18年前の北陸線の旅①in妙高はねうまライン
上越妙高駅までやってきた。ここから「えちごトキめき鉄道(トキ鉄)」に乗車。18年前に僕のふるさとを走ってた思い出の電車に会いにいく。
普通列車?
普通列車に乗車するのだが、やってきたのは「急行/はやとも」と書かれたあずきとクリームの電車。普通列車に乗るのにかなり戸惑う。
この電車の正体は「観光急行」。週末や祝日に直江津〜市振間で運転される観光列車だ。乗車券or乗り放題きっぷとは別に「急行料金」を500円足せば乗ることができる。これが今回会いたかった列車だ。
これとは別に普通列車も担当する。午前の直江津〜妙高高原間と糸魚川〜市振間各1往復では追加料金なしで誰でも乗れる。このやりくりは昔の急行列車でも見られた。これを見るからに
「さすが鉄オタ社長や」と感心する。
鉄オタ社長 鳥塚亮
「観光急行」を生み出したのは「鳥塚亮前社長」。学習塾や航空会社などを経て、「いすみ鉄道」社長に公募で選出された。根っからの鉄道ファンという特性や副業で会社経営した経験を遺憾なく生かして、いすみ鉄道を盛り上げた。その手腕に目をつけられたのか2019年に「えちごトキめき鉄道」社長として招聘。「観光急行」運行開始や蒸気機関車「D51」を展示する博物館を直江津の車庫に開業、直江津駅に学生専用自習室も設置した。
2024年3月にトキ鉄社長→相談役に退き、静岡の私鉄「大井川鐵道」で社長に就任した。災害復旧、赤字など苦難だらけであるが、「動く鉄道博物館」でどんなアイデアを出すのか期待したい。
2006年の北陸線
そんな観光急行に乗車した僕は、まずは列車の音を楽しんだ。小3の頃の空気感を思い出し、「2006年ごろの北陸線」に耽ってみる。
1990年代から2006年までは白地に青帯の普通電車が滋賀県湖北地方を走っていた。それらに混じって観光急行と同じ塗装に復刻した電車もいて、急行の復活運転に使用された。
しかし、2006年10月のダイヤ改正で京阪神の新快速が長浜から敦賀へ北伸。同時に国鉄時代の車両も新型車に置き換わって、敦賀以北で折り返すことに。ふるさとからは姿を消した。ニューフェイスの電車がたくさん出てくる目新しさはあったが、時間が経つと「こういう電車もあったなぁ」とノスタルジーに浸りたくなる。
鉄道ファンが多いものの、地元利用も多い普通列車。老若男女問わず顔ぶれが多彩だ。地域輸送もしっかりこなす。
妙高高原駅
妙高高原駅に到着。ここから長野方面は「しなの鉄道北しなの線」となる境界駅だ。このしなの鉄道もいつか乗りに行きたい。
折り返しは窓口できっぷを購入。窓口のきっぷはかなり大判。みどりの窓口サイズが出てくる。
バラバラ3両
3両編成の電車で、急行車両を部分改造した「455系」と同車両の台車とモーターを再利用して、ラッシュ時に適した車体をくっつけた「413系」と呼び名が分かれる。「413系」で統一されたのもいるが、バラバラなのもいくつかいた。
この電車が生まれた1980年代は国鉄末期。財政難でコストカットされた車種が多かった。寝台特急を普通列車に改造した大胆なのがあったほど。どこか統一感がないのを見ると国鉄マンが苦悩したのが窺える。
はやとも
ヘッドマークは「はやとも」。広島と博多を結んだ急行列車で、カラーも一緒。名前は関門海峡にある「早鞆瀬戸」から取られている。ヘッドマークはたくさんあって、北陸、九州、東北方面の列車名がラインナップされている。
手動扉
扉は全部手動。僕のときは折り扉に出くわすことが多く、引き戸タイプの手動扉はなかなかなかった。扉は重たく、年配の人が苦労していた。
電車の履歴書
車内を観察。ステッカーや黄色い手すりを見るとJR西日本の名残りが見える。譲渡直前は七尾線で活躍していて、そのときの路線図が残る。徹底的に再現せず、「電車の履歴書」として少し残しておくのもまたいい。
座席の色は濃青。JR西日本在籍時は茶褐色だったが、トキ鉄では国鉄で多く採用された濃い青色に復刻させた。国鉄時代を知らない僕にはJRの茶褐色がお気に入りだが、青い方が思い出があるという人が多数派なのだろう。
車窓を見るとやはり三脚を立てて、撮ってる人が多い。あぜ道に軽トラを土台にして三脚を立てる強者に少し驚いた。
2006年の北陸線×ヨルシカ
戻りでは音楽をお供する昭和な見た目をしている電車にZ世代の音楽をマリアージュさせる。
少年時代を思い出す懐かしい光景×今1番好きなヨルシカ。この2つを合わせると涙が止まらなくなる。来月のライブ行けますように。
二本木駅
二本木駅に到着。ここでは方向転換をして坂を登り下りをする「スイッチバック」がある。行き止まりの駅をバックで発車。運転士は窓からひょっこり顔を出しながら所定の位置に止め、進行方向を変えて坂を下る。
駅の看板にはZ字状の線路図が描かれる。この駅で下車するファンもちらほらいた。
直江津駅
約1時間で直江津駅に到着。11時半までこの駅で停車し、「観光急行」として西へ向かう。
列車の準備中に直江津駅ではおそば屋さんに寄り道。名物である「もずくそば」で腹を満たした。
その後にはデザートで「酪王カフェオレ」。関西ではあまり見かけないが、テレビで「サンドウィッチマン」の伊達さんが大好物を公言しているのを見たことがある。プリンを彷彿させる甘々なカフェオレはかなりの背徳感ある味わい。
伊達さんが「これはカロリーゼロなんですよ!」とゴリ押しするのがわかるおいしさを感じる。これはカロリーゼロ…
んなわけあるか!笑
つづき↓