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足関節捻挫後のリハビリ介入

皆さん、こんにちは!yoshiki(@PtGekikara)です!


前回の記事では、「足関節捻挫の疫学と危険因子」について、記載させて頂きました。

疫学と危険因子がわかったら、次は治療ですね!


治療で大事になってくるのは「どの組織が損傷、もしくは障害されているのか?」です。


捻挫で損傷される組織は靭帯以外に何があるのでしょうか?


こちらをご覧ください。

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捻挫では前距腓靭帯以外にも骨や筋肉も損傷します。さらに言えば、総腓骨神経や腓腹神経、腓骨筋支帯や伸筋支帯も損傷する可能性は十分にあります。(捻挫で総腓骨神経に加わる伸張力はかなり大きいです)


では、捻挫後の介入で「RICE処置をして、1~2週後に筋トレして、3~4週でバランス練習をする」ことは、それぞれの組織修復過程にマッチしているのでしょうか?


とても、マッチしているとは考えにくいですよね?


そこで、今回の記事ではそれぞれの組織の修復過程を考慮した、アプローチ方法を記載していきたいと思います。


それでは行ってみましょう!!!


1.どの組織が損傷した?

一番最初に記載しましたが、まず大切なことは「どの組織が損傷した?」を考える必要があります!!!

図1


骨・靭帯・筋肉の修復過程は異なります。次の項では、それぞれの組織の修復過程について記載し、さらに私が気を付けている点について記載したいと思います!


2.骨の損傷

骨の損傷と言えば、骨折が一番メジャーです。

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骨折の一般的な修復過程は6段階に分けることが出来ます。

図1

では、足関節捻挫でよく生じる、腓骨遠位端の剥離骨折も同様に考えても良いのでしょうか?


2-1.腓骨剥離骨折の治癒過程は?

結論から記載すると、足関節捻挫で生じやすい剥離骨折の場合、骨膜が引き離されるため、骨の修復が生じにくいです。


以下のような報告があります

・初回捻挫で剥離骨折が見つかった場合(平均年齢9歳)、8週後のレントゲン評価では、17%しか骨癒合していなかった(介入方法は一定でない)。

・大人になると、骨癒合の割合は高くなり、3~4週間の装具固定(体重負荷)で65%と報告されています。

Satoshi Yamaguchi , Ryuichiro Akagi, Seiji Kimura et al: Avulsion fracture of the distal fibula is associated with recurrent sprain after ankle sprain in children. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2019 Sep;27(9):2774-2780.  

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子供の場合は2か月経過しても剥離骨折は癒合しておらず、大人でも1/3は骨癒合していないことになります。つまり、剥離骨折は治癒しにくく、従来の修復過程とは異なると考えられます!

図2


特にエコーで観察し、剥離骨片の転移が大きい場合、ほとんど骨癒合はしないと考えています。以下に提示したエコー画像は腓骨ではありませんが、これぐらい離れていると骨癒合を得ることは、難しい印象です。

図3


次に、私が気を付けている介入ポイントについて説明します!


2-2.剥離骨折への介入

子供の骨端は軟骨線維が豊富で柔らかいです。骨癒合がしていない状態の関節運動、筋力トレーニングは骨癒合の遷延や周辺組織を傷つけるだけとなる可能性があります。もちろん、大人の場合も剥離骨折があれば同様です。


なので、私は治療介入の際に

・骨片の転移がない
・筋収縮、関節運動時に骨片が動かない

骨片が安定しているかをエコーで評価しています。剥離骨片は癒合ではなく、組織の中で安定化しているかどうか、位置が転移していないかを指標にしています。

図3


エコーが無い場合、ATFL viewのレントゲン撮影にて剥離骨折の状態を評価するのも良いかもしれません。


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