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ながらと長良川の夏(長良川鉄道 美濃太田→郡上八幡)

2024年夏3回目の青春18きっぷを召喚。6時に起き、列車で東へ向かうことにした。移動中に考え、列車旅と同時にあるバンドの聖地巡礼も行うことにした。

京都→岐阜→美濃太田

高山線キハ25系
都会チックなローカル列車
新快速的2列座席がメイン。
美濃太田駅

東海道線、高山線を乗り継いで向かったのは
「美濃太田駅」
ここからは第三セクター「長良川鉄道」に乗っていく。

観光列車「ながら」

観光列車「ながら」

階段を降り、ホームに着くとそこにいたのは観光列車「ながら」。長良川の景色を楽しめる観光列車。「森号」「鮎号」「川風号」の3両体制で別々の顔を持つ。

森号

スタンプ押してきた。

今回乗ったのは「森号」。別料金510円で乗車可能な「ビュープラン」はこの車両が専任で食事なしとなる。事前予約もできるが、空きがある場合は飛び込みで乗ることも可能。何も知らずに来た僕は飛び込みで一か八かアテンダントさんに聞く。運良く空きがあった。

通されたのはカウンター席。席の目の前で長良川を一望できる。

地域のええもの
地酒、関名産「包丁」など
左が売店カウンター。
右のソファっていわば機材席的な?

カウンター席以外では4人がけのソファ席やベンチタイプのソファ。グッズの販売スペースも設けられている。吊り革も付いていて、普通列車での使用も考慮されてるっぽい。

水戸岡イズム

DON(ドーンデザイン研究所)のロゴ。
このロゴが「水戸岡印」。

「ながら」の設計を手がけたのは工業デザイナー水戸岡鋭治さん率いる「ドーンデザイン研究所」。JR九州や京都丹後鉄道など観光列車のデザインを監修していることでお馴染み。

「木目の化粧板」「和柄の座席生地」など
「水戸岡イズム」の特徴は長良川鉄道でも変わらない。木目の化粧板は岐阜県産ヒノキが使われる。地の木材をインテリアに使うのもまた水戸岡流だ。

つり革も付いたる。
水戸岡イラストのザリガニ
特急ひだ号
なんか外国人軍団が前寄りへ大移動。
「自由席あっちですよ」言われた説。

10:45 美濃太田駅発車

美濃太田駅を発車。車内ではアテンダントによる放送が実施されている。この日のアテンダントは「イケオジ」と言えそうな男性アテンダントと丸メガネをかけた若い女性アテンダント。放送の雰囲気からして男性が指導役、女性が見習いだと思われる。

10:54 富加駅

富加駅
木造のかなり古い駅舎。
美濃太田行きと行き違い。

最初の停車駅「富加駅」に到着。ミニカーみたいな名前のこの駅で美濃太田行きを待ち合わせ。この駅からの乗車も可能だ。

津保川

関駅の車庫

関駅の車庫

関駅手前で車庫が見えてきた。関駅を境に車両を交換することもある中枢。長良川鉄道本社もこの駅にある。この日車庫には3両の車両が昼寝していた。

ながら鮎号

「ながら」の「鮎号」。今乗ってる「森号」とは違い、食事スペースが付いてるレストランカーとして使用され、ランチやスイーツを楽しめる。テーブル席主体でミニキッチン付きという違いがある。ビュープランに併結されることもある。

ながら 川風号
3の数字が目印。

3両目の「ながら」もいた。「川風号」と呼ばれるこちらはオールロングシート。団体列車や普通列車としての使用が中心。「森号」の代打をすることもある。

さらに右にはオレンジ色の車両は「ナガラ600形」という最新車両。見た目の新しさとは真逆に国鉄時代の車両の色を復刻し、「パーシモン美濃里号」と名付けられた。「パーシモン(=柿)」と呼ばれるように岐阜県は「柿」の栽培が盛ん。「富有柿」などブランド物も多い。
こういうのを「たらこ色」と呼ばれるが、よく見りゃ柿色がしっくり来る。

11:04 関駅

関駅
かつては名鉄の路面電車「美濃町線」ホームもあった。
美濃市内

11:15 美濃市駅

美濃市駅に到着。「うだつが上がらない」の語源になった「うだつの上がる街並み」と和紙の産地であることが紹介。

1両だけのレア車両

駅の側には2両の車両。そのうちのサビサビでカラフルな車両は「ナガラ200形」。1両のみという超少数で激レア車両だった。2019年に引退したものの、この場所に5年も留め置かれている。

美濃市駅を過ぎると山間部へ入っていく。左手には長良川が迫ってくる。この川をじっくり楽しめるように何ヶ所か「サービス減速」を実施する。

長良川で減速

第一長良川橋梁
アナウンスによればベストよりは少し濁ってる。
2度目の長良川

長良川を渡るとき、車内はシャッターの大合唱。4人ソファ席でおしゃべりしまくってたヤンチャそうな2人でさえもこのときばかりはシャッターをパシャパシャ。いろんな人たちを魅了する清流だ。

アユのつかみ取りしてる!

アナウンスを聴いて列車の進行右下を見ると、アユのつかみ取りするところが見えた。真夏になると週末のテレビニュースでよくやってるアレだ。清流と呼ばれし場所ではこういうのは見かける。ただ、滋賀ではあまり見ない気がする。

大矢駅

大矢駅

大矢駅に到着。この駅では列車待ち合わせと同時にトイレ休憩で停車する。長良川鉄道の列車では車内トイレが未設置でここが唯一のチャンスだ。

美濃太田行き
アユを前面に押し出したラッピング
長良川のアユかぁ🤤
資料館ある!

駅を探索すると資料館を発見。ベテランの駅員さんが「どうぞ〜」と言われるがまま、見学する。

昔の発車標。
小荷物用のハカリ。
列車を使って宅配便や郵便が運ばれた時代のレガシー。
最近は形を変えて荷物輸送が復活している。

中には国鉄時代の看板や保安機械、なつかしの写真など「越美南線※」の歴史を垣間見える。

※長良川鉄道が引き継いだ国鉄の路線。元は福井の越前花堂えちぜんはなんどう駅と美濃太田駅を結ぶ「越美線」として計画されたうちの岐阜県側。未完成に終わり、福井県側の「JR越美北線」とともに別々の路線となっている。長良川鉄道になっても、正式路線名ごと引き継がれ、一部案内表記もある。

ながらとツーショット

停車中には列車とツーショットで撮れるフォトスポットも用意。アテンダントに申し込めば、撮ってもらうことができる。中には女性アテンダントと一緒に撮ってもらう陽気な紳士もいた。


ちなみに僕も撮ったはいいが
「クネクネしてるのが究極に残念なんやけどーーー!!」
と写真映りがすごく気になり、恥ずい。
マジで見栄え磨かんと「きっしょ」いわれるやつやん!!

このあたりの岸にラフティングできるとこみっけた。
北海道の留寿都でやったなぁ。
みんな川飛び込んでたなぁ。
こっちではバーベキューしてやある。

たくさんのアユ釣り客

長良川を渡る際に真下を見ると、川に入って釣りをする人が大勢見かける。アユが名産の川は数多いし、解禁期の6月は人が押し寄せるらしい。大手私鉄で「鮎電」なる臨時夜行電車があったなんて聞いたこともある。

ちなみに、8月の中旬の時期というのはアユの旬の中ではラストスパートにあたる。禁漁は11月からだが、成長しきった鮎は味が落ちるみたい。7月の若アユが1番食べごろだそうな。

景勝地で停車

景勝地という目印に止める。

列車は「景勝地」と書かれた看板で一旦停車。長良川鉄道ベストビューであるこの場所だけは駅がないところながら数分停車してくれる。

この長良川を渡ると郡上市の中心部へ。

12:16 郡上八幡駅

約2時間で郡上八幡駅に到着。列車はこの先も北上し、県境に近い「北濃駅」まで運転される。この駅では降車が目立つ。ちょうど「郡上おどり」期間な上、クライマックスにあたる「徹夜おどり」の日。この真夜中も踊り明かしていたことだろう。


狙って乗ったわけではない「ながら」。それでも、いい旅になった。アテンダントの話に注視しながら、ノンヘッドホンで楽しめた。最近は耳を塞いでばかりで、古き良き列車旅は久々。お耳を休めるにはちょうどいい。

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