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快速急行停車駅をぶらり

2021年9月25日に京津線を除く京阪電車全線でダイヤ変更が実施された。「ウィズコロナ」を踏まえた減便が主で1時間に6本ずつだった昼間の特急、準急、各駅停車を各2本ずつ減らし、終電を繰り上げ、さらに朝ラッシュも減便、一方で座席指定列車「ライナー」が増発や石山坂本線の「学休期ダイヤ」など良い意味でも悪い意味でも大きく変化した。

そしてもう一つの変化として、淀屋橋〜出町柳間で昼間に快速急行が設定された。減ってしまった特急と準急を補完することで速達列車の本数が維持されている。これを聞いた僕は特急通過駅で快速急行が止まる香里園、寝屋川市、守口市の各駅をこれ機に訪れることにした。

3000系快速急行

最寄りから丹波橋へ。そこから快速急行に乗り込む。

昼間の快速急行は3000系「コンフォートサルーン」を使用。指定席「プレミアムカー」を連結したハイグレードな車両だ。ちなみにデビューした2008年から2011年までは快速急行が本業でそれ以降は特急にシフトしていっていた。それが今回のダイヤ変更で原点回帰のようなことになった。
デビュー当時を雑誌や図鑑で知っている僕にとっては何ら違和感ないどころか、これが本来の姿だとは思うが、ここ10年は特急が主だったから、それを知らない人からしたら超違和感だろう。そして、今は「プレミアムカー」も連結しているから“わけわかめ”状態。
でも、特急が止まらない主要駅である守口市、寝屋川市、香里園からこんなグレード高い電車で京都や大阪などに行けるってなると歓喜だろう。

香里園駅

丹波橋から20分香里園駅に到着。

乗降客数5万人を超え、駅周辺にはタワーマンションや商業施設などが建ち並ぶ。東口には大学病院やバスターミナルもあって、それらへ繋がるペデストリアンデッキ(歩行者空間)も張り巡らされている。

この駅を降りて、バスで向かったのが、成田山大阪別院(通称成田山不動尊)。名前の通り、成田山新勝寺(千葉県成田市)のいわゆる系列の寺院で不動明王を祀っている。大阪市内から見て北東側、即ち鬼門に位置することから鬼門除けとしての御利益がある。

↑京阪電車に飾られているお守り

また、交通安全の御利益もあって、この寺院を誘致した京阪電車ではケーブルカー以外の全ての車両に「成田山」と書かれたお守りが飾られている。(ケーブルカーは石清水八幡宮のお守り)

山門付近にはクルマのすぐそばでご祈祷できるスペースがある。これを生かして「密」を防ぐために、「ドライブスルー」で祈祷できる試みも行われていたこともあった。こういうクルマごとご祈祷できるスポットはおそらくここ以外ないと思うし、「密」を避けられるということも大きい。

境内を巡ると着物や袴を羽織った子どもたちと正装の両親が七五三のお参りをしていた。これを見ていると、幼い頃に多賀大社(お多賀さん)で七五三参りした思い出が蘇ってくる。

そして、びっくりする場所が

四国八十八ヶ所巡りのミニチュア的なお参りスポット。大阪にいながら88のお寺を巡れる。そして、移動が難しいご時世でも非常に良い場所だ。それでもどうせならホンマもんに行ってみたいところだが。

1時間に満たない時間だったが、最近、自転車でけがしたばかりだったから、良いご利益を願いたい。

守口市駅

香里園から準急に乗って向かうは守口市駅。大阪都心に程近い主要駅。快速急行など速達列車の本数は比較的多くあるものの、遠距離向けの特急は全て通過。さらに朝ラッシュの通勤準急と通勤快急も全て通過する。それ故なのか乗降客数は寝屋川市内の駅には遠く及ばない。

駅前はビルや百貨店が立ち並び、個人的にゆかりある千里中央駅を彷彿とさせるぐらいの賑わい。高架下にも「モスバーガー」や百均など店が多い。

そして、守口市駅ではちょっとこんなことをしてみた。

守口市駅から滝井駅まで徒歩で歩く。

守口市、土居、滝井の3駅は各々駅間が極端に短い。特に土居〜滝井はわずか400mしかなく、最後尾がホームから完全に離れた途端に先頭が隣に到達するほど。それ故走った方が速いなんて言われる。そこでちょっと歩くとどうなるかを片道計測してみた。

ラップ1が滝井から土居まで、ラップ2が土居から守口市までのタイム。トータルでも僕の足だとわずか10分で歩けてしまうほど。駅間がいかに短いかお分かり頂けただろう。
京阪お馴染みのネタとしてテレビや本などで聞いてきたが、実際に歩いてみるとこの3駅がいかに短いか分かった。

寝屋川市駅

守口市を後にし、今度は寝屋川市へ。特急は止まらないものの、通勤準急、通勤快急を含め快速急行以下の全列車が停車。乗降客数6万人で京阪全体で4位、特急が止まらない駅に限ると1位という主要駅だ。

特急が止まらないとは言え、真新しく広々したホームは主要駅の貫禄があるし、駅そばや「ネスカフェスタンド」、さらにはマクドナルド、スーパーまで駅ナカが充実している。


駅前には、巨大なバスターミナルやタクシー乗り場があり、駅前には所々商店街もあって、北河内の大都市で巨大ベッドタウンの様相が窺える。

ちょっとだけ親水公園を歩くと、夕暮れが相まって非常に美しいし、高架橋に当たる日差しや電車も良いもんだ。

今回はこれだけだったが、ライブ好きの僕にとっては、「寝屋川VINTAGE」というライブハウスに行ってみたい。ロックバンド「yonige」のホームタウンで始まりの地であるこの場所にいつか行けるそのときを願って。

ダイヤ変更で増えた快速急行に乗りつつ、守口市、寝屋川市、香里園という初めての3駅をぶらりした今回。これで京阪の主要駅は大方制覇できたように思う。減便したとはいえ、近くて遠い場所に行きやすくなって便利になって、行動に移しやすくなったのは良い変化だと思う。とは言っても、まだ門真市内は未踏。準急すら止まらない近くて遠い街だが、いずれ行ってみたい。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。