雨の北陸、Train&Music with tabiwa
能登半島地震の復興支援として「北陸応援割」をはじめ様々な取り組みが行われている。能登半島に路線を持つJR西日本でも北陸新幹線や系列会社「日本旅行」とのタイアップを多数行っている。
そのうちの一つとしてMaaSサービス「tabiwa」内の乗り放題きっぷ「北陸おでかけtabiwaパス」が大幅割引と利用期間が拡大された。北陸線や七尾線などのJR在来線や第三セクターなどが1日乗り放題となり、「料金券(特急券、チケットレスなど)」も使える。付録として土産物などの購入で使えるクーポンも入っている。
「tabiwa」の乗り放題はスマホ1つで済む。アプリかホームページで購入後に専用ページで「チケットを使う」という項目をタッチして画面を出し、有人改札の駅員やワンマン列車の運転士に見せるだけ。「青春18きっぷ」の紙がスマホに変わっただけで、使う人にとっても、システム構築する上でもシンプルだ。スマホのヘビーユーザーやミニマリストにはありがたいのかも。
京都→敦賀
まずはこのきっぷが使える起点「敦賀駅」へ。「ICOCA」と「チケットレス特急券」で北上する。
敦賀駅で下車。改札通って、ICOCAを精算。「北陸おでかけtabiwaパス」で入り直す。
敦賀からしらさぎ
名古屋、米原からやってきた「しらさぎ」に乗り込む。
1ヶ月後には全列車敦賀止まりに。到着ホームも新幹線真下の新ホームに来るようになる。早朝深夜の1往復は新幹線との兼ね合いで廃止され、米原〜敦賀間の「臨時快速」に移行する。
デッドセクション
敦賀を出発。出てすぐには赤と白い斜線は「デッドセクション」という標識がある。交流直流の電源境界で電気は流れない。
旧型電車は停電していたが、今乗ってる電車は非常電源で賄っている。ただし、ライトの片目が消えたり、電光掲示板が一時的に停電する。
「特急街道」という異名も持つ北陸線の特急。指定席を取ろうとすると窓側はほぼ埋まる。
見られなくなる風景たち
沿線は特急としては来月の今頃乗れなくなる区間。最高速度は今より落とされる。ただ、「快速」が設定されるし、普通列車でもけっこう飛ばす。滋賀に住んでたときもそんな感じで、特に遅れを取り戻すときは新快速かと思うぐらい。
準備してる普通列車
すれ違う普通列車も譲渡に先駆けて「JR」のロゴを取り外している。コバルトブルーの帯は「水色(IRいしかわ鉄道)」または「ピンクと黄緑(ハピラインふくい)」に順次切り替わる。
武生と鯖江
武生、鯖江と止まる。これらの駅には新幹線の駅は併設されない。最寄りは「越前たけふ駅」となるが、武生駅からはかなり距離がある。この付近では自家用車で「越前たけふ」に乗り付けて新幹線に乗るか、ハピラインを使い、福井駅から新幹線、敦賀駅から特急に乗り換える形になる。
金沢駅
あいの風とやま鉄道
終点の金沢駅に到着。この駅からは普通列車で高岡を目指す。
普通列車富山行き。「あいの風とやま鉄道」所属の車両がいる。
側面には同鉄道マスコット「あいの助」。ホトトギスがモチーフで多く登場する万葉集の舞台になった土地であることに由来。漢字で「時鳥」と表すことが鉄道で大事にされる「定時運行」にも繋がる。
クセのすごい車掌
この列車では金沢から石動まで車掌が肉声放送する。そのときの喋りがクセだった。
この列車はぁ〜、津幡ぁ〜、石動ぃ〜、高岡方面ん〜普通列車ぁ〜、富山行きで〜すっ
終点富山までぇ〜各駅に止まりますっ
JR西日本からであろうベテランの車掌。語尾が訛る独特の放送は耳に残るし、どこか懐かしい。「富山まで」の発音も平板読みだ。iPadなどのタブレット端末の普及やワンマン化、発音の矯正が進んだことでなかなか聴くことが少なくなった。
滋賀に住んでいたときに聞いたのにもよく似てる。敦賀所属の車掌さんでも今乗ってる列車の人のような放送で耳に残ってたり、ほぼ毎日乗ってると名前ごと覚えてる人も多かった。今はワンマン化されているし、あの方々も一線を退いているかも。
1時間乗って、高岡へ。そこからヨルシカのミュージックビデオの撮影地へ向かった。
雨と列車と雨曲と
この日は1日中雨。とはいえ、この時期の北陸はこんなもんだ。僕の故郷、滋賀北部と似ている天気傾向で晴れるのは稀。だいたい慣れているし、個人的には雨の方がテンションが上がる。
雨にしか聴けない曲は雨でないとテンションが上がらない。そんなこの日はヨルシカやツユを聴くと上がる。
とはいえ、ヨルシカゆかりの場所に行くのだから、雨でも晴れでもヨルシカは確実に聴いている。