問われる配達員の品格
コロナで私達の生活スタイルは色々な変化を余儀なくされました。オンラインでの出勤、出張、会議、授業…果ては多くの習い事までわざわざ通わなくても何とかなるものが如何に多いかという事を思い知らされたこの期間。
ウーバーイーツ、フードパンダ、テリバローetc…食事の出前などもすっかり定着しました。日本に関して言えば、店屋物を家で食べるスタイルが復活したと言っても良いかもしれませんね。
香港では、こうしたデリバリーの配達員は開始当初ほとんどインド人や中東系の人が大半でした。
香港はバイトとプロパーの給与格差が天と地ほどに違うので最初は誰もがロクな稼ぎにならないと見下していたのです。
ところがある時、こうした配達員の仕事がテレビ番組で特集され、結構な稼ぎになる事が知れると、バイクの運転免許を持っている人は勿論、「バイク兵」「自転車兵」「歩兵」の3種類の配達方式が選べると、たくさんの人がこのバイトに飛びつきました。
「歩兵」と呼ばれる、徒歩でデリバリーの配達をする人達をたまに見かけても、早歩きしている人はおらず、皆マイペースで運んでいます。
日本だったら「少しでも早くお客さんに届けよう」とベストを尽くすだろうところだろうに?
…って言うか、そこは日本じゃなくても一刻を争う場面だろうに、と思います。
ある時は、足の悪いオバちゃんがデリバリー会社の制服を着て、手押し車を押しながら、受注札の付いた袋をいくつも抱えて、びっこを引きながら歩いているのを見かけたりしました。
微妙な気持ちになりました。・・・違和感?
足が悪いのに、そういう人の倍歩くバイトをしているから?
足が悪い為に人の倍時間をかけて運ぶだろう事を申し訳なく思わないから?
デリバリーの到着を待つ利用者が健康体だろうから?
デリバリー会社が足の悪い人を徒歩配達員として雇う事を「社会貢献」と捉えるのか、配達員にスピーディな対応は求めてないのか、偉大なのか非常識なのか微妙だから?
ちょっとどう捉えていいかわかりませんが、とにかく今はこの配達員の仕事は人が集まりすぎて、どの会社も募集が完全に打ち切られています。
そうして、色々な人がこのバイトに参入した結果、配達員間の競争率が高まり、元からやっている人は稼ぎが減り、その為短時間で多くのオーダーを受けようと、複数のデリバリー会社を掛け持ちして、近辺のオーダーを複数会社からかっさらう一方で、少し遠目のオーダーは拒否する、(つまりバイト側が仕事を選ぶ)と言う事が起こったり、複数の会社のBOXを家に持ち帰るのが面倒なのか、高架橋下にBOXが、フタを開いたまま置きっぱなしにされて、衛生観念が問われたりと配達員の質の低下が起こりました。
そして、とうとう気持ち悪い動画が回ってきました。携帯で撮影された動画が載せられないのでスクショで。
バイクの後ろの荷台に積んだスープマカロニ系の物を食べています。
何回もよそっては食べ、を繰り返し、
ご丁寧にスープまで飲んで、また食べて
また蓋を締め直して、袋の口をしっかり縛り直すと
取り出されたのは、受注札のついた食べ物。
ビデオはこの一部始終を撮影し、現場の番地と最後にはこのバイクのナンバーまで映し出して拡散されていました。
バイトしながらバレない程度の盗み食いを繰り返し、食費まで浮かせているつもりかもしれませんが、これは完全に窃盗です。犯罪です。
って言うか誰かに食べられた後のものかもしれないと思うと、行為そのものも本当に気持ち悪いし、その浅ましさに鳥肌が立ちます。
これまでピザのデリバリーしかとった事がありませんでしたが、フードデリバリーサービスはやっぱり出来るだけ使わないようにしようと思いました。
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