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【僕ヤバ感想】Karte.78 僕は知りたい

 更新日は昨日だったけれど、昨日は一日寝てました。ベッドの中で更新は読んだけれど、流石に文字を打つ気力はなかった。
 

 私は「映画に一緒に行く関係って、付きあってるも同じ」と判断できるかどうかとなると、「当事者なら判断つきにくいかもね」と考えるタイプ。傍から見てたら付き合ってるじゃん!と思えても、本人がそう思うかはまた別の問題。市川は理屈をこねてデートと思わないようにしているけれど、山田もまだ確信は持てていないと思う、微妙な心の揺れをはらみながら、また一歩近づいたような回だったな。山田が確信を持てているんだったら、しゅんとする場面で、多分言いたいことを言えると思うんだ。

 今回の話、おねえの職場見学ではなく、あの書店への職場見学の回と対のようだ、と真っ先に思った。
 あの時、山田は一つのことに目をキラキラさせて、好きなことについては早口になってしまう市川を初めて見たのだった。

 私は、あの職場見学で、普段学校の生活だけでは見えにくい、別の面の市川を見たから(そして目を奪われ)、山田は市川への興味を加速度的に増したんだと思ってる。
 昔「美はある種の衝撃だ」って漫画で読んだけれど(確かエースをねらえ、だったと思う)、あの市川のキラキラした表情に山田は確実に衝撃を受けていて、明確に言語化されてないけれど、山田は市川のその表情の美しさ(顔の造作とかではなく、心からの感動を浮かべた表情)に衝撃を受けたのだと勝手に解釈している。

 市川は「山田は僕の知らない世界を知っている」ことに引け目をやや感じていたけれど、今回「僕の知らない世界(=山田が打ち込んでいる世界)について語る山田の美しさ」にまで目が向き、踏み込んでいこうと自覚している。
 それを、職場見学で山田が本能的に見せた市川への興味(漫画を貸そうか?)と考え合わせると興味深い。二人のアプローチの違いがあるような。

 山田は市川に「自分のことを知ってほしい」ってずっとアピールしてる。自分が掲載されている雑誌を白々しくアピールしたり、積極的に話を振ったり。
 でも、アピールしながら山田自身も成長していて、市川に気を使うことを覚えている。映画出演の話の頃は無邪気にアピールしてたけれど、ある時から「市川は私のこんな話題をされてもつまらなくないだろうか」と、どこか引きの姿勢が見える。ついつい勢いで自分のことを話しちゃうけれど、どこか「こんなに自分の仕事の話ばかりして、迷惑だったかも」となってすぐしゅんとしちゃう。
 それはどこか市川の「山田が出る映画の原作を読んだり、雑誌をチェックしているなんてキモいと思われない?」と緊張しているところと通じるものがあって、やはり似た者同士、なんだなと思う。(ついでに言えば、市川は絶対毎日山田のことを芸名で検索しているだろう)

 市川は「僕の知らない山田の世界」があることを気にしているけれど、みんなそれぞれ学校から離れれば「人が知らない自分の世界」を持っている。市川にだって「山田が知らない市川の世界」があるのに。

 市川は山田に対して引け目を感じているけれど、私から見るに精神的に成長しているのは市川のほうであって、精神的な成長は最初から市川の方がリードしているんだけど、最近さらに成長しているというか。
 かといって山田も成長していないわけではなくて、最初は圧倒的に子どもなんだけど、山田自身が成長するにつれて「市川が精神的に大人であるところ」に気づき出したんだと思っている。山田が成長しなければ市川の長所に気がつけなかったというべきか。
 だから、市川が「山田は僕の先を行っている」と思うのと同様、山田も「私は市川に遅れを取っている」とちょっと恐れを抱いていると思うのだ。市川は欲を出したから積極的になって、今回も「もっと知りたい」といえたけれど、山田は欲を出したからこそ慎重になりだしている感じ。

 もしかしたら、市川が一番やらなきゃいけないことは「自分のことを客観視して、自分の価値を正しく見積もる」ことかもしれない。今は無駄に卑下している感じだけど、客観的に見たら市川は成績がいいし、物静かで真面目だし、自分の世界を持ち、孤高を貫ける強さも持っている。自分の良さに気づけたらいいな、と思ってる。山田についてはあんなに客観的に、表面だけではない内面の良さ、本質的な性格の良さ、女優へ向けて頑張っているところもわかってあげられるのに。

 あとは今回の内容についてとりとめなく。

 市川の「それはそれとして」という態度が結構好き。どういうことかというと、山田が、出演する映画の原作を読んでいないことに突っ込んだり、山田が映画に涙ぐみながらも特大サイズのポップコーンを空にしていることに無言で驚いているところとか。市川の「山田のこと、好きだけどそれはそれとして『やっぱり山田だった』ところにどうしても目がいっちゃう」冷静さ、いいと思うなあ。

 広島へ一週間行く、という山田に対して市川はどうしていいかわからないから薄い反応を見せ、山田はしゅんとしているけれど、どんな反応をしてほしかったんだろう。「寂しいな」と言ってほしかったのかな。流石に仕事だから「一緒に行きたいな」という言葉は市川から引き出せないだろうし。普通に考えて市川は塾の春期講習とかはいっているんじゃ?塾だと中2の3月から3年生扱いで、受験に向けて本格化するし。3年になったら進路についてまた市川も山田も悩みそうだ。

 アイドルの出るホラー映画、太田くんはチェックしているだろうけれど、端役扱いで出ていた山田については多分スルーしてたんだろうな。

 山田はモデルより、女優でいきたいのかな。

 何回か後の更新で、市川は山田の現場についていくことになるんだろうけれど、ファッション誌の撮影(現場の人はおしゃれのプロフェッショナルばかりでしょうね)に、あの中二病ファッションで行っちゃうんだろうか。そんなどうでもいいことにハラハラしている私。

 

 

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