外反母趾はStepで考える
今回は女性の発症率が高い「外反母趾」について記載していきたいと思います。外反母趾の特徴としては女性に多く、足部の第一列やMTP関節の変形が生じます。年齢を重ねるごとに有病率は高くなります。
外反母趾があると、足部に痛みが生じるだけでなく、バランス能力の低下、歩行機能の低下など機能面の問題はもちろん、足趾の変形が進行すると美的観点においてもQOLの低下が生じます。つまり、機能面・生活面どちらにも影響を及ぼすということです。
外反母趾の発症の原因には性別、筋骨格器系の問題、遺伝、バイオメカニクス的な要因、個人因子・環境因子など多くの問題が複雑に交わって生じます。
近年では、外反母趾が発症・進行するメカニズムは1~10段階に分けられて考えられており、いくつかの要因が背景にあるため、外反母趾がどの段階にあり、外反母趾の原因となる要因を理解しておくことは大切です。(必ず段階的な発生ではなく、段階が同時に生じることもある)
今回の記事では、外反母趾の病態や発症のメカニズムを解説して、その中でも私が大切と考えていること説明していきたいと思います!(こちらは古いですが導入の動画です!是非ご覧ください。)
1.外反母趾の病態
外反母趾は女性の有病率、発症率が高く、痛みが伴う場合も多いです。また、外反母趾は母趾だけの変形というよりも足部全体の変形も伴うことも多いです。
これ以外にも、舟状骨の低下、距骨下関節の回内なども合併している場合もあります。簡単に言うと「扁平足」ですね!(気を付ける点として、必ず足部の変形すべてが合併するわけでないということです)
外反母趾ではこのように足趾・足部の変形が生じるのですが、それぞれのStepがあると言われています。そのStepについて説明していきたいと思います。
2.外反母趾の発症メカニズムのStep
Stepといっても、これが1つずつ起こるのか、それとも同時に起こるのか、それとも1つ飛ばしなのかを考える必要があります!人それぞれの、生活様式や個人因子などが存在するので、どの段階にいるのかの目安にしてみて下さい。
外反母趾のStep1
第一中足指節関節の内側安定化機構は関節包や内側側副靭帯、内側種子骨しかなく、早期かつ本質的な病態として、内側側副靭帯と内側種子骨の障害が生じます。
関節包や内側側副靭帯、内側種子骨の構造物は最も重要な関節安定装置であり、機能低下は変形を促進します。これらの構造だけを切断すると、20°を超える外反が生じるとも報告されています。
また、外反母趾ではこれらの構造に異常が生じており、I型およびIII型コラーゲンの組織が変化しており、第1中足指節関節が歩行中のストレスに対して脆弱になっています。
外反母趾のStep2
ここから先は
週刊!リハマガ! ~整形リハビリの考え方~
マガジン名を変更し、内容もリニューアルしています!リニューアルした記事は値上げしますので、早めの登録がおすすめです! このマガジンでは運…
ありがとうございます(#^.^#)