『ファラオの密室』

書籍情報

【2024年・第22回『このミステリーがすごい！』大賞受賞作】ファラオの密室 (『このミス』大賞シリーズ)

紀元前1300年代後半、古代エジプト。
死んでミイラにされた神官のセティは、心臓に欠けがあるため冥界の審判を受けることができない。
欠けた心臓を取り戻すために地上に舞い戻ったが、期限は３日。
ミイラのセティは、自分が死んだ事件の捜査を進めるなかで、やがてもうひとつの大きな謎に直面する。
棺に収められた先王のミイラが、密室状態であるピラミッドの玄室から消失し、外の大神殿で発見されたというのだ。
この出来事は、唯一神アテン以外の信仰を禁じた先王が葬儀を否定したことを物語るのか？
タイムリミットが刻々と迫るなか、セティはエジプトを救うため、ミイラ消失事件の真相に挑む！
浪漫に満ちた、空前絶後の本格ミステリー。

上記リンク先より

なぜ読んだか

ミステリー小説は好きでこの作品は2024年・第22回『このミステリーがすごい！』大賞を受賞していた。かつ去年エジプトに行っていたので興味があったので読んでみた。

記憶にのこったこと

ネタバレはしないようにします。

エジプト神話

エジプト神話知らなくても問題なく読めるとは思うが、エジプト神話とかある程度知っているとより楽しめると思った。
死者の裁判が物語での重要なベースとなっていたり、オシリス神からアテン神への改宗（？）の話とかもでてきてこのあたりは実際にエジプトの神話や歴史を少し知っているとより世界観をイメージできやすくなると思う。
私はエジプト旅行前に何冊かエジプトの本読んでて、その中で神話などについても軽く読んでいたので良かった。

エジプト神話・神名リスト：アメミット、アムムト、アーマーン

死者の裁判はこれ。

こちらのサイトより引用

スピリチュアルさもあるミステリー

ミステリーってスピリチュアルな力使ってしまうと何でもありになってしまってい、その謎やトリックに納得感がなくなってしまう気もする。ただ、そういう観点では、ストーリー自体にスピリチュアルさは持たせてドラマチックにはしつつ、ミステリー部分はある種リアリスティックに描いているとも言える。

感想

ミステリー小説をネタバレにならないように書くの難しい笑。
そもそも古代エジプトの自体の小説自体もほぼないだろうし、それをミステリーという形で描いたものもほぼないと思う。そのため、とても新鮮な本だった。
そして、作者の方も起業家の方で、小説書くことが本職じゃないくバリバリのビジネスマンでありながら、ここまでエジプトの勉強したうえでこの物語を書いたことに尊敬する。
どうしてミステリー書くのに古代エジプトを舞台にすることにしたのかは気になる。