『匂いが命を決める──ヒト・昆虫・動植物を誘う嗅覚』
書籍情報
なぜ読んだか
最近、サイエンス系読んでなかったのでamazonで適当に見てたところ本書が目についた。嗅覚系の本読んだことないなと思い購入。
記憶にのこったこと
本書は色々な動物/植物がどう匂いを利用しているかを紹介していて、とてもおもしろい話が多かった。いくつか紹介。
ハンマーヘッドシャーク
そもそもサメも獲物を探すのに嗅覚を利用しているのは有名な話。
それに関連した話で、サメの鼻孔は顔の中央についていて、そのため単純にその状態だと匂いのもとがどの方向にあるかはわからない。だから、こそサメはあのように頭を左右に揺らしながら泳いでいらしい。(知らなかった!)
そしてハンマーヘッドシャークの場合、実は鼻孔はあの頭の両端についていて鼻孔の間に十分な距離がある。だからこそ、ハンマーヘッドシャークは匂いを辿るという観点でもあの頭の形にメリットがあるらしい。
人の女性の涙の効果
以下のように、人の女性の涙によって男性の攻撃性が緩和されるらしい。
そして、この効果は最初は人の実験で発見されて、そのあと同じ実験をマウスでもした、そちらでも再現されたというのがまた面白い。
ネズミのブルース効果
これはヤバイと思った効果。
妊娠中のネズミのメスが、別系統のネズミの尿の匂いを嗅いだときに起きる現象。なにがおきるかというと、匂いだけで流産にさせるらしい。(これをブルース効果というらしい。)これはより強いオスと交配できるようにするためらしい。単純に自分の元パートナーの領域にはいってきてマーキングできるオスだから、元パートナーよりも強いはずだという理論らしい。
が、匂いだけで影響でかすぎて怖い。
感想
改めて人間がかなり視覚と聴覚に頼っていて、嗅覚をそこまで重視してないんだなと思った。逆にいうと一部の動物では人間でいう視覚みたいな扱いで嗅覚を使っていたりするので、世界の見え方(嗅ぎ方?)が全然違うはずだなと思った。
犬は人の癌とか病気も早期に匂いで気づけるという。一方でなんらかの感情になったときに人も微量の匂いを発生してたりもする。(上記の涙の話とか。)とすると、犬からすると、愛想よくして実際に人が「犬かわいい
」という感情を抱いたタイミングで匂いを介してその感情に気づけたりするのかも。匂いで嘘発見器とか作れたりするのかな。
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