った修行僧が回廊を駆け上っていきます。遠目にわかるのは火の灯りだけです。
そして二月堂の大きな松明に火が焚べられ、それを舞台の反対側へと運び、つるすと、火の粉が飛び散ります。
これが、10回繰り返されます。ちなみに3月12日だけは11回だそうです。

お松明
お松明

この間時間にすると20分くらい。
修行の一環ですが、幻想的で、荘厳な儀式です。

この行事が天平以来、1300年以上途切れることなく毎年続いている、という歴史にわず一回だけですが立ち会うことができ、とても感動しました。

このあと、規制線が外され、一般の人も二月堂へのお参りと、修行している僧の見学が可能となります。修行の見学にはマスクが必要で、私は残念ながら忘れてしまったので、二月堂の参拝のみをさせていただきました。

二月堂

京都は1000年の歴史の都と言いますが、奈良に至っては1300年。
京都だけでなく、奈良もしっかり歩いてみようと思ったことでした。

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