【僕ヤバ感想】Karte.92 僕は生まれた
前回「ゴールした」で今回は「生まれた」。「生まれた」って言ったって、もう生まれて14年になろうとしているわけだから、今回生まれたのはルシファーですかね。リビドー。自分の知らない自分。激しいけれど、自分の成長には不可欠で、後押しすらしてくれるリビドー。
そう、自分じゃ気づかないうちにリビドー発芽しているよ。だって名前呼びされる様々なシーンを妄想しているもん。
まあ思春期はリビドーとの出会いと格闘の日々?だからね(多分)。
ルシファー濁川くんが半裸なのは、背中に羽が生えてるからシャツが着られないのかな。いつも思うけど、天使や悪魔の羽って洋服との関係で言ったら非常に扱いにくくないか。
生まれたのは「欲望」だ。かなりなまなましい感じの。今まで無自覚に抱えていた欲望が具現化した。具現化したのも、山田との関係性に未来が見えたからだろう。
誕生日だから、できたら会えないかなって思う市川。思ってても「会おう」なんて言えるキャラじゃございません。なのでさり気なく山田の現在位置を聞いて自分の場所をアピールする。なんだか山田の習性?を把握してる感じも。自分が近くにいるなら山田は来てくれる、って確信しているのか。
山田は山田で、春休みに市川に会えたことが嬉しくていろいろすっとんじゃったんだろう。慣れた呼び方でうっかり喋って自分で気づいてしまう。
こういうの、改めて呼び方を変えるって難易度高くない?思春期に限らず。
気まずい沈黙に響く足音。後ろからも。市川たちが止まるとその足音も止まる。そりゃ怖い。
怖いけど騎士道精神を発揮する市川。ルシファーによって発動する騎士道精神てのもよく分からないけれど。
「親父」って呼ぶのか。なんとなく「父さん」って言うのかと思ってた。 お父さん、スーツじゃなくていいお仕事なのかな。市川に話しかけていいのかわからずに隠れたり、山田なら(名前をお父さんが知っているかどうかは置いておいて)市川の誕生日を知ってて当たり前でしょ、という態度、完全に息子の「恋愛」見守ってる感じ。穏やかだ。
山田が誕生日を今日だと知って絶叫するの、なんていうのかなんにも取り繕ってない表情。もう心の驚きがそのまんま出てる感じ。割と山田は表情や話しかけるセリフを割と「作ってる」イメージで、何を言っていいかわからないときは押し黙っている印象が私の中ではあるけど、これは衝撃が強すぎて無防備。晒しきってる。
さらしきっちゃって動揺が目に見えるけれど、これは誘われたい、というより不覚!ってかもしれない。山田の頭の中では「どうして話してくれなかったの?え?お祝いしなきゃだよね?でも私今日なんにも用意してない!プレゼントどうしたらいい?は?!ケーキ!また作って上げたい!」とかなんとか、自分がしたいことを考えたり、パニックになってそう。
だけど、改札口で山田に来てもらった分?今度は市川が山田の背中をおしている。松阪牛で釣っているように見せかけて。お互い似た者同士だな。
そして山田の背中を押せるのも、きっと家族が受け入れてくれるって分かっているからなんだろうな。ほら、あまりお客を歓迎しない家庭もあるから、そういうおうちだと友達だって呼びにくい。でも市川(京太郎)は両親、姉に憎まれ口を聞きながらも、しっかり甘えることができ、親も子どもから甘えられるいい関係を築いているようでなにより。
最後、お父さんの手が「お友達が来たよ」って感じで優しいね。突然夕ご飯の人数が増えても穏やかに歓迎しているようで。
今回もおねえが最初から最後まで可愛いな。家族大好き!って感じ。寸劇うまいし。
うまいけど、おねえは誰かからこうやって誕生日聞き出したりしたことあるかな……。
これで全員「市川」のところに囲まれるから、名前を呼ぶきっかけになるのかな。すき焼きからケーキまで出すからかなりゆっくりしていける。
そしてケーキの箱、フランス語っぽいお店の名前が書かれてるけれど、デザートになって箱を開けて「あ、これパパのお店で作ってるやつ!」とかじゃないよね。シェフとパティシエ違うしね。いずれにしろ専門店のケーキ、最近本当に美しくて美味しいよね……。
春だ、春。漫画は白黒だけど、ピンクのオーラが見えそうだ。
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