【僕ヤバ感想】Karte.88 僕は何を言っているのか
何を言っているのかって?本音ではないでしょうか。
最後のセリフ、読む方としてはみぞおちに150km/hの直球を食らったような衝撃だったけど、山田大丈夫?ノックアウトされてない?それとも市川が自分で自分をノックアウトしちゃったか。
前から、自分も原さんと結構話すくせに山田に対して「足立とあまり話すな」とか、独占欲強かったしね。自分のことを棚に上げるのは昔からか。
嫉妬で明るくなるってなんだ。ちょっとは山田の気持ちを思いやれ。というか「自分のことが好き」という前提条件があるとこんなに状況を読むことが出来て、気持ちも違ってくるんだな。
空気を良くしようとする原さん、健気。他の三人は自分の感情を爆発させてるだけ。
前回のわたしの邪推「神崎くんが山田さんとか誘えばといった理由」があたっちゃってびっくりだ。私にとっては斜め上の発想でも、神崎くんにとってはどストレートでどストライクの理由だったのか。
スポーツ少年って割と爽やかに描かれる漫画が多い気がするけど、神崎くんはなかなか興味深い性格しているな。「そそる」って中学生男子の辞書にある言葉なんだろうか。よくわからない。
この場面は市川に同情してしまう。だってどう言ったら正解かわからないよ。
前から「原さんにたくさん食べてもらいたいと思っている神崎くん」にはうすうす危なっかしさを感じていて。それは「相手のことを思っているようで自分の好みを押し付けている」とまで言ったら言い過ぎになるだろうけれど、それに近い気配を感じていたから。
それをスパッと(でもないか)指摘する市川はこの中では精神的に大人で、原さんも代弁してもらったようで嬉しかったと思う。そしてそんな市川の意見を「確かに」と受け入れ、その上で「好き」をぶつける神崎くんもいいやつ。ちゃんと受け入れられるってすごい。そしてその率直さが眩しい。
原さんはそんな神崎くんの眩しさで、逆に目がくらんで気持ちがちょっと見えないときがあったのかもね。
山田は市川の「変わりたい」という気持ちを大事にしてきたのだと私は思っている。山田の中ではその気持ちは言語化されていないかもしれないけれど、自分も周りに見もられてきたことを自覚したためか、市川の変化を見守り、ときに後押ししてきた。
山田が「かわいい」に拘る理由。なんとなく、山田は「美人」で「綺麗」だけど、「かわいい」って言われにくいタイプなんだと思う(ばやしこは言ってくれる)。服装も「可愛い服」というより「これ、山田さんほどスタイルよくないと着れないやつだわ」という方向で感心されそうな私服だな、といつも思う。ハイウエストのミニスカートが多いけれど、それは山田の高い腰の位置と長い手足がないと難しい服かもしれない。
そして多分、身長のこともある。例えば赤ちゃんに「かわいい」というけれど赤ちゃんに「かっこいい」「綺麗」とはあまり言わないでしょう。だから山田にとって「かわいい」というのは憧れる言葉ではないだろうか。
それに「かわいい」という言葉には「愛しい」という気持ちも潜んでいると思う。赤ちゃんに対する「かわいい」もそうだし、「綺麗」「美しい」というのはどちらかというと客観的な褒め言葉に聞こえるけれど「かわいい」は温かい心から出てくるような、主観的な言葉に聞こえると思う。
市川や山田の行動は読む私からしたら「かわいい」と感じるし。
これを機に、市川と神崎くんも近くなるかもしれないけど(でもなんとなく真っ直ぐにすれ違う気もする)、山田も原さんとより仲良くなったらより楽しいだろうなと思う。女子は割とグループで固まることが多いけれど、「一対一で話すと意外と話があうんだよねー」という、グループ外の友達がいると、結構世界も視野も広がったりする。
でもこれで、3年になったときに山田と市川のクラスが離れて、市川が原さんとクラスが一緒になっても山田は安心できるようになるのかな。山田のグループ、恋バナするにはちょっと不向きな感じだし。
最後、山田が濡れた手なのは、市川の首筋に攻撃をかけて「ひゃん」とでも言わせるつもりだったのかしら。グロスを付け直しているときは手は濡れていないし。攻撃かけるためにわざわざ濡らしたのかしら。普通トイレにペーパータオルか(コロナさえなければ)ジェットドライヤー使えるしね。
しかし、最初グロスを付けているのを、私は「山田はまだ棒付きチョコレート食べてるんだ、さすが山田」と誤解してました。食べかす気にしなくてもグロスは気にするのか。
すっかり忘れてたけど、足立は萌子に義理チョコのお返ししたかな。ごめんね足立。ストーリーの濃さで存在を忘れてたよ。
次回どうなるんだろう。結局帽子もまだ買ってなさそうだし、市川もそろそろ言い逃れできないよね。恥ずかしさと混乱で山田の手を掴んでその場から走り去るかも。
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