以外に多い?橈骨神経障害
皆さん上肢の神経障害と言えば
・手根管症候群(正中神経)
・肘部管、ギヨン管症候群(尺骨神経)
の二つを思い浮かべる方が多いと思います!橈骨神経障害を真っ先に思い浮かべる方は少ないと思います。
これは疫学から考えても、正中神経障害や尺骨神経障害が明らかに橈骨神経障害よりも多いことからも仕方ない事なのかとは思います。
また、臨床上、圧倒的に母指球や小指球の萎縮、手掌面の感覚障害の症状を訴える方の方が多いです。橈骨神経障害は「下垂手」や「手背部の感覚障害」のイメージはありますが、臨床上出会うことは少ないです(私の経験上)。
そのため、臨床において「これは橈骨神経障害かも?」と思うことは少ないのではないでしょうか?
今回はそんな臨床でのイメージ、考えを少しでも変換し、「もしかして橈骨神経障害かも?」と臨床で思える内容を提供したいと思います!
まず始めに橈骨神経の基礎
橈骨神経はC5~8の頸神経から由来し、運動と知覚神経を有しています。腋窩では、正中神経・尺骨神経と共に走行しますが、上腕の中間部では上腕骨の後方を走行します。
上腕の遠位では上腕筋と腕橈骨筋の間を走行し、上腕骨小頭の正面を走行していきます。肘から前腕において、橈骨神経は浅枝と深枝に分枝し、遠位に向かい走行します。
橈骨神経は上腕では上腕三頭筋、前腕では前腕伸筋群を支配するため、肘関節の伸展障害、手関節の伸展制限(下垂手)が認められれば、橈骨神経障害と分かります。
では、臨床ではあまり出会うことのない、上腕三頭筋や前腕伸筋群(下垂手)障害のみが橈骨神経の障害なのでしょうか?
違いますよね!橈骨神経には運動神経以外にも感覚神経が存在しています!
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