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散文韻文

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日記など
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#野崎有以

引用日記⑭

男は食べ終わると短冊にした古い辞書で巻いたイタドリタバコを吸った 野崎有以「密造酒「チルチルメチル」」『ソ連のおばさん』(思潮社、2021年)

引用日記⑬

「きれいだわ! きれいだわ!」 どこにでもあるようなうどん屋のメニューを見ておばさんは興奮した おばさんの感嘆する言葉のなかに異国のなにかを見たような気がした 「メニューの写真がきれいだからしばらく見ていてもいいかしら」 うどんを注文したあともおばさんはメニューをまじまじと眺めていた 野崎有以「ソ連のおばさん」『ソ連のおばさん』(思潮社、2021年)

引用日記⑫

読書に没頭していた客には迷惑だろうが 退屈そうに外を見ていた客には清涼剤だろう 野崎有以「メキシコの情熱」『ソ連のおばさん』(思潮社、2021年)

引用日記⑪

この辺は長崎という地名だから 夕焼けの時だけ長崎がみえるような気がしていた 野崎有以「ネオン」『ソ連のおばさん』(思潮社、2021年)

引用日記⑨

大森の珈琲亭ルアンには「メキシコの情熱」という飲み物がある 野崎有以「メキシコの情熱」『ソ連のおばさん』(思潮社、2021年)