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農林水産省庁舎でUTAU音源を録りたい!値段は?注意点は?(実際に行って)調べてみました!

こんにちは!ゆこなるです。
ふだんは音声合成ソフト「UTAU」の界隈で歌声を合成して、カバー曲をつくるなどして活動しています。

わたしがUTAU界隈に飛び込んで早7年。さまざまな貴重な体験をさせていただきました。

UTAU界隈にいないと知りえなかった知識や技術、できなかったであろう数々の思い出、出逢わなかったであろうたくさんの友人。そして、UTAU界隈にいなければきっと行くことがなかったであろう場所。

わたしはそんな素敵なめぐりあわせへの感謝を胸に、今日も動画を作り、UTAU音源を収録し、配布し、自分の好きなものを発信しています。

しかし。
そんな日々のなかで、わたしは渇望するようになってしまったのです。

もっといろいろなことをしたい。

この界隈にいる者にしか成せないことをしたい。

いや……

どうせなら、この界隈にいる者すら普通なら思いつかないようなすごいことをしたい!

誰も行ったことがない場所で、誰も録ったことがないUTAU音源を、録りたい!!!

…………

ということで、

やってまいりました!


農林水産省~~~~~~~!!!!!!!!!!!!



今回の目的地は?


農林水産省中央合同庁舎第1号館別館とは、
地下鉄霞ヶ関駅C1出口から降りてすぐの、その名の通り農林水産省が入っている建物です。

庁舎の見た目はこんな感じ。「おにぎり権兵衛」横の通用口を入ってすぐの施設が今回の舞台です

農林水産省と言えばみなさんご存じ、日本の国政を支える重要な省庁のひとつですね。

農林水産省(のうりんすいさんしょう、日本語略称: 農水省、英: Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries、略称: MAFF)は、日本の行政機関のひとつ[4]。食料の安定供給、農林水産業の発展、森林保全、水産資源の管理等を所管する。
(中略)
任務は、農林水産省設置法により、「農林水産省は、食料の安定供給の確保、農林水産業の発展、農林漁業者の福祉の増進、農山漁村および中山間地域等の振興、農業の多面にわたる機能の発揮、森林の保続培養および森林生産力の増進ならびに水産資源の適切な保存および管理を図ることを任務とする」(第3条)と規定されている。

農林水産省 - Wikipediaより

我々の豊かな暮らしを支える、まさに日本の中枢と言っても過言でない場所。そんなところで、僭越ながらもわたくしUTAU音源を収録してきました。

え? どうやってそんなクソ不純動機で農水省に潜り込めたかって? ふふふ……簡単です。

皆さんはSTATION BOOTHをご存じでしょうか?


「STATION WORK」公式サイトより画像引用

STATION BOOTHは、都内JRの駅ナカを中心に全国233拠点(2022年8月15日現在)を展開するシェアオフィス空間。
特にJR山手線を利用したことがある方であれば、駅構内に設置された個室型の小さいシェアブースを見たことがある方も多いのではないでしょうか?

実はこのSTATION BOOTH、上記の農林水産省庁内にも設置されています
通常農林水産省庁内への立ち入りには専用の通行証が必要になるのですが、STATION BOOTHが設置されている別館の通用口は平日10:30~15:00の間一般開放されており手続きなく入退館が可能。
つまりこのSTATION BOOTH自体が、我々一般市民に開放された施設なのです! マジか!

STATION BOOTHは本来シェアオフィスなので当然大声を出すのはNGなのですが、用途としてテレワークや通話、オンライン面接等での使用を想定されているため、大声にならない範囲であれば収録目的の声出しも大丈夫そう……と思われました。

ということで今回は、農林水産省庁舎内にあるSTATION BOOTHを1時間予約し、単独音一音階を収録してきました!

音源を録ろう!


今回も音源収録にあたり、前回記事(リンク先18歳未満閲覧非推奨)を参考とした以下の5項目を確認していきます。

①部屋の利用方法・利用時間・料金
机・椅子・コンセントなどの有無やその配置、及び防音などの環境
テンションが上がるか
周囲の治安、客層、雰囲気等
⑤その他注意点

前回記事の確認項目はラブホテル収録を前提としたものなので一部修正を加えていますが、だいたい以前と同様ですね。
また、収録に使用した機材・ツールは以下の通りです。

・収録ソフト:oremo
・機材:SHURE SM58(マイク)、YAMAHA AG03(オーディオIF)SONY MDR7506(ヘッドホン)

・収録リスト:巽様 れんたん風単独音録音リスト 
・収録用BGM:枝冬ツクモ様 7モーラ録音BGM(BPM140)
・ノイズ除去、原音加工:なし
・テスト音声のエンジン:resampler(UTAUデフォルト)

機材等も前回同様です。ちなみに実は先日SSL2(オーディオIF)を導入したのですが、そちらはセルフパワー方式でコンセントが埋まる可能性がありました。そのため今回はSSL2ではなく、バスパワー方式で使用出来るAG03のほうを持っていってます。

上記の通りSTATION BOOTHはあくまで音声素材の収録のような用途を想定していない施設のため、今回は「普通に話すときと同程度、弱~通常くらいの声質」を目指し、周囲へ迷惑をかけないよう留意しながら収録をおこないました。

では早速、完成した音源の音声を聴いていただきましょう!

……いかがでしたか?

声を抑えて録っているので弱めの発声になってはいるものの、けっこう音源としては良い感じに仕上がってるんじゃないでしょうか。
不思議なことですが、実はあまり緊張しなかったです。「STATION BOOTHはもともと声を大きく出しすぎてはいけない場所だから声を抑えよう」という気持ちでいたことで、逆に「周囲に聞こえるかも……」という不安を抑えられていたのかもしれません。

ということで、以下にレビュー等も記載していきます。

①部屋の利用方法・利用時間・料金


値段:1,100円(1時間/税込)

思いのほか……安いのでは……!?

今回は1時間分予約しましたが、実はこのSTATION BOOTHは15分単位での予約が可能(!!)。15分予約した場合の価格は275円で、そこから15分伸びるごとに275円ずつ価格が上がっていくかたちです。

利用する際には会員登録を行う必要があります。厳密には会員登録をしなくてもSTATION BOOTHをその場で使用することが可能ですが、空室状況の確認や予約を行ったり、利用時間の延長も可能になるため、事前に会員登録をしておいた方が無難です。

会員登録をして予約したら、予約した時間帯にSTATION BOOTH本体へ向かいます。本体入口でパネルを操作した後、Webページにある会員証代わりのQRコードを読み取れば入室できます。

ちなみに会員登録を行ってBOOTHを予約した場合、支払いで使えるのはクレジットカードのみのようです。わたしはバンドルカードを利用しているのでそのようなプリペイドカードが使えないかも試してみたのですが、8月15日現在では対応していないようでした。うう……悲しい……

なお非会員の人がその場で予約せずにBOOTHを使用する場合、支払いは交通系ICカード(Suicaなど)のみになるようです。学生さんが自習で使用するときなんかは、むしろ会員登録しないで使った方が便利なのかもしれません。

②机・椅子・コンセントなどの有無やその配置、及び防音などの環境


これに関しては、実際写真を見ていただいた方が早いかもしれませんね。室内はこんな感じです。

これドア開けて外から写真撮ったほうが全体が見えてよかったかもですね

まず、わたしのクソデカゲーミングノートとIFを並べておいても十分余裕がある程度には机が広かったです。その点は安心。
そしてなにより、コンセント3口ありました!!!!!!!!!!!!!!! USB充電のタップもありました!!!!!!!!!!!!!!!!最強か!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!??!

STATION BOOTHユーザー用に専用のWiFiも備えているのでインターネッツするにもとても快適。椅子もちょっとフワッとしていてソファーのような感じで、作業するにはいい感じの環境が整ってるなと感じました。さすがテレワーク拠点として設計されてるだけありますね。
ちなみに収録後の余った時間に原音設定(※録音した音声をUTAUで使えるようにするセットアップ作業)をしたのですが、かなり捗りました。

単独音1音階、所要時間25分。これたぶん場所パワーありますよ、いやほんとに。


そして気になる方も多いであろう防音について。
結論から言うと、あんまり期待しない方が良いです

テレワークやオンライン面接での使用が想定されている以上、内部の音が外に漏れにくいように作られてるとは思うんですよ。でも実際に入ってみると、外の音はだいぶ聴こえてくる作りになってました。こちらが大きい声を出せば、確実にその声は外に漏れることでしょう。
しかもブースの外には警備員さんも常駐しているようなので、下手なことしたらすっ飛んでくること間違いなしです。農水省でUTAU音源を収録するリスクはまさにここにあります。

……まあそもそもデスクと椅子の位置が固定されていて立つようなスペースがないので、立ってでかい声で収録する勢はそもそもでかい声が出せないと思いますけどね!


一方、霞が関のど真ん中という場所柄だと思いますが、周囲の環境は本当に東京か???????となるくらい静かです(時間帯にもよる)。

農水省BOOTHの配置場所は庁舎の通用口入ってすぐのところなのですが、お昼休みのような職員さんの出入りがある時間を除けば、基本的には車もあまり来ないし人通りもあまりありません。マ~~~ジで静かです。
なので、もし音源を録りに行くのであればお昼休みにあたる時間帯(12時から1時ごろ?)を避けつつ乗り込むのがベターではないかと思います。


あっそうそう、防音に関してもう一つお伝えする必要があります。空調についてです。

STATION BOOTHには空調が完備されています。ただしそれなりに大きな音がします。ゴオオオオ!!!!!!って言います。
単一指向性で周囲の音を拾いにくいことでおなじみのSM58くんをもってしても音拾うんじゃないかと心配になるレベルだったので、今回収録を行うときにはやむなく空調を切りました。なのでもし何かを収録するような際には、周囲の音を拾いにくいマイクを用意したり空調を切ったりする必要があると思います。
注意が必要なのは今回のような収録時に限ったことではなくて、例えば待ち合わせで暇になったし周囲が暑いのでSTATION BOOTH入って涼みつつTwitterスペースやろうかな~みたいな時とかも気にした方がいいかもしれません。
ブースの空調付けた状態で配信や通話をする際は、事前に「空調の音うるさいかもごめんね」と伝えると良いかもしれませんね。

③テンションが上がるか


……これ、言うまでもなくないですか? 

当然個人差あると思いますが、めちゃくちゃ上がります!! だってまさか農林水産省の庁舎内でUTAU収録できそうな空間が見つかると思わないじゃないですか!!!!!!!!!
録音向けのものとして開放されているものではないので適切な配慮が必要にはなりますが、経験としてはかなり貴重なものになりました。とっても面白かった!

強いて言うなら、立ち入るのはめっちゃ緊張します。霞が関という土地自体普通の方々であればまず行かない土地かと思うので、初めて行く人はブースを見つけるまで「え? ほんとにここでいいの?」と戸惑うこと間違いなしです。
でも正しい通用口を見つけてしまえばすんなり入れるし、実際一般開放されてる場所なのでその場にいる警備員さんにとやかく言われることもありません。実はこの庁舎内にはほかにも一般開放されている場所があり、それ目的で出入りしてる一般の人も多いんだと思います。(これについては後述します!)

④周囲の治安、雰囲気等


こちらも言うまでもない……というより、これまでで散々触れてきましたね。治安については言うまでもありません、最強です。

ブースの横には警備員さんがひとりついていましたし、庁舎内はかなり静かです。霞が関に出入りしてるのってほとんど国の関係者さんか国のことに興味がある一般の人くらいなので、基本的に治安は完璧なんじゃないかと思います。とはいえもし足を運ぶ際には、事前に危ないデモとかやってないかを調べておく必要があるかとは思いますが……

あと駅からのアクセスがとても良く、地下鉄霞ヶ関駅のC1出口を出て右に進んだらすぐ見える建物に立ち入れば良いのもポイントが高いです。出口を間違えず、位置関係をしっかり確認していればほぼ間違いようがないレベルです。
なのでもし危ないデモの人たちと出会ってしまっても、すぐ建物に入ってブースに立てこもればこっちの勝ちです。たぶん。

雰囲気については、やっぱり霞が関独特の静けさが広がっているのでめっちゃ緊張します。国を支える日本の骨となる場所なのですから当然と言えば当然ですね。
こんな場所でこんな変なことをしていても現状ギリギリ見逃していただけている状況に感謝し、このグレーゾーンを守るためにも清く正しくブースを使用させていただく必要があると感じました。

⑤その他注意点


・STATION BOOTHは飲み物を飲むことは可能ですが食べることはNGです。なのでお弁当持ち込んだりするのはダメです。
喉が渇いてしんどい時は、通用口入ってすぐのところに飲み物が安い自販機があるのでそれを使って買うと良いでしょう。ちなみにノーブランドのミルクティ缶が80円、綾鷹カフェが100円、大きいサイズのカルピスが130円とかで売られてました。すご!

・STATION BOOTH周辺には、すぐ見当たる範囲内のトイレはありませんでした。もし必要があれば警備員さんに確認するか、霞ヶ関駅構内にあるトイレを利用するのが良いかと思います。

・農水省内にSTATION BOOTHが二台、隣り合って設置されています。自分が入室した際に隣が空室で合った場合も、予約なしで別の利用者が入る可能性があるため、大声を出したりふざけたおしたりするのは本当にダメです。迷惑をかけないように本当に注意しましょう。いやほんとに……。
また自分の利用直後に予約が入っている場合もあるので、時間内に退室できるように用意することも大事です。退室予定時間5分前になるとアナウンスが流れるので、アナウンスが聞こえたら退室の準備をしましょう。なお会員登録をしていれば、自分の利用時間の後に予約が入っていない場合に限り利用時間を延長することも可能です。

ちなみに


・農林水産省中央合同庁舎内には、STATION BOOTH以外にも一般開放されている場所が存在します。そう、食堂です。

さすが農林水産省というだけあり、「国産食材被災地産食材有機農産物などの食材にこだわる食堂」が6か所もあり、我々も気軽に入っておいしいご飯を頂くことが可能です。素敵!
今回わたしは行っていないのですが、機会があればぜひ行ってみたいです。イワシクジラステーキ膳おいしそう。


・そしてSTATION BOOTHについても少し。
この施設は今回伺った農林水産省庁舎内だけでなく、全国に233拠点を構えています。せっかくなので面白そうな場所にあるSTATION BOOTHをいくつか紹介させてください。行ってみたいな~!

①内閣府庁舎内

い……行きたかったッ……!!!!

内閣府庁舎内のブースは農林水産省と違い一般開放されていないため、内閣府関係者でないと使用できないという制限があるSSR枠。なんというか、めちゃくちゃ夢があります。

②東京国税局内

なんと国税局内にもあります。
築地市場駅とのアクセスが良いので、観光のさいの休憩とかにも結構よさそうですよね。

③新宿郵便局内

郵便局内にも設置されています。
公式サイトに「郵便局での手続きの待ち時間や移動の合間に」と記載がある通り、郵便局で発生しがちなちょっとした待ち時間をこの中で過ごすのもよさそうです。

④高輪ゲートウェイ駅改札外 スターバックス コーヒー内

スタバの中にもあります。
スタバでの飲食物購入が前提になりますが、ただでさえ仕事や作業が捗るスタバでの個室……まさに最強!
ちなみにSTATION BOOTHは基本食べるのが禁止なのですが、こちらでは例外的に飲み食いOKとなっている模様。せっかくのスタバで小腹がすいたときにも助かりますね。

いかがでしたか?


いや~~めっちゃ楽しかった!おもしろかったな~!

今回は音源の収録というイレギュラーな動機でお邪魔したのですが、霞が関という神聖な場所にあるSTATION BOOTHという作業にうってつけな最強の個室でこのような創作の作業ができたことはほんとうに貴重な経験になりました。よかった!

STATION BOOTHという個室ブース自体も今回初めて利用したのですが、システムもかなり洗練されていて、おちついて作業するのに必要なシステムは全部そろっていたと思います。
UTAUを録るのに向いてるかというと全く向いてませんが、もともとUTAU音源を録る目的じゃない場所で勝手に録らせていただいたってだけなので実質不満点はないに等しいです。

ということで、みなさんもぜひ農林水産省内のSTATION BOOTHを利用してみてはいかがでしょうか? UTAU音源の収録はともかく、作業捗るのでおすすめです!

楽しいUTAUライフをお過ごしください! それでは!

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