ヅラ洗うオバハン
ヅラを洗っていた…。
また1つライブが幕を閉じたのだ。
黒いのはヅラを被る前にヅラがズレないように被るネットだ。
私は基本ライブ時にはヅラをつける。ロン毛のヅラだ。
昔誰かが言っていた。
髪が揺れないロックンローラーなんてロックンローラーじゃないと。
ショートヘアの私は髪を伸ばせないのでヅラ。単純な理由だ。
髪を伸ばせない理由はこちらのYoutubeを見て欲しい↓↓ホントは5本くらい作ってから紹介しようと思っていたメインチャンネルだが、動画の編集に時間がかかり過ぎて、全然進まないのでまだ4個しか動画がないがココで出してみる。
面白いと思ってくれた方、良かったらチャンネル登録お願いします。慣れない動画作成に亀速ではありますが鋭意作成中。
ちなみに、去年末にとうとう満を持して復活ライブをした時は、ヅラはつけなかった。余りにも久々のライブ過ぎて、「ヅラをつける」という非日常な行為をする事で余計な緊張を自分に与えてしまわないかと懸念したからだ。
それにしても、この復活ライブもまだ現在の緩和状態ほどではなかった時期で、どうやって旦那Kにライブやると言おうかという躊躇いも感じないわけではなかったが、なんか皆の「今回は出よう!」という並々ならぬ強い意志に、私も今回は反対できないな、と思ったのだ。
今度こそ反対しないって決めてたし。
そして、Kの方もいいタイミングで色々あって、強固な反対もなくライブができてしまったのだった。
この復活ライブは良かった。今思えばまあまあ悪くない出来だった。
流行り病で、いつもライブをさせてくれていたバーが潰れ、私たちはもうライブをやらせてもらえる場所がないんじゃないかと思っていたら、そこが場所を移して復活してくれた。その復活した私達の「ホーム」とも言える「ハコ」(注:バンドマン用語?「箱ハコ」はライブハウスを指す)で復活ライブ出来たのだ。
(念のため注:自分達にとってなじみのある場所「Home」、馴染みのない場所「Away」多分、コレは「注」いらないくらい普及してる言い方?)
復活ホームで復活ライブ。
その事実だけでも盆と正月が一気に来たような感無量。そして、まだ落ち着かないコ〇ナ状況の中、当たり前のように足を運んでくれたメンバーのお友達軍団。
そして、練習時間が十分すぎるほどあったのだ。三年近い時間が。
だからそこそこスムーズにライブ出来たのは、当然と言うか必然と言うべきなのかもしれないが、イマイチそこが「そこそこ」なのが、テクのない私の悲しいところ・・・(;^ω^) コノヘタクソ~💢
そして、その復活ライブの案内を目ざとく見つけた別のイベントプランナーの方が声をかけてくれたのが今回のライブだった。
それは複数のバンドが出る対バンイベントだったから、気合いを入れて皆ヅラをつけ、今その後始末に追われているわけだ。
ちなみにライブ衣装やヅラは、普通の服よりも丁寧に特別扱いせざるを得ない。レーシーだったりチェーンや安全ピンがついていたりするからだ。
旦那Kは、普段大雑把でズボラな私が、ライブ後せっせと衣装やヅラやアクセサリーの洗浄に余念がないのを、いつもすごく嫌な顔をして見ている。
今回のライブで、私は、ある意味過去最悪とも言える致命的なミスを犯した。
ここで究極の選択:
①ド下手クソな聞き苦しいギターが、ロックバンドらしく当然の如く一番大きな音でガンガン鳴っていて、歌や他の楽器がかき消されているライブ。
②ド下手クソな聞き苦しいギターが、でも大事なメロディを奏でる役割を担うべきギターがすごく耳を澄まさないと聞き取れないくらい微かに聞こえる(から間違っていても逆に目立たない、というか、そもそも聞こえないから巧いか下手かも判断つきにくい)ライブ。
①は素人ロックバンドあるあるで、そうじゃないとそもそもロックバンドじゃないだろうって気もするし、②は下手な事さえわかりにくいというメリットはあるものの、聞いてる方はどうなんだろう、という微妙な気持ちがする。
今回、初めてのハコでライブした私達。
そこにはP.A.(いわゆる「音響さん」)がいた。P.A.は全ての楽器、全てのマイクの音量や鳴り方をイイ感じに全体コントロールしてくれる専門の人だ。
それで、私達はそれぞれ自分でセッティングした。
元々、エレキギターはエフェクターという音色を色々変えたりする機械をつけるので、一番音割れ(マイク同士が共鳴してキーンとかピーとか耳障りな音を発する状況)しやすい。
だから、エフェクターの音を設定する時は、ボリュームや組み合わせに注意して組み合わせているが、自分で最善を尽くしてエフェクターの音調整をしても、ライブハウスにある音を拡散してくれるアンプスピーカーの種類によって、鳴りが結構大きく変わる。
このハコのアンプだと、普段のスタジオや、ホームのハコでは音割れしない音まで音割れを起こした。だから、音割れしないレベルにボリュームを抑えた。ちょっと小さいとは思ったが、後はP.A.が何とかしてくれるだろう、だって、わざわざP.A.置いてるんだから、と思ってしまったのが失敗だった。
P.A.は私達全体の音チェックは全然行ってくれなかった。
そしてマイクのボリュームさえも整えてくれる事はなかった。
その日初披露となる新曲も含め、全てを必死に弾きまくったのに、ギターが、かすかにしか聞こえない残念なライブとなった。
それでもその場では、お友達軍団の活躍で盛り上がりを見せ、終わった後は次に演奏するバンドメンバーが、駆け寄って来て「いいショーだったよ」と褒めてくれたり「一緒に写真撮ってください」と外人さんが寄って来てくれたりして、私達は、それなりに上手くいったような気になっていた。
私も「音は小さめだったけど、まあまあだったかな」という気になっていた。
ところが、そんな甘い妄想は、翌日メンバーや友達から送られて来た音源やビデオを見て粉々に打ち砕かれた。
自分の音だけが聞こえず、まるでギターが存在しないロックバンド、いや、それどころかロックバンドにエアギタリスト(しかも直立不動のヤツ)がいる状態のビデオに私は絶句した。
その「『聞こう!!』と全神経を集中しないと聞こえてこないギター」を聞きながら、私の頭に、先ほどの究極の選択が思い浮かんだ。
まあ、全く聞こえないわけでもないけど、聞こうと思わないと聞こえないほどささやかな音しか鳴ってないギターにお客さんは一体どう思ったんだろう。
でも、そこまで思い悩んで私は考えるのをやめた。
何故なら私は元々奥ゆかしいギターだった事を思い出したからだ。
ロックバンドのエレキギター、ドヘタクソでも「オレの音を聞け」とばかりに大音量でぐわわわわ~んと弾きまくったり、聞いてる誰もが疲れ果てるくらいテクニカルな速弾きソロをピロピロピロピロ延々と弾き続けたりするギタリスト達と違って、私はテクも無ければ度胸もない。出来ればギターソロの無い曲をやりたいと願う、控えめギターだった。
「ギタリスト」恐れ多くて、自分の事をギタリストなんて呼んだことすらありません、て感じのギター担当だった。
それが、今回ギターの音がちゃんと聞こえてない事に悔しさを感じたのだ。
これは、変化・・・! かもしれない。
ギター担当が「ギタリスト」と名乗れるようになるまで、
あと、もう少し・・・だろうか。