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留置所日記2020/6/6(2)

六月中に外に出られないのか。アジサイの写真、新しくした携帯で一枚ぐらい撮りたかったな。

今日の入浴はシャンプーを使わなかった。おかげで爪に引っかかった程度じゃ髪が千切れなくなった。ブリーチで髪が傷んでいるので、あまり油分を落としすぎてギシギシさせてしまうと髪が千切れてしまう。
スキンケアの何かしらがない時のマスクは優秀だと感じる。肌がポロポロと剥げ落ちてこない。検察庁に行く時だけ外しておく。そしたらまた新しいマスクが貰えるから。

サイレンの音が聞こえる。
今日も平和だ。

一か月も二カ月も配信しなかったら、知名度なんてまたゼロからやり直しだ。一度すべてをやり直そうと思いそのために準備しておこうと思っていたが、それには及ばなかったらしい。

誰がどんな反応をして、どんな風に怒って、どんな風にがっかりしているか見当がつかないし、確認のしようもない。
みんなどうしているだろうか。

15時まで読書の時間にする。


差入れの「また同じ夢を見ていた」を読んでいた。しっかりと、ゆっくりと。これはきっと、母親からの手紙だろうから。
本当にゆっくり読んでいるのでまだ24ページしか進んでいないが、二人と一匹の人生の一部が見えた。ゆっくり読み進めるべきだと思った。

幼い頃は詩人になりたかった。
年を取ってから、その詩に音をつけて歌にした。どうにもうまく作れなくて、読み物にしたくなった。でも、そのどれも、自分に才能がなかった。「努力」という才能が。
わからない、もしかしたらまだ努力をしたことが無いのかもしれない。けれど自分には山月記などがお似合いで、必死に努力をする姿は情けないものなのだ。

母親は、素敵な本を沢山知っている。
仲良くなりたかったな。大好きでいたかった。

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