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『スニーカー学 atmos創設者が振り返るシーンの栄枯盛衰』

書籍情報

ハイブランドがスニーカーを売る理由、メーカーと転売ヤー、ブームの周期

「スニーカーは特別な商材である。本来、スニーカーは履けば1年で靴底に穴が空く気軽な消耗品であり、日常生活に欠かせない生活必需品だった。それがやがて個性を主張するためのファッションアイテムとして扱われるようになり、高級車や高級時計のようなステイタスシンボルや、株式や不動産と同じような投資財として扱われるまでに至りました」
ーー本文より

▼収録内容
CHAPTER 1.0 日本人が見出したスニーカーの価値
若者発の新興ブランドが90年代の裏原に集った理由
皆と同じまま、他人に差をつけるための「レア物」
エアマックス95が塗り替えた世界
ナイキの勝利はアメリカ自由主義と経済の勝利

CHAPTER 2.0 スニーカーブームはなぜ終わったのか
ダンク人気に予見するスニーカーブームの終焉
あくなき新素材の追求とサステナビリティへの配慮
プレイヤーの増加によるスニーカー市場の変化
“SNS映え”重視の若者がスニーカーブームに果たした役割

CHAPTER 3.0 転売ヤーの生態学
手軽にはじめられる投資対象としてのスニーカー
スニーカー投資をテーマにしたオンラインサロンや情報商材の登場
ハイプスニーカーとヴィンテージウェアの共通点と差異
個人でやるスニーカー投資は儲かるのか

CHAPTER 4.0 スニーカーから読み解く商売の真理
株価対策としてのウィメンズライン
2023年以前と以後のインバウンド需要の違い
NFTとスニーカーの関係性
明るい未来のためにスニーカーメーカーが取るべき戦略

上記リンク先より

なぜ読んだか

仕事でスニーカー周りについて調べることが多くあり、直近の動向がまとまった本が読みたいなと思ったところで新刊の本書を見かけたため。

記憶に残ったこと

スニーカーブームの終焉

色々原因は考えられるとは思うが、言及されていたのは単純に作りすぎ(供給過多)。供給が増えれば、その分価格が下がるのは基本的な経済原理だ。ただ、スニーカーや昨今のポケモンカードをみててもわかるが、供給量の決定は非常に難しい気がする。
(以下は私見も含む。)
スニーカーも二次流通で価格が非常に高騰していたのもあり、だからこそメーカーは供給量そのものを増やすことは合理的である。なによりメーカーは二次流通から直接利益を得られる訳ではない。一方で、二次流通の価格動向をみて供給を増やすと、二次流通での価格も落ち着いてしまい、それが需要自体の落ち込みにもつながる。要するに転売をある程度前提としての需要が多いため、需要と供給の相互依存性がより高い状態だと思われる。
この中で、供給量を決めるというのは非常に難しいというか絶対的な正解もない気がする。というのも商品のブランディング(特定のカードゲームでは子どもたちにも遊んでもらえる状態を目指し、意図的に供給量を多めにし、その分そのカードの二次流通価格はだいぶ落ち着いた)という観点もあれば、利益の最適化を考えても短期と長期で考えると現時点の供給量に対しての最適量は異なる気もするからだ。

印象に残った小話

ルイヴィトン、プラダ、グッチのようなハイブランドもスニーカーを出しているが、定価が高すぎて端から手が出せないと感じて冷めてしまう人も多くいる。みんなが買える価格だけど自分しかもっていないことに価値を感じる。
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SNS映えを狙うためにInstagramに最新のスニーカーを上げ続ける若者もいる。ただ、そういう中には実際にはすべてのモデルを自分で買わずに仲間内でシェアしている人もいるらしい。買うのを当番制にして、仲間が買った商品をみんなでSNSにアップしているらしい
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男性・女性の両方に履かれるシューズをあえてユニセックスとせずにウィメンズとして売っていたりする。実際にそういうウィメンズでも男性も履けるようなサイズ展開をしている。ではなぜユニセックスとせずにウィメンズにしているかというと、業績発表の際に「ウィメンズが好調」といったような形で発表できるからだ。
(これが本当かどうかや、実際にそうやってユニセックス的なものをウィメンズと呼ぶことが大勢に影響を与える数字を持つかは不確か。ウェブで調べてみたけど、関連するような情報は見つけられず。)

感想

何よりやはり供給量の調整は本当に難しそう。ただ、上述の通り、メーカーが二次流通から直接利益を得られるわけではないので難しい。しかし、二次流通での盛り上がりがあるから市場自体も盛り上がり一次流通も活性化するわけであるし。
トレカの供給量を決めている方の話などもきいてみたい。


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