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ミュージカル「tick, tick…BOOM!」まとめと私なりの考察
やっはろー!
yuyuです。
ミュージカル「tick, tick…BOOM!」大千穐楽おめでとうございました💐
全41公演、無事に完走できて安心しています😌
公演が一通り終わったので、内容面でも振り返っていきたいと思います♩
キスマイのドームの話に続き、また1万字超えの長文になってしまいますが、観た方もそうでない方も読んでいただけると嬉しいです☺︎
☟あらすじ、物語の背景などについて
☟東京遠征の思い出
ストーリー&全曲プレイバック
セリフや歌詞は一言一句正確ではなく、ニュアンスも含みます。ストーリーの流れを思い起こすのには、他の方のブログも参考にさせていただきました。ので多分間違ってはいないはず…🫠
プレショー
開演15分前をめどに、劇場に電話のベルが響き始めます。場内での注意事項などのアナウンスも、電話の向こう側の人が話しているような演出が新鮮でした。同じ電話の音で物語の中でも何度か電話がかかってくるので、ストーリー展開において重要なアイテムとなってくることの伏線のようにも感じます。
すると宏太さんがステージに登場。やかんでお湯を沸かしたり、ラジカセをセットして音楽を聴いたりしていてリラックスしている様子をうかがうことができます。
さらにはタバコのようなものをふかしたり…(本編でマリファナと明かされます)。その時、煙を吐いて輪っかを作るのですが、それがシロイルカみたいで。今まで見たことないような宏太さんのお茶目な?表情が見られて、こっそり笑ってしまいました🤭 そしてだんだんその輪っかを作るのも上手くなっていってるのよね。
個人的には喫煙者の男とは付き合いたくないのですが、ジョンなら(たとえマリファナだとしても)吸っているのも絵になるなぁと思いながら見ていました。
余談ですが、実際の小道具としてのそれは「茶葉スティック」といって、ニコチンなどは含まれていないものだそうです。喉が命の役者なのでその点は安心😮💨 ただ、副流煙の質感と匂いは割とリアルで、席によっては匂いが漂ってきたかと思います。クリエの狭い劇場では後列にいても匂いが分かる程でした。
ベッドに寝そべる仕草では、長い脚を持て余してはみ出てしまうと何度か枕側にお尻で移動することもありました。大阪では少し笑いが起きていて、本番前から良い雰囲気でした。というかあのシングルベッド宏太さんには小さい。貧乏暮らしのジョンだから仕方ないのかな。
そして劇場に響き始める時計の針の音。。その音はどんどん大きくなっていき、ジョンの頭の中を支配していきます。
ジョンのモノローグから始まるこの物語。
―1990年1月のある土曜日、ニューヨークの古いアパート。
1週間後に30歳の誕生日を迎えるジョン。30歳までのカウントダウンのような時計の音と、たまに聞こえる爆弾が破裂したような音に悩まされているといいます。
♩30/90
ここでまずピアノ演奏を聴くことができます🎹
他の作曲家などは30歳になるまでに成功していることから、30歳をミュージカル作家として成功するタイムリミットのように感じてしまっているジョン。
そこに、ルームメイトのマイケルと彼女のスーザンが部屋にやって来ます。この曲は登場人物の紹介も兼ねています。
マイケルはジョンの親友で、かつて俳優志望でした。ともにルームシェアをしていたものの夢を諦め、マーケティングリサーチ会社に就職して以来日々忙しくしています。新しい家に引越し予定で、「BMWの誇り高きオーナー」にもなれるほど稼げるようになりました。
スーザンは2年付き合っている彼女で、子供たちにダンスを教えながらダンサーを目指しています。
日によっては「貧乏暮らしをしてきた」(☜「し て き た」過去形を強調)「才能はないが金はある子供たち〜」の言い方が皮肉屋さん強めな時もあり、少しずつ変わっていく生ものだからこその面白さが毎回序盤から感じられました。
あと、スーザンが買い物袋から取り出したバナナを受け取り、まるで銃のように客席に向かって撃とうとしていた持ち方も「なぜいきなりバナナ!?」と思いつつも何気に好きでした。その“バナナ銃”を最初に向けたのがゼロズレだった日もありました。笑
マリファナを持って屋上に逃げる。自分が燻っている理由を退屈な90年代という時代のせいにしながらボヤきます。「別の言い方をすると、この国の大統領はジョージ・ブッシュです」…とジョンは言うけど、その10年後のNYで起こる「9.11」を知っているからこそ、社会のせいにしてしまうとどの時代に生まれてもきっとやっていけないよな、とも思ってしまいました。
スーザンが屋上に上がってきます。チェックのコートの下にはセクシーなグリーンのドレスを着ています。2人でデザインを考え、ジョンのバイト先の友人が作ったというものの、本当はみんな違うことがやりたいんだ、と嘆きます。
♩GREEN GREEN DRESS
タイトなドレス姿のスーザンに魅了されるジョン。彼女の脚から腰まわりにかけてなぞる手振りですが、その指先がピンと張っていてギリ触れてはいないんじゃないかというのを双眼鏡から確認しては謎に安心する自分もいました。笑
ジョンが屋上でマリファナを吸っている間に上手側でスーザンの生着替えがあるのですが、上手側に入った日にその光景を目の当たりにして、梅田さんのスタイルの良さと美しさに同性の私も思わず釘付けになりました。下着姿と着替えも含めて魅せる場面なんだなと。
「脱がしていいかい?そのGreen Green Dress」。
スーザンの靴を片方ずつ脱がし、そして彼女も自らドレスの胸元のチャックを少しずつ下ろして脱ぎ始めます。
このままジョンはスーザンをベッドに押し倒します……。
♩JOHNNY CAN'T DECIDE
朝6時。外から聞こえる鳥のさえずりにすら「撃ち殺したい」と殺気立つ。30歳を目前にした焦りからか、心の余裕がなくなっていきます。
そんなジョンに対してスーザンがある提案をします。それは、海が綺麗な田舎のケープコッドに2人で引っ越そうということ。スーザンの夢はダンサーになることですが、NYは彼女には窮屈すぎたようで、田舎でのんびり穏やかに過ごしたい、と。
「真剣に考えてみて」と彼女は言うものの…。
理想の姿と現状、自分の夢と彼女の願望といった狭間で“決められない”心情を歌います。
年齢が積み重なるだけで、大人になり切れない。私も20代後半で自分がこれからどうしたいか、どうすべきか決めかねている状況が似ているかも。ジョンと重なる部分が多々あり、その葛藤や苦しさに胸が詰まりました。
♩SUNDAY
創作活動だけでは食っていけないので、ダイナーでアルバイトをしているジョン。お客さんは梅田さんとリチャくんが演じており、ここで初めて主要メンバー以外の名前のない男女の役が出てきます。ここから2人の七変化も注目ポイントでした。
お客さんの注文を取り違えるミス連発で“万年ウエイター”のジョンとは裏腹に、宏太さんの完璧なビブラートが響きます。
そして度肝を抜かれたのが、リチャくんのオペラ歌手並の美声。一瞬誰かと思ったくらい。でもステージには3人しかいませんから、主旋律を歌う宏太さんじゃないし…。なら彼しかいないと(そりゃそう)ハッとさせられました。笑
Aぇの曲ではラップ担当のイメージだからこそギャップがすごい。今後彼にもまたミュージカルの仕事が決まれば、FCにも入っているので他担ながらもぜひ観に行きたいと思いました。
【レポート📝】薮宏太が30歳のリアルを熱演 『RENT』前夜を描いたミュージカル『tick, tick...BOOM!』(写真全13枚)https://t.co/c2LW9by26D#ticktickBOOM #RENT #薮宏太 #HeySɑyJUMP #梅田彩佳 #草間リチャード敬太 #Aぇǃgroup#ぴあアプリ #ぴあステージ pic.twitter.com/OLbqjTBVIz
— ぴあ ステージ編集部 (@PiaStage) October 9, 2024
♩NO MORE
マイケルのBMWに乗って彼の新しい家に向かいます。道中で目にしたのは、紫やピンクの髪色をしたモヒカン頭のガキ、破れたエイズ撲滅Tシャツを着た若者たちの姿。頼んでもいないのに車の窓を勝手に拭き、その見返りを求める物乞いたち。NYの貧困層の様子もジョンの語り口から知ることができます。
「ようこそヴィクトリータワーへ!」。
貧乏暮らしの頃の悩みとはオサラバだ!と言わんばかりに、新しい広い家の快適さを喜ぶロックナンバー。リチャくんのダンスがキレキレ。
セット全体を駆け巡りながら踊るマイケルとジョンの解放感に満ちた表情も素敵でした𖤐
ジョンはマイケルに、海外出張のため空港まで車で送ってほしいと頼まれました。送ってくれそうな人として「デイヴィッドは?」と聞くと「今は複雑」と返すマイケル。パートナーでしょうか…?
マイケルが何か言いかけた瞬間、ジョンのお父さんから電話。このお父さんもリチャくんが演じています。衣装は変わらず小道具と喋り方を変えているのですが、本当にダンディーな渋いパパ感が炸裂していました…! 宏太さんよりも年下なのにこの一瞬で貫禄のあるパパに切り替わるのが衝撃でした。実年齢よりも一回り以上年上の役もハマるかもしれません。
途中である女性から割り込み電話。ジョンのエージェント、ローザです。電話を1ヶ月も無視していたくせに、来週の試演会のことで今更電話してきたといいます。
最初は心の中で(お客さんにはダダ漏れ笑)罵っていたジョンですが、試演会に“興味深い関係者”を多数呼んだとローザに告げられると態度を一転。「女神」「愛してる」と、急に手のひら返し。笑
電話はお父さんに戻り、そして毎回このやり取りで締めるという。お父さんが「多少の雨は我慢しろよ」と言い、ジョンはこう返す。「虹が見たいならね」―。
創作に取り掛かろうとするとスーザンから電話がかかってきました。
♩THERAPY
家に映画を観に来ないかと誘われます。彼女はイースト・ヴィレッジにある違法な又貸し物件に住んでいるそうで、ジョンの家とは地下鉄を2本乗り継いでバスに乗る必要がある距離。
ただ、そこでジョンは返答に困ってしまいます。せっかく創作意欲が湧いているところだったのに。かといって行きたくないわけじゃない、と。ところが、スーザンは自分と一緒に映画を見たくないということかと誤解して傷つき、「言い争いするならもっと大事なことでしたい。ケープコッドに引っ越すこととか。そんなどっちが地下鉄に乗るかとかじゃない」と怒ります。
2人はそれぞれ自宅にいる設定ですが、舞台上では同じ空間です。お互いの受話器が電話線で繋がっている小道具を持って、くっついたり離れたりして、時には身体に電話線が絡まることも。口喧嘩しながらもジョンがスーザンをヒョイとおんぶする仕草がリアコでキュンポイントでもあります💚
これも余談ですが、「She Loves Me」でも口論をしているシーンの曲があり(「WHERE'S MY SHOE?」)その時にも思った、主旋律以外を歌う宏太さんも好きだなということ。JUMPの曲ではフェイク以外で副旋律を歌うことがほぼないと思うので、ミュージカルならではの一面かもしれませんね。
TIMES SQUARE
パンフレットの曲一覧で紹介されていますが、歌詞はなくバンド演奏をバックに語る場面です。
マイケルのオフィスに向かう途中に通る、劇場街のタイムズスクエア。「Cats」「Les Misérables」「The Phantom of the Opera」など、ロンドン生まれのブロードウェイミュージカルのタイトルが躍ります。チケット代は富裕層向けの価格設定で、マイケルの家に向かう道中で見かけた貧困層とは対照的に、観光客や接待のサラリーマン、バスツアーで来る老婦人もいます。彼らに対して、「キャンディの包み紙をガシャ×4、あれ嫌んなっちゃうよね」と悪態をつき、我々に向かって謎に同意を求めてきます。ここ割と好きです。笑
でもそこからが重要。かつて一度だけ、師匠と仰ぐスティーブン・ソンドハイムから褒められたことが忘れられません。この時、スティーブンの似顔絵がスクリーンに映し出されます。宝物のような思い出を語るその目はキラキラしていました。
時代遅れのブロードウェイに、ロックミュージカルを流行らせたい。そこで書いたのがSFミュージカル「Superbia」。
自分の作品を受け入れてもらえるかな、それとも商業主義的なこの街に自分のミュージカルは素晴らしすぎるかな…「憧れと軽蔑」が入り交じります。
マイケルに就職を勧められ、彼の職場に連れてこられたジョン。オフィスに入ると、女性社員ジュリー(梅田さん)が歓迎します。ミュージカル作家を目指すジョンのクリエイティビティに期待を寄せられるものの…。
ジュリーから「まだ商品名を決める段階じゃない」と2度も諭されてるのに商品名を生み出そうとするジョン。両手を挙げてぴょんぴょんしながら当ててほしげにアピールするところは可愛いのですが、観劇を重ねるうちに、すぐに答えを求めようとしている側面も実は表現しているのかなというのにも気づきました。
というのも、私もプロセスをすっ飛ばして"近道"をしたがっている悪い癖を自覚していて、なんせ生き急いでる感が共通するのではないかと思ったからです。東京での観劇の時点ではこのシーンについてそこまで深く考えていなかったのですが、仕事がうまくいかないと痛感した出来事が愛知公演までの間で起こったこともあり、自分の醜い部分がジョンに投影されているように映りました。
♩REAL LIFE
ジョンはずっと働きづめのマイケルを心配しますが、自身では今の生活に満足しているといいます。スーザンが望む穏やかな生活も悪くないんじゃない?とジョンに勧めます。
「REAL LIFE」は俳優の夢を諦めたマイケルのソロ曲。現状に満足しており、なぜそれ以上を求めるのか?と問いかけます。The 90年代感満載のサウンドも印象的でした。
曲の終盤では、病院でマイケルが診察を受けていると思われる一場面がありました。梅田さんが医者に扮していましたが、マイケルの左肩に斑点のようなものが見えます。しかし、これがのちの伏線になります。…というのを他の同担さんと話していて注目するようになりました。
空港から発つマイケル。この空港と飛行機の影の演出も良かったです。セットはずっとジョンのアパートのままなのに、このシーンではちゃんと空港になっているのですから。これも舞台芸術に注目して分かる面白さだと思います。
そして、梅田さんが空港職員になっていましたが、その小物も帽子とスカーフのみというシンプルなビジュ変。スクリーンも搭乗ゲートの案内板に変わって、「ハネムーン・イン・ベガス」の1シーンも彷彿とさせました✈︎
♩SUGAR
一日中運転手しっぱなしなのと 先程のブレストで脂肪の代替品の話をしていたため、疲れて糖分が欲しくなったジョン。癒しを求め、売店に向かいます。
そこで「Superbia」の主演女優、カレッサ(梅田さん)に鉢合わせます。大好物のTwinkiesというお菓子を爆買いしようとする姿を見られドキマギしますが、カレッサもTwinkiesが大好きと知ると意気投合(?)。
☟Amazonでは買えるようですが、口に合わなかった場合を恐れて買えない。。笑
何だかんだこの曲が私的一番のキュンポイントかもしれない。可愛くて最高でした🥺 初見では頬ちぎれそうなくらいニチャァとしてしまいました🥴
大きなドーナツとソフトクリームとカップケーキのバルーンをそれぞれ持っていて、ジョン以外の2人(役名はない)は客席に向けて投げるのに対して、ジョンがずっとドーナツを持って穴から顔を出して踊ってるの(☟投稿3枚目)。Twinkiesは「脳にガツンとくる甘さ」とのことですが、宏太さんの笑顔は和三盆のような上品な甘さなんですよね(☜せめて洋菓子で例えろ)。
#薮宏太、ミュージカル
— ザテレビジョン (@thetvjp) October 7, 2024
「tick, tick...BOOM!」でピアノに挑戦
覚え方は『ダンスの振り付けを覚える感じ』
▼記事の続きはこちらhttps://t.co/OzSmrwgupz#ticktickBOOM #梅田彩佳 #HeySɑyJUMP #Aぇǃgroup #草間リチャード敬太 pic.twitter.com/Xm4T61fLog
帰り道にはカレッサも着いてきましたが、アパートに戻るとスーザンが部屋にいました。「キスしてたね」と浮気を疑われるも、彼女はどこか冷めた感じで荷造りを始めました。
というのも、新しい仕事が決まり、イギリスのノーザンプトンで本物のダンサーに教えることになったといいます。2~3週間NYを離れますが、もしそこで「別の何かを始めるかも」となれば、1ヶ月以上の長期になることを匂わせました。
「(私たち)バラバラになってる気がする」。お互いの将来を思うと破局フラグが立ちますが…。
♩SEE HER SMILE
スーザンは「試演会の結果が全てにならなかったらいいな」「自分に幻滅しちゃうんじゃないか」と、ジョンの試演会がコケた場合の万が一を心配します。
「見せてよそのスマイル」。自分が彼女を傷つけていたかもしれない。スーザンを想って歌いますが、仕事のことでメンタルがやられていた愛知以降は、この歌詞で思わず涙ぐんでしまいました。自分に向けて歌ってくれているような気がして。宏太さんの歌声は(オフィスの場面でもセリフにありましたが)「何にでも効く特効薬」かもしれません。
お互い求めすぎたと、仲直りしようとします。ジョンは泊まってかない?とスーザンを誘いますが彼女の決意は固く、タクシーで帰るといってアパートを後にしてしまいました。。
いよいよ運命の試演会。
またtick, tick…と時計の針の音が大きくなっていきます。
誰も会場に来ていないと最初は絶望しますが、ジョンが早く来すぎただけでした。主演女優のカレッサが会場入りして、彼を励まします。
それからのことは覚えていないといいますが、最初に客席に姿を現したのはマイケル。出張帰りにもかかわらず「何があっても来る」と、彼の心強い味方です。
それからエージェントのローザ、ジョンのお父さんも来てくれました。お父さんとの会話では、またあの名台詞が出てきます。
「多少の雨は我慢しろよ」「虹が見たいならね」 ―。
1度目は姉と義理の兄の成功を引き合いにした文脈でジョンのコンプレックスを刺激するような口ぶりでしたが、この場面ではお父さんも「自慢の息子だ」と言うように、努力していることは知っているよとしたうえで、明るい未来(=虹)はもうすぐそこだから、というお父さんなりのメッセージのようにも受け取れました。
ローザが呼んだ「興味深い関係者」も揃う一方、緊張感が増していき心臓の鼓動も早くなります。全身を突き抜ける恐怖の塊。
その塊もやがて頭上をすり抜け、最後に残ったのは「純粋な興奮と希望」。
そこには、師と仰ぐスティーブンの姿もありました…!
♩COME TO YOUR SENSES
劇中劇「Superbia」のカレッサのソロ曲。梅田さんもあくまで最初はカレッサの人格として歌っています。
ところが、2番からはマイクスタンドから離れてジョンに近寄るカレッサ。だんだん歌詞の内容もスーザンとジョンの関係とリンクするようになり…。
衣装は「Superbia」の登場人物そのものではあるものの、そこにいたのはカレッサではなくスーザンでした。だんだんジョンとの距離も縮まって、彼がバックハグするところも、すれ違いが続いた2人が歩み寄ろうとしているように感じられました。
あなたが遠ざかる
— 梅田彩佳 (@AyakaUmeda) November 12, 2024
シグナルさえ届かない
さらけ出して思い伝えても
受け取る前に扉閉ざしたね
目を覚まして守ってるだけじゃ進めない
ねぇ知ってるはず
おかしいよあなた全て変わってしまった
どおしたらいいの?
この目を見つめて
— 梅田彩佳 (@AyakaUmeda) November 13, 2024
吐息を聞いてよ
内なる声聞いて
五感を研ぎ澄ませて
目を覚まして
目を覚まして
生きることを
取り戻して 今
この歌詞と曲が
めちゃくちゃ好きでした。
試演会の結果について、ローザから電話がありました。
確かに観客の反応は良かったものの、ブロードウェイでやるには前衛的で向いていないとダメ出し。「次に期待している」としつつ「また作品書いたら連絡ちょうだい」とのこと。つまり、「Superbia」がもっと大きい劇場で上演されることはおそらくなく、ジョンにオファーしたがる人もいなかったという結果でした。
それにしても「Superbia」の今後はないとする理由もフィードバックしてくれるローザはまだ良い方です。私が社会人だからこそかもしれませんが、痛いところを突かれた感じはするけど確かにありがたいことだよなって。笑
その後のマイケルとの会話は若干険悪ムードに。
スーザンと同じく忠告しようとするマイケルに対して、ジョンは胸の奥の不安、葛藤をぶちまけます。
5年もかけて制作した「Superbia」が受け入れられず、チャンスに繋げられなかった悔しさも伝わります。また次の作品を書けばいいと言うマイケルに対し「また5年もかけて上演できやしない作品を作れというのか」と声を荒げるジョン。
お前に何が分かる?とばかりにマイケルに八つ当たりしようとすると、マイケルはHIV陽性と診断されたことを告白しました。
マイケルのオフィスを去り、帰りのエレベーターで彼と出会った時のことを振り返ります。大学時代のある日の夏休み、マイケルが自分がゲイだと打ち明けたことも思い出します。
セントラルパークに向かって走るジョン。(☜全部説明してくれるので状況理解に助かる)
公衆電話を見つけ、マイケルに電話をかけるも出ません。
tick, tick…と「あの音」がうるさくて、雨や風の音も聞こえない。
途中、カモメの大群に出会い、助けを求めるかのように彼らに向かって全力で走ります。
「友達が死にそうなんだ」ー。
公園に着くと野外劇場があり、防水シートがかかったピアノを見つけます。
♩WHY
マイケルとの出会い、自分の過去の誓い、そして現在とこれからの決意を歌詞に乗せます。「ああなんて幸せなんだろう」「ずっとこうして生きていく」。
ジョンの歌声とピアノ演奏だけが響く時間。宏太さんの奏でる音だけでできている曲と思うとまた感慨深かったです。
この曲には毎回私も自我を忘れて吸い取られるような感覚でした。
私が入ったなかでは、とくに大阪11/9のマチネが魂がこもっていたように感じました。途中で涙で歌詞が詰まるほどの渾身のパフォーマンスを前に、私も思わずもらい泣き。というか、この日はマイケルがHIV感染を打ち明けるところからうっすら涙目だったような気がします。
♩30/90 Reprise
最も恐れていた30歳の誕生日。しかし、冒頭とはうってかわって晴れやかな表情です。「仲間がいる」からと。マイケルとスーザンも誕生会に来てくれました。
スーザンからは五線紙の束を1000枚以上、マイケルからはベルト3本をプレゼントされました。スーザンのチョイスは彼のミュージカル作家としての夢を応援するようなもので、これから遠距離になるものの、ジョンを想う気持ちが伝わってきました。一方、マイケルからもらったベルトには、「アクセサリーを持つことで自分の人生を肯定してくれる感覚を味わってほしい」という思いが込められています。
この日もまた電話が鳴ります。なんとその相手はスティーブン。声は石丸幹二さんが務めます。途中で退席したのも(決してつまらなかったなどではなく)急ぎの用で帰らざるを得なかったからだそう。
留守電を聞くと「ぜひ会って君と話がしたい」「おめでとう。君には輝かしい未来が待っている」と。
憧れのスティーブンからの最高の誕生日プレゼントです。
♩LOUDER THAN WORDS
ピアノの前に連れられるジョン。いつの間にか彼を悩ませていたtick, tick…という音は小さくなっていました。その音を追い払うようにピアノを弾き始めます。
「恐怖か愛か」「なぜ孤独より地獄を選ぶの」…その答えを「鳥達に聞いてみよう」といった歌詞は、前半の日曜日朝の「撃ち殺したい」とは対照的です。嵐の中セントラルパークに向かう道でカモメの大群に出会ったことが反映されているのかなと私は考察しました。
そしてドキドキの(!?)客降り。宏太さんは下手側、中央列の間、上手側へと通路を通り抜けるのですが、どの席にいても今まで参戦したJUMPのライブよりもずっと近距離で多幸感がすごかったです。。前列の日は数席挟んだその先にいる緊張感に包まれ、また別の日には、真横を通った瞬間よりも2~3列手前で一瞬立ち止まってくれたこともあり、私の脳はBOOM!と爆発しそうでした💣
比較的後列の日でも大阪では20列目まで来てくれたので、想像以上に距離が近くて、「ああなんて幸せなんだろう」そのもの…♡
冒頭の「30/90」であれだけ自分で弾くのを嫌がっていた「Happy Birthday」のメロディとともに物語は終わります。ジョナサン・ラーソンのその後の人生についての説明がスクリーンに流れ、カテコ以降は「Boho Days」をBGMに、ジョナサンの顔写真とクレジットが映し出されます。
総評
ジョナサン・ラーソンに思いを馳せて
実際のジョナサンは「RENT」の公演直前で急逝することを知ると、スティーブンの「輝かしい未来が待っている」が一層切なく、また儚く響きました。ジョンが逐一説明してくれることもあってストーリーや状況の理解は難しくはありませんが、ジョナサンの生涯と「RENT」を履修しているとまた違った映り方をする物語かもしれません。
マイケルがHIV陽性を告白するシーンや、「RENT」でもエイズで命を落とすキャラクターが描かれていましたが、周りの友人をエイズで亡くしたというジョナサンの経験にもとづいているのかもしれません。
![](https://assets.st-note.com/img/1732002136-CYW4S9BH2gQ5zfFPhZ6pRU3X.jpg?width=1200)
@SkyシアターMBS
惚れるしかない宏太さんのプロ根性
休憩なしの約2時間、ほとんど喋るか歌うかしているジョンの役。加えて昔に習っていたきりだというピアノ演奏を習得する難しさもあったと拝察しますが、その影の努力を見せずにステージ上のパフォーマンスで魅せる宏太さんへのリスペクトが止まりません。
(私はその場にいなかったのでニュアンスになります)大千穐楽の挨拶で、本来はジョンを演じる上で演奏はしなくてよいと言われていたが「作曲家の役をやるのにそれでは悔しい」ということで、ツアーが終わった2月ごろから練習を重ねたと話していたようです。
一切妥協しない、そのプロ根性にも伝聞ながら痺れました。。自分の目で見たものだけでなく、彼自身の発信や観に行った他の薮担のレポ、さらには我々オタクの層とは異なるミュージカルファンによる評価など、様々な場面で彼への愛が深まりました。
自担に向かって素人の分際で「歌や演技が"上手い"」という表現はしたくないのですが、少数精鋭だからこその持ち味があるこの作品に選ばれた宏太さんを誇りに思うというのは言いきれます。
これまでの彼の実績の積み重ねが今を築いているとすれば、この主演作もスティーブンみたいな方に見つかって、また次の活躍に繋がってほしいと願わずにはいられません。
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♡おまけ♡
大阪公演初日に正門くんが観に来てくれました💙
貴重な自担×自担のエピソード。私はその日の観劇ではありませんでしたが、雑誌やラジオでも各グループで気になる人としてお互い挙げていたこともあり、これを機に繋がりができれば私としてはめちゃくちゃ嬉しく思います。
そういえば昨日Aぇ! groupのまさかどのよしのり君が見に来てくれたんだけどちゃんと話すの初めてだったな
— 薮宏太 (@kota_yabu_hsj) November 8, 2024
リチャ丸のお友達は好青年が多いな