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坐骨神経の動きが障害される部位は?

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坐骨神経の動きが障害されると、下肢に痺れや痛みが生じます。今回は臨床でもよく出会う、坐骨神経の障害について考えていきます!


内容は「神経が動く構造」や「梨状筋症候群+α」など神経の動きが制限される部位について記載していきます!

1.神経が動く構造

神経には「Fontana Band」という波状構造があることで、関節運動に伴って、神経が近位-遠位に動くことができます!

図13


2.どのくらい坐骨神経は動くのか?

Neurodynamic techniquesなどでは神経の伸張手技や滑走手技が紹介されいます。

※Neurodynamic techniques
個別の神経に対し、関節を動かすことで、神経の伸張を評価したり、動きを引き出すテクニックのことです。

Neurodynamic techniquesの動画はこちら


ここで、一つ疑問が生じます!

神経はどれだけ動いているの?


超音波を用いて計測している報告では、

坐骨神経は9.9~12.5mm移動すると報告しています。

Colette Ridehalgh, Ann Moore, Alan Hough: Repeatability of measuring sciatic nerve excursion during a modified passive straight leg raise test with ultrasound imaging.Man Ther . 2012 Dec;17(6):572-6.


また別の報告でも

図3

坐骨神経の移動は大きいところで、1㎝以上動くということがわかります!この神経の動きが制限されると、動作時に下肢に痺れや疼痛が出現する可能性が考えられます。


また、坐骨神経は長軸方向だけでなく、横方向にも移動するので、2次元ではなく、3次元の動きが生じていいるかもしれません!




3.坐骨神経が障害される原因は?

坐骨神経が障害される原因として、有名なのが「梨状筋」です!坐骨神経が骨盤出口部で、何らかの原因により圧迫や刺激を受けて、疼痛が出現する状態が「梨状筋症候群」ですね!

図9


一般的には坐骨神経は梨状筋の深層を走行しますが、梨状筋の中を貫通するタイプもあり、坐骨神経と梨状筋の位置関係には個体差があります。


Beaton は坐骨神経と梨状筋との解剖学的関係を 6 タイプに分類し、その頻度について報告しています!

図4

Beaton LE, Anson BJ (1938) The sciatic nerve and the piriformis muscle: their interrelation a possible cause of coccygodynia. J Bone Jt Surg 20:686–688

この解剖の図を見ても、梨状筋の深層、もしくは貫通する部位で圧迫を受ける可能性がありそうです!


この記事では、もう一つ原因と考えられるものを紹介したいと思います!
おそらく、あまり知られていない内容です。


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