「シンカリオン チェンジ ザ ワールド」1クールレビュー
2024年4月にスタートしたアニメ『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』。新幹線がロボットに変形して平和を守る特撮アニメ「シンカリオン」の第3弾目。第1期『新幹線変形ロボ シンカリオン』第2期『シンカリオンZ』に続くもの。
鉄道好きにとっては大人でもハマるアニメではあるが、3期は3期で人間味が垣間見える部分やふるさとが出てくる描写もあるなど、すごく期待できる。
リアルなビジュアル
JRグループ5社全面協力で実物の新幹線がロボットにモデリングされている。これは過去作と同様。
JR東日本E5系新幹線電車(E5はやぶさ)
同E6系新幹線電車(E6こまち)
同E7系新幹線電車(E7かがやき)
JR東海N700S新幹線電車(N700Sのぞみ)
JR北海道H5系新幹線電車(H5はやぶさ)
2クール目では山形新幹線の最新鋭車両「E8系」が「E8つばさ」として登場する。
オープニングのクレジットによれば、JR西日本、JR九州も協力していて、いずれ山陽、九州、西九州新幹線が登場する予定だ。
3期では、過去作にない設定が追加されている。シンカリオンをアシストする武器類には、鉄道にゆかりのある働くクルマが登場。1クールでは
新幹線輸送トレーラー(withE5はやぶさ、N700Sのぞみ)
トップリフター(withE6こまち)
トンネル掘削ドリル(withE7かがやき)
除雪用ブルドーザー(withH5はやぶさ)
新幹線や鉄道に何かしらゆかりある乗り物がシンカリオンのアシスト兵器として登場している。「E8つばさ」のコンビとして「ドローン」が登場することになっている。
思春期の人間模様
主人公の「大成タイセイ」はじめ、中学生、高校生がメイン。思春期で気持ちが揺れ動きやすい多感な時期だけにストーリー的にも刺さるものがある。小学生とは違う雰囲気だけにそこは大人からしてみればスッと入りやすい。
スッと入れるで言えば「タイセイ」も。1期とおなじ鉄道好きという設定になっているタイセイはコッテコテ、自分の生き写しそのもの。鉄道好きだけでなく、受け売りしがちなところや気持ちがうまく伝わらない描写とかより自分を見ているような気分になる。
アニメに出てきたふるさと
実際の鉄道車両は元より、JRグループのリアルな沿線風景が多数登場するのも見どころ。3期ではタイセイが姉の「イナ」と訪れた思い出として駅や歴史的鉄道建造物、鉄道資料館が登場する。その1ヶ所が僕の身近過ぎてびっくりした。
僕のふるさと滋賀県長浜市にある「長浜鉄道スクエア」。約140年前に建てられた「初代長浜駅舎」を核にした鉄道資料館で、北陸線や滋賀の鉄道の歴史を展示。北陸線を駆け抜けたSL「D51」と電気機関車「ED70」が実物保存されている。
エンディングソングのバック映像として最後の方に写真が出てきていて、いずれ出てくると思っていたら、第12話で一瞬登場。
秋田県「大曲駅」、青森県「青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸」付近、新潟県「新津鉄道資料館」と同時に怪物「アンノウン」が出現した場所として描かれている。
長浜駅西口にある駐車場で「アンノウン」が暴れていたが、もののすぐに「キャプチャーウォール」というメタバースの檻に閉じ込めた。ここに名古屋から「N700Sのぞみ」が駆けつけて成敗されている。ちなみに現物のN700Sが走る東海道新幹線は一瞬だけ長浜市内を走る区間がある。
ほんの一瞬だったものの、見慣れた景色がアニメで出てきたのは嬉しい他ない。長浜市内が「聖地」として登場したのはなかなか聞いたことなく、自分の好きなアニメに出てくるのは誇らしい。
GRe4N BOYZ
オープニングテーマを書き下ろしたアーティストも個人的にアツかった。「GReeeeN」改め「GRe4N BOYZ」が書き下ろした『閃光はやぶさ』。はやぶさが走る福島県郡山が結成地で、2024年3月に改名してから初めての楽曲だ。
僕自身も中学時代に「GReeeeN」にハマっていたことはあったし、サブスクでも時折聴いている。思い出のアーティストがこんな形で絡んでくるのは感慨深い。オープニング聴くたびに泣いてしまう。
そんな感じで見てきた「シンカリオン チェンジ ザ ワールド」の1クール。クールごとにゾクゾク登場する新キャラ、シンカリオン新車両に乞うご期待だ。
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