全身麻酔手術で発熱〜コロナ疑惑で隔離って?!
痛みの原因がわかると、どちらかと言えばお医者さんと病院の都合で急遽入院、その日に手術という運びとなりました。
11:00に入院して、18:00までの手術まで飲食禁止、そしてコロナ事情もあるので病室から出るのも禁止、見舞いは入院前に二人だけ事前登録できますが基本見舞いも禁止です。何か特別な事情があれば、12:00~13:00、または19:00~20:00のどちらか一時間、どちらか一人だけ許可されます。
つまり何か特別な状況が起こってどうしてもお見舞いに来る場合も、AさんとBさんを登録したら、今日昼にAさんが来た場合、Bさんは今日はもう来られません。
人口密度の高い香港ですが6人部屋に私一人。
現時点では確実に元気な私に対しては、看護婦さん達の巡回もなく完全にぼっちフリーダム。
飲食禁止、外出禁止、腕も痛くて運動もできずで、携帯電話とテレビを交互に見るだけです
4時過ぎると手術前の血圧測定、シャワー、バタバタと手術着に着替えさせられたかと思うと、旦那に通知する間もなくそのまま手術室へ。
もう敷かれたレールに乗せられた列車の様な気分なので何の感情も湧きません。
麻酔を嗅がされ「嫌な匂いだな〜」と思ったのを最後に意識がなくなりました。
😴😴😴
肩に4〜5個穴を開けて骨を平らに削り、切れた靱帯をファイバーで縫い合わせ、筋肉で起こっている炎症を取り除き、動かせなくなってからホントに五十肩のように筋肉が厚くなって固まった脇部分をチョキンと切れ目を入れる。医者的には「そんな難しい手術じゃありませんから」って感じでした。
ふと目が覚めると医者が何やら私に喋りかけている様子ですが、頭がグルグルしていて何を言われているのかさっぱりわかりません。腕が余りに痛くて「好痛啊!痛くて母親さえ見分けがつきません」
と先生にどんだけ痛いかを強調して訴えている自分。
(何かの程度がひどい事を表現したい時に使う最大級表現「〇到阿媽都唔認得啊!(自分の母親《自分にとって一番大切な人》さえ判別できないほど〇〇だ。)」広東語ではよく使います。余談ですが。
「うん、よしよし。今看護婦が痛み止めを打ってくれるからすぐ楽になるよ~。5分くらいかな~。ご主人にはボクが電話しておいたからね」
と医者が私をなだめるように声をかけますが、私は激痛と激しい眩暈でパニくっています。
「???????」
何故麻酔明け即こんなに痛く、こんなに目が回っているのか意味がわかりません。
肩が痛くて痛みから逃れようと腕を動かすとどうやらえらく高い位置で肘を曲げた状態で固定されていました。手を下ろしたら楽になれそうなのに痛いところで固定されています。
とにかく私が目を覚まして会話が成立した(?)為、医者は帰って行きました。手術中は酸素チューブが入れられていたようでしたが、それも外されました。
外すと鼻の中がすごく乾いて息をするとヒリっと傷みました。
病室のベッドは寝ている状態で見れるようにテレビ画面が天井から取り付けられていてニュースチャンネルが入っており、20:35でした。
18:00から二時間の手術予定のところ、実際は30分以上早く降りて行きましたが、まあ大体予定通り終了したのでしょう。眩暈で頭がグルグルしていましたが、目をつぶって寝てしまおうと思いました。
ああ、そう言えば手術が無事終わったと友達に伝えなくちゃ、と思って巡回に来た看護婦にロッカーの鍵を開けて電話の入った貴重品入れを取って頭の横に置いてもらいました。
「・・・」
が、左手は固定されていて、右手の甲には点滴針が刺されていて、身体を動かせないと右手一本ではバッグが取れないし、ファスナーも開けられない事に気づき電話は断念。
私がそんな事でもがいていると、看護婦たちがワアワアと騒いでいます。
私の酸素の値が悪いらしく、発熱もしていると「38度」と聞こえてきます。心拍数が上がったまま下がらないと言って、モニターが設置されました。
全身麻酔をした患者に口服薬を飲ませる事は滅多にないはずですが、看護婦がパニくったのか、パナドールという市販薬にもなっている痛み止めの大きな錠剤を二錠渡されて飲みました。
酸素の値が悪いから何度も「深呼吸をしろ」と言われ深呼吸するものの余り改善がなく再び酸素チューブを鼻に装着。熱を下げるのに「小林の熱冷まシート」を額に貼らせろと言われ、心拍数がおかしいからと心電図も取られ、夜中なのに看護婦がひっきりなしに出入りして延々とバタバタしています。
そして全く眠れないまま朝4時になりました。私は何で眠れないんだろうと焦り、目を閉じますが開いて時間を見ると4:03、そしてまた目を閉じて眠ろうとするのですが時間を見ると4:07、次は4:11。数分しか目を閉じていられません。
看護婦が今度は特別な痛み止めを注射すると点滴針が入っているのにお尻に注射されると、鎮静作用があるのか次に気づくと5時でした。
そのまま夢現の間を漂って朝になると医者が診に来ました。
看護婦から昨晩の状況を報告されながらも医者の興味は一つ。
「さあ、腕はどこまで上がりますか?」
え?!腕すか?・・
いや~、見ての通り手術からずっと固定されてて動かせませんが?
「昨日肩を手術しましたから、もう上まで上がるはずですよ。そういう風にしましたから。昨日手術後にすんごく腕上げてたの覚えてない?」
・・・・・この医者、人が麻酔でボーっとしている時に手術直後の腕をそんな事してたのか・・。
「ホラホラ、ボク手伝ってあげますから試してみましょう?」
え?今?めっちゃ痛いんですけど?!
ゴゴゴゴゴゴ・・・・
そんな効果音が頭の中に響き渡る中、医者が私の手術したての左腕を持ち上げます。
「アテテテテテテテ・・・」
「ホラ、こんなに腕が上がってますよ!手術前は全く腕を上げられなかったのに。」
私の左腕は医者によって真っ直ぐ天に突き上げられました。
そして私に2時間に一回は自分でどんどん動かしてリハビリするようにと言い残して医者は行ってしまいました。
後には看護婦が申し訳なさそうに
「実は、今病院の規定で発熱した患者さんは、コロナ検査を受けてもらうっていうポリシーなの。」
や。発熱って言っても明らかに手術の炎症で出た熱ですよね?
「でね、コロナの検査をしてもらうのに一旦隔離させてもらって、検査結果が出たらまたこの病室に戻ってきてもらうっていうポリシーでね、NOって言われても決まってることだから、それで納得してもらうしかないの。」
って言うか、私の熱がコロナだったら、つまり私はアンタたちから移されたって事になりますが?院内感染が起こってるって事なんですが?
それに今6人部屋に患者は私一人しかいませんが?
色んな腑に落ちない点はあるものの、そのまま車椅子に載せられて一階下の個室へ。
ベッドさえ入っていないそこは人気がないせいかクーラーがより一層涼しく感じます。
看護婦は私を載せた車椅子を部屋の真ん中に置くと、慣れない手つきで私の鼻と口を綿棒でクリクリして容器に入れると「テレビでも見てて」と出て行きました。
ポツーン。
寒い部屋で車椅子に載せられたまま一人。
って言うか、さっき医者が床に下りてもいいって言ってたのに何故車椅子で過ごさにゃならんのだ💢
誰もいないので、勝手に車椅子から下りて寒いので部屋をうろうろ歩き回ります。
自分の病室じゃないので出前も頼めません(食事は自分で出前を取ります)
ホントにテレビを見る以外する事がありませんが、寒すぎてじっとしていられません。
こっ、このままだとココで風邪をひいてしまう・・💢
ホントにコロナを心配しての隔離なら、せめて寒くない部屋にしてほしい・・。
部屋のクーラーを調節するも、電源は消せないようになっていて気温もすぐに元の設定温度に戻ります。
21.5度
・・・寒い・・・
手順としてはコロナ検査→陰性結果出る→肺のレントゲン撮る→病室に戻る
そして寒さに震えながら待つこと・・・
3時間半!
ようやく陰性の結果が出たと看護婦が知らせに来てから、更にレントゲン技師が来るまで30分。
4時間隔離された末に病室に戻ったのは3時前でした。
病室に戻って速攻出前を頼んだ私(←昨日手術で1日飲食禁止)、寝不足も手伝ってか退屈なのに何だかグッタリ疲れ果てたのでした。