『スニーカー学 atmos創設者が振り返るシーンの栄枯盛衰』
書籍情報
なぜ読んだか
仕事でスニーカー周りについて調べることが多くあり、直近の動向がまとまった本が読みたいなと思ったところで新刊の本書を見かけたため。
記憶に残ったこと
スニーカーブームの終焉
色々原因は考えられるとは思うが、言及されていたのは単純に作りすぎ(供給過多)。供給が増えれば、その分価格が下がるのは基本的な経済原理だ。ただ、スニーカーや昨今のポケモンカードをみててもわかるが、供給量の決定は非常に難しい気がする。
(以下は私見も含む。)
スニーカーも二次流通で価格が非常に高騰していたのもあり、だからこそメーカーは供給量そのものを増やすことは合理的である。なによりメーカーは二次流通から直接利益を得られる訳ではない。一方で、二次流通の価格動向をみて供給を増やすと、二次流通での価格も落ち着いてしまい、それが需要自体の落ち込みにもつながる。要するに転売をある程度前提としての需要が多いため、需要と供給の相互依存性がより高い状態だと思われる。
この中で、供給量を決めるというのは非常に難しいというか絶対的な正解もない気がする。というのも商品のブランディング(特定のカードゲームでは子どもたちにも遊んでもらえる状態を目指し、意図的に供給量を多めにし、その分そのカードの二次流通価格はだいぶ落ち着いた)という観点もあれば、利益の最適化を考えても短期と長期で考えると現時点の供給量に対しての最適量は異なる気もするからだ。
印象に残った小話
ルイヴィトン、プラダ、グッチのようなハイブランドもスニーカーを出しているが、定価が高すぎて端から手が出せないと感じて冷めてしまう人も多くいる。みんなが買える価格だけど自分しかもっていないことに価値を感じる。
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SNS映えを狙うためにInstagramに最新のスニーカーを上げ続ける若者もいる。ただ、そういう中には実際にはすべてのモデルを自分で買わずに仲間内でシェアしている人もいるらしい。買うのを当番制にして、仲間が買った商品をみんなでSNSにアップしているらしい
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男性・女性の両方に履かれるシューズをあえてユニセックスとせずにウィメンズとして売っていたりする。実際にそういうウィメンズでも男性も履けるようなサイズ展開をしている。ではなぜユニセックスとせずにウィメンズにしているかというと、業績発表の際に「ウィメンズが好調」といったような形で発表できるからだ。
(これが本当かどうかや、実際にそうやってユニセックス的なものをウィメンズと呼ぶことが大勢に影響を与える数字を持つかは不確か。ウェブで調べてみたけど、関連するような情報は見つけられず。)
感想
何よりやはり供給量の調整は本当に難しそう。ただ、上述の通り、メーカーが二次流通から直接利益を得られるわけではないので難しい。しかし、二次流通での盛り上がりがあるから市場自体も盛り上がり一次流通も活性化するわけであるし。
トレカの供給量を決めている方の話などもきいてみたい。
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