出がらしティータイム
我が家で飲む定番のお茶と言えばプーアル茶。
9 : 1 = プーアル茶:その他のお茶
何故なら旦那Kが茶を欲する時は、プーアル茶一択だから。K自身には普段飲茶以外の時に茶を嗜む習慣はなかったので、それに合わせて家でお茶自体飲むことがここ10数年滅多に減っていた私。振り返ってみると、日本人らしく(?)食後はお茶で〆ると言う「あのひと時」が無い生活をどんだけ歩んでしまったのかと思う。
ところが、最近老化で消化能力が衰えてきたのか、晩ごはん後にKから「おい、お茶!」と言われる事が多くなった。
でもそうして「消化を助けたい」と言うセリフ代わりに使われる「おい、お茶!」には、「たまには緑茶も」と言う提案の余地はない。
彼は、日本人のように茶の香りや味やリラックス効果を楽しむ為に茶を飲むのではない。「プーアル茶で脂っこいのを解消する」必要性を感じての単なる中和行為だ。
ちなみに、香港に来てお茶の事ですんごいカルチャーショックを感じたのはお茶を出す時間。
お茶を提供するタイミングの話ではない。
お茶をポットに入れてから、茶葉からお茶の成分が滲み出てくるまでにかける待ちの時間の長さの事だ。
紅茶も、プーアル茶も「長ければ長いほどいい」、と言わんばかりに彼らは実に気長に待つ。
まだ香港に来て日が浅い頃、日本にいた時と同じように3分ほどで出したリプ○ンのティーバッグ紅茶は「茶の味が全くしない、紅茶の香りを付けただけの水だ💢」と香港の友人達には絶不評だった。
「ポットにティーバッグを入れたらティーバッグを上下させたりせずに最低5分は置け」
そもそも、こっちの人たちにはティーバッグの紐はあれを引っ張って上下に揺らす為と言う考え方(アレ?今は日本人もそんな事する人いないですかね??)は、少なくとも私の周りの友人達にはなかった。高さのあるポットから簡単に取り出す為についているだけの紐なのだ。
そもそもティーバッグでなく茶葉であれば揺すらないんだから揺すらないモンなんだなと納得した覚えがある。
ちなみに、このうちの茶棚を見て、あれ?プーアル茶だけ密閉してない、と不思議に思われた方は、こちらの記事をご覧ください。
そして更に
「おい、一回で捨てたら勿体ない💢」と言うK。
と言っても、毎回お茶を入れて、コップに一杯も飲まないK。醤油みたいに黒いプーアル茶をマグカップ3分の1くらいしか飲まない。
え。つまり、この状態でとって置いて何回か飲めと?
そう言われてみれば、飲茶や、オサレなアフタヌーンティーの時だって、確かに濃い~お茶に、何度も何度もお湯を足して、水になるほど飲み続け喋り続けているし。
(私が3分ほどで出した紅茶には「茶の味がしない💢」と怒っておきながら、自分達はいつも茶の味がなくなるまで粘って喋り続けている人たち)
飲茶と言えば幾つもの點心を大人数で楽しむというイメージが強いかもしれませんが、香港の朝は、朝活を終えた年配の方達がお気に入りの點心一つか二つとお茶、という「お1人様セット」で、新聞を読んだりテレビを見たりラジオを聞いたりしながらお茶が水になるほど、時間をかけてひとり朝飲茶をしていたり、田舎に行くと村の飲茶屋さんは、村のみんなが常連過ぎて、座席まで指定席かのような暗黙の了解状態が出来上がっていて、そこで皆それぞれ新聞を読んだりしながら點心セットを食べたりするのも、まさに文字通り香港の日常茶飯事。
確かに一回しか(成分を)出してないお茶っ葉を捨てるのは本当に勿体ないな~と思っていたから、夜に一回使ったお茶を翌日に持ち越してみると。
・・・・・!
蓋を開けただけで、お茶を飲むときにさえ感じなかったほどの強い芳香が!
あれ?このお茶、こんなに香り強かったんだ~って今更発見。
それ以降うちではここぞとばかりにこの一晩寝かせた出がらしが大活躍。
朝ごはんも。
昼はその出がらしに、サンザシやクコの実その他を加えてフルーツティーにしたり。
前の晩、朝、昼、と使い回した出がらし茶葉に夜は安眠効果があるらしいバラをプラスしたり。
そうこうしているうちに、日中は私しかいないんだから日本茶飲もうぜ、ってなって日本茶を楽しむ時間も復活。
そしてまた別の日の朝。
高温多湿なので、食中毒になりはしないかと、カレーの残りと同じ感覚で冷蔵庫で出がらしを冷やしてもみましたが、ふわっと漂うほどの芳香は、どうやら常温放置がいいらしい。
とにかく今は、これまでお茶を楽しんでなかった日々を取り戻すかのように
「出がらし」の茶葉を楽しむ毎日です。
お茶は一煎目より二煎目
とはよく言ったもの。でも私は3~4煎あたりが一番好きかな。
でもドン引きされないように誰かお客さんが来たら、その人の目の前でお茶を入れて差し上げたいと思います。
うちは友達を招待できるような家じゃないから滅多に来客はないけれど私の家に誰か来るとしたら一番可能性高い人⤵
お茶の専門店でお気に入りの茶葉をゲットする為に奮闘する姿がココに!
そう、異国の地に暮らすということは華やかな面がクローズアップされることも多いけども、現実にはこうしたトライ&エラーの繰り返し。
こちらAsian ViewさんのYoutubeチャンネルでは、香港で暮らす楽しさや苦労、驚きや発見、いろんな香港の日常が垣間見る事ができます。