『ウミガメは100キロ沖で恋をする 絶滅から救うため「ウミガメ保護」と45年間闘ってきた男の全記録』
書籍情報
なぜ読んだか
ちょっとウミガメと関わる予定が出たため、事前学習的な感じで読んでみた。
記憶に残ったこと
著者は「保護ではなく保全」といい、ウミガメの卵の移植/人工孵化ではなくそのまま自然に返すのが一番と言っている。その理由としては実際にそのやり方が一番ウミガメが増えるからだという。その理由が語られていた。
卵の上下を変えてはいけない
この記事にも以下のようにある通り、ウミガメの卵は胚の発生の関係上、産卵後から時間が経った後に天地を変えてしまうと孵化率がさがるらしい。そんなにセンシティブだとは。
フレンジー
ウミガメは孵化直後に「フレンジー」と呼ばれる一種の興奮状態になり、これにより砂浜から海へと出ていくらしい。しかし、人工的に孵化させてしまい孵化から時間が経ってから砂浜に放っても、もはやフレンジーが落ち着いてしまいエネルギーもなく、海にでて生き残る確率が減ってしまうらしい。
これも以下の記事の「子ガメの本能、「フレンジー」って?」というセクションで紹介されている。
光も悪影響を及ぼす
孵化した直後のウミガメは明るい方向に向かうようになっている。もともとは陸よりも海のほうが明るいためそのように本能がセットされているらしい。しかしながら、現在では陸にも街灯があり明るく、これによりウミガメが死亡してしまうことも起きているらしい。
所感
総じていろいろなウミガメの習性や性質をもとに著者の「保護ではなく保全」という方針が明確になっていた。たしかに逆説的にも感じられるが、その論理は明確であった。
一方それでも人工的に保護をしている団体も多くそこと衝突していると言っていたので、そっちの主張もちゃんと聞いてみたいなとは思った。
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