見出し画像

年またぎオールで列車旅①(阪急でハッピーニューイヤー)

大みそかから元旦にかけて、鉄道では「終夜運転」という「オールナイト営業」を行う。カウントダウンイベント、初詣、初日の出の需要に応えるため終電以降に臨時列車を運行。1時間に1本必ず列車が来るようになる。

コロナ禍前は大都市のJRや大手私鉄の広範囲でやってたこともあったが、利用低迷やハイコストなどを踏まえて、2、3時台で運転を打ち切るor通常の終電で営業終了するなど縮小傾向にある。
コロナ禍の2020−21年の年越しは終夜運転、終電延長が国や自治体の要請を受け中止された鉄道がほとんど。これをきっかけに止めてしまった鉄道はかなり多い。
5類移行後も、大きな寺社仏閣がある路線や初日の出の名所を中心に今でもやっている鉄道がある。そんな年に1度の大イベントを見ずにいられず、ほぼ「オール」で列車旅してきた。
まずは終夜運転を実施しない「阪急電車」の終電に乗りにいく。

京都河原町駅

21時に家を出て、まずは京都河原町駅へ。阪急電車に乗って大阪へ向かう。四条大橋の人通りは大みそかでも衰えない。

8300系
平成初期の新世代車両。
角張ったビジュアルがインパクトを与えた。

22:15発の準特急に乗り込む。22時台になると人が少なくなる傾向がある。今の時間だとカウントダウン行きたい人はすでに現地にいるし、飲み会もまだ始まったばかり。

阪急×今年の音楽

そんな阪急電車ではいろんな音楽を聴きまくった。ヨルシカやずとまよ好きを公言してはいるが、他にもいろんなバンド聴き、新たに知ったバンドも多い。

Chili Beans.

半年前にライブに行った「Chili Beans.(チリビ)」もその1つ。かなり予習して見に行ったら、オシャレなサウンドに魅了された。これで買ったステッカーをスマホ裏に挟んでいたら、チリビ好きに偶然出会えたってこともあった。

People1

チリビのラジオ繋がりで「People1」の『GOLD』もハマった。未だこれだけだが、ラジオで新しい出会いをしたい。

大阪梅田駅

音楽とともに40分。大阪梅田駅に到着した。23時の駅はかなりまばら。駅ナカの店舗もクローズし、静かな印象もする。

フライング迎春

ホーム先端の迎春飾り
七福神巡りヘッドマーク
宝塚線には七福神をまつる寺社仏閣が多い。

駅はすでに迎春飾りが飾り付けられ、一部の電車には「初詣」「七福神巡り(宝塚線のみ)」などの特別ヘッドマークが掲示されている。

深夜の梅田

ヨドバシ梅田
22時でクローズ。
グランフロント大阪とイルミネーション

小腹を満たしコンビニに行くついでに大みそか、真夜中の梅田を激写した。「グランフロント大阪」のイルミネーションが年越しの街を彩る。

大阪新阪急ホテル

梅田の新阪急ホテル
2025年1月4日で閉館。

1月4日で閉館する「大阪新阪急ホテル」最後の勇姿。関西一のビジネスホテル、関西一のバイキングレストラン「オリンピア」などで親しまれてきたが、採算や老朽化などで60年以上の歴史に幕を下ろす。長らく梅田の象徴だっただけにかなり惜しまれる。

トムとジェリーの終電

神戸三宮行き最終電車

小腹を満たし、大阪梅田駅に戻ると、「トムとジェリー」の神戸線ラッピング電車に出くわす。この日は大阪梅田からの神戸三宮行き最終電車を担当していた。

急行京都河原町行き

京都方面の最終電車で京都河原町駅を目指し、マルーンの電車の中で新年を迎える。

7300系7320F

今年の乗り納め兼乗り始めは「7300系」。昭和後期生まれで10編成近くいる。京都線では割といるが、「7320F」と呼ばれるこの編成だけ異端としてファンから注目を浴びる。

本来はこういうデザインだったが、リニューアルに際し、客室や前面などを大改造。「あんた誰?」と言われそうなぐらい別形式のようなデザインになった。

他の編成のリニューアルはこんな見た目。
凝った改造は最低限にモーター部分を新品にした。

しかし、大胆なデザインは定着しなかった。2014年にリニューアルされた編成からはビジュアルの改造が軽めになり、モーターを新品にした。コスパ面でしっくりきたのか、過半数はこのスタイルで施工された。

2画面のデジタルサイネージ。
他の編成は2つを合わせたような大型のものが採用されている。

デジタルサイネージ設置や濃いめの木目などきれいな印象。中身に関してはデジタルサイネージが大きくなった以外は共通している。

終電メロディ

阪急大阪梅田駅では行き先ごとの最終電車のみ発車メロディがアレンジされる。発車5分前になると『第三の男』が流れ出す。「エビスビールのCMで流れてるアノ曲」と言ったら脳内で流れてくるアレ。
2号線より、急行京都河原町行き最終、急行京都河原町行き最終、まもなく発車します。
ご乗車のお客様はお乗り遅れのないようご注意ください。

という放送を1分おきに挟みながら、発車2分前まで流れる。

大阪梅田駅全列車で流れる3種類の発車メロディも最後の余韻が10秒ぐらいのところ1分流れる。最終電車限定の光景を見るのも大みそかの楽しみだったりも。

tuki./晩餐歌

大阪梅田を出発。ヘッドホンをつけてまず聴いたのは『晩餐歌』。家で紅白見てると生歌にしみじみきて涙が出てきた。15歳であの声は完成されているし、個人的にはすごくいい声だ。2024年音楽的に1番出会えてよかった。

十三、南方、淡路、上新庄に止まり、次は南茨木。定刻で走行すると、このタイミングで年を越すことになる。年またぎに選んだ曲は「Yuki的No. 1ソング」。

ヨルシカで年明け

2024年も個人的年間1位の再生数を記録した他、ライブのセトリに入っていてボロ泣いたお気に入り。図らずも上新庄〜南茨木間の所要時間が5分で『パレード』も尺が5分。僕のセレクトは基本的に尺と次の駅、2駅先までの時間が基準になっている。これがたまたま合致しただけの話。それでも、サイコーの年越しになった。

茨木市駅
普通桂行きに連絡。

年明けた真夜中を疾走する急行。深夜は本数が少なくなって、特急並みに飛ばしてる。

そんな中で聴いた年越しのプレイリスト。ヨルシカの他、『晩餐歌』『全方向美少女』などの流行りもの、『阪急電車と2DK』という電車ソングも選んだ。

阪急電車にまつわるワードが少なくて、物足りなさを感じる鉄オタだが、ラブソングとしてはコレサワらしくていいと思う。『元彼女のみなさまへ』も大バズりしたわけだし。

Return to京都河原町駅

梅田から約50分で京都河原町駅に着いた。終夜運転を行わなず、電車はこのまま車庫に引き上げるか駅で“仮眠”する。

終電なのに来る人々

電気落としてる電車。
いい夢見てそう笑

終電となったが、終夜運転があると思い込んでる人が警備員に止められている姿をよく見る。阪急電車もコロナ前はやっていたが、利用低迷を理由にここ5年は全くやってない。
外国人もすれ違って、普通に駅に入っていく。ニューヨークなどでは終夜運転が当たり前だったりもするから、そういうもんだと思い込んでるかも。


去年も同じことをして年越したが、このときは後から熱がぶり返した。今回は元気に大みそかを迎えてリベンジしてきた。いい年越しをした後はいよいよ終夜運転巡りの始まりだ。

いいなと思ったら応援しよう!

Yuki(ゆうき)
ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。