雨の曲お気に入り
6月になって、本州でも梅雨の足音がかなり大きくなってきた。執筆時点で関西は梅雨入り前、関東と甲信(山梨、長野)地方では「梅雨入りしたと見られる」とのこと。雨というと豪雨、線状降水帯などの怖さやジメッとした肌感、人によっては低気圧による頭痛など嫌なことだらけだったりする。ただ、音楽好きでいるとこれでさえ楽しめたりする。
ヨルシカの雨曲
「ヨルシカ」の曲には雨にまつわる曲がいくつかある。
ピアノの印象的な音が雨の雰囲気に合致してるし、サビの盛り上がるところは列車のスピードに合わさると心地良くて涙腺が緩む。以前「18きっぷ」で「ホームライナー」に乗った際にはちょうどこの曲を聴いていて、数少ない雨の日の遠方列車旅のいい思い出だ。そして、ライブツアー『月光再演』で見たのも素晴らしかった。
名の通りまさに今が旬のような曲。電車に乗ってるとギターのリフ(リフレイン)やリズムがワイパーの動きに合わさってかなり心地いい。3分過ぎた頃には一瞬曲が止まって雨のBGMが流れるという演出もなかなか良い。
『又三郎』は元ネタから風のイメージが強いが、歌詞を見ると雨曲とも取れる。雨風強いのは列車にとっては天敵でこれで湖西線が運休してしまう「滋賀あるある」もあるほどだが、風を巻き起こし草木を揺らして、高速で走る新快速や特急、新幹線などで聴くのはサイコー。雨が降ってると尚いい。
村下孝蔵
「ヨルシカ」のボーカルsuisさんがラジオでルーツだと話していた村下孝蔵さん。なかなか聴く機会が無く、知ったのは今年。でも『初恋』のシンセサイザーと透明感ある歌声がすごく良い。おまけに悲しげなメロディや歌詞は雨によく合う。というわけで「Apple Music」のプレイリストにぶっ込んでよく聴いている。
中には「鉄オタ本能」が疼くような曲も見つけた。新宿や千代田線から箱根、江ノ島、富士山の麓などを結んでいてスタイリッシュなビジュアルと先頭の展望座席(一部のみ)、通勤から観光まで使えるマルチさが魅力な特急列車として首都圏では定着している。ただ、曲では踏切を高速で刹那で去りゆく「ロマンスカー」に切なげな恋を重ねたような情景が浮かぶ。カッコいい電車からこういうところに行きつくのは村下さんの才能を感じたりする。
雨というのはやなもんだし、強過ぎるのは怖いもんだ。ただ、そうでないちょうどいいぐらいの本降りの雨なら音楽さえあれば楽しめたりする。もちろん、「ステイホーム」で読書などでもいいもんだ。そんな風に梅雨や雨を楽しんでいきたいもんだ。