「時間のムダです、早く教えてください!」
コ〇ナ状況が緩和された昨年末、いや、緩和されなくてもセレブな彼女は、あちこち世界を飛び回って遊んでおりました。
だから、週二回の日本語レッスンとは言っても、しょっちゅう彼女の「ご旅行」で毎回一ヶ月ほどストップします。
昨年末、11月はヨーロッパ5か国、12月は日本に旅行に行っていた彼女、年始には香港に戻ってきます、とは聞いておりました。
でも、戻って来て即レッスンが出来る状態なのかどうか、なんてわかりません。フライトの時間帯によっては寝不足だったり、旅疲れや時差ボケで体調を崩したり、色んな事情があるでしょうから、いつも生徒からの「いついつレッスンを再開したいです」という連絡待ちなのです。
そんなある日の朝、彼女からメッセージが届きました。
通常のレッスン時間の3分前くらいに「Class Today?」と。
は?レッスン?3分後から?
いやいやいや・・・。
今日レッスン再開する気があったら、昨日とか、もっと前もって連絡してこない?普通?💢
・・・ていうかもう帰って来とったんかい?!
そんな彼女はもちろん、この彼女↓↓
すぐにZoomを開いて、レッスンしようと思えばレッスンできないことはなかったけど、あんまりにもこっちの都合がないがしろにされている気がして
「あ~もう帰ってたんだ~、でももう時間過ぎちゃったから、また次回月曜日ね。」と返信すると、「私は月曜日は無理なので、じゃあ来週の金曜日」と返事が返ってきました。
noteの記事は、全部日本語で書いているのでチグハグ感が伝わりにくいと思いますが彼女、台湾人ですが文字を書く時は英語。
しゃべるのは北京語と英語。私は英語話せないので、せめて北京語で統一しろよ💢、と思うけど、実はそれさえも無理。
彼女は気分で話すので、その都度「北京語で表現しやすい」と思ったら北京語、「英語の方が言いやすい」と思えば英語、という感じで喋っている感じ。
自分が旅行で一ヶ月近くレッスンを休んでも、自分が戻ってきたら自分の日常は普通に自分の好きなタイミングでリスタートできる、周りは常に自分に合わせてくれるもの、と疑うこともしない彼女。
私も、せっかくのレッスンの機会を、そんな事にイチイチ腹を立てていたら、「ドラゴン桜」の桜木先生から
「目の前に互いに分け合える利益があるのに相手に対する気持ちですべてぶち壊してしまう(お前はそんな馬鹿野郎だ)」って怒られそうですが・・・。
ま、ともあれ、彼女の指定したその翌週の金曜日。
今度は待てど暮らせど彼女は来ない。
いつもの寝坊かと思って(注意:レッスン開始時間10:10~)一応5分後に「おはよう」メッセージを入れました。
寝坊常習犯の彼女は、大抵「Sorry,あと10分」とか返事してきて私は「Take your time(ど~ぞど~ぞ)」と返信する(その分レッスン時間は目減りしていく、つまり遅刻しても時間通り終了する)のですが、この日は何の反応もないまま30分経過した頃、やっと「先生ごめんなさい。今日はパスで月曜日また」というメッセージ。
・・・あっそ。
その後、旧正月やなんだかんだで更に2週間ほど休んだ画面の向こうの彼女は、いつも通りのハイテンション。
「オハヨー。オハヨ。きゅう、わたしはテニス~。」
私「え?きょう?もうテニスしましたか?」
「・・・。きゅう・・・きのーー!Yeah~!」
イエイちゃうわっ!💢
日本語習って4年余り。未だに「昨日」と「今日」の区別もつかないってどー💢
しかも「きゅう」じゃなくて「きょう」だって一体いつになったら覚えるのか・・・_| ̄|○(←ダメ先生)
うん、今日も安定の「ツッコミどころ満載」。
「センセ―、私ニホン レストゥラ〜ント ブッキン(Booking予約) しましたー」
限りなく英語チックな日本語で彼女がそう言うのです。
私「え?自分でレストランの予約できたの?!」
「Yeah~ブッキンしましたー!」
私の頭には、年末に彼女が東京で行きつけのお寿司屋さんがあるから、
私に予約して欲しいと頼まれた時の事が思い浮かびました。
その時、その行きつけのお寿司屋さんは年末年始がお休みで、彼女の旅行の予定と合わず、予約が出来なかったのでした。
なので、レッスンの時間を使って彼女の目の前で、そのお寿司屋さんに電話したのです。私は予定の日がダメと言われても、じゃあどの日が都合がよいかと言うのがスグに判断できないから彼女に立ち会わせたのです。
すると、クリスマスから年始まで日本の予定の彼女の予定では、そのお寿司屋さんの休みとケータリングの予定と被ってしまって予約が無理な事がわかりました。
なんと彼女はその場ですぐ「私は3月にも日本に旅行に行くから、3月分の予約をします。」と言って、3月の予約を入れたのでした。
その時彼女が「私が日本に着くのが28日だから、29日の夜なら確実です。」と言った事が私の記憶の中に薄っすら残っていました。
そのお寿司屋さんはWEBサイトもなく、e-mailもなく、電話でしか予約できないお店でしたから、予約をしてくれと頼まれたわけですが、他の店はネット予約もできるだろうから、私は彼女が英語で予約できたんだろう、と思って聞いていたら、どうも彼女が予約したお店の名前が、私が去年末に予約させられたお店なのです。
「え?何言ってるの?それ、アナタが年末に旅行行くときに予約できなくて、3月の予約もうしてあるよ?」
と私が言うと・・・!
「何言ってるんですか?そんな事実ありませんよ。」
と言うのです。
・・・・・・。
いやいやいや。
①アナタは私に気安く「予約してください」って頼んだけども、今どき、国際電話なんてかけないから、国際電話割引の契約なんて私の家は
してないのに、私はアナタの為に久々に国際電話料金を払って国際電話したんですけど?
しかも、予定が合わないからって②レッスン中に、③アナタの目の前で、電話したんですけど?
そして、お寿司屋さんがクリスマスはケータリング出張サービスで不在、年末年始は休みでやってない、とわかると、④アナタはその場で、3月の予約をして、私はそんな先の予定、アナタなら絶対忘れると思ったから、⑤その場でそのスケジュールをカレンダーの中に入力するように言って、アナタもその時、何かiPadに入力していましたけど?
恐ろしい事に・・・
彼女は①~⑤の全てを、完璧に、きれいさっぱり忘れていました。
しかも、①~④をきれいに忘れる可能性がある、と思ったから、万一①~④をきれいさっぱりと忘れた場合の保険にと思って、わざわざその場で何度も「今すぐカレンダーに入力して!!」と残させたハズのスケジュールのカレンダー登録(物証)も、普通に見当たらないと言うのです。
私が当時、彼女とどういうやりとりをしたか、どんな状況で電話したか、彼女の記憶を刺激する為
再現VTRを再生するかのように詳しく説明しても、彼女は
「そう言われてみれば・・・。」という事になりませんでした。
記憶喪失のように1mmも覚えていませんでした。
人にそんな頼み事をしておきながら、完全になかった事になってるって・・・・。
私の方が頭が混乱しました。
ここまで何の欠片も残らない程にきれいさっぱり忘れてしまえて、しかも私がどんなに詳しく話して、それがかつて事実として発生したのだと訴えても、彼女の心に波風一つ起こす事もできず、「全く覚えがありません。そんな覚えがない事をしつこく言われても困ります。」といけしゃあしゃあと言い放ったのでした。
そして、彼女がそこに電話したら、先方がすぐに「〇〇さん?」と自分の名前を呼んで、日時を確認できたとご機嫌の彼女。
・・・それは、彼女が予約をするつもりで電話してるけど、向こうはリコンファームのつもりで受けてるからじゃないの・・・_| ̄|○
でも、彼女が覚えてないなら、何を言ったところでダメなので、
「あの時、すぐにそのiPadのカレンダーに予定を入れて確定しろ」と言って彼女もそうしましたと言ってたのはウソだったの?と私は内心彼女への不信感を募らせつつ諦めて、レッスンを開始しました。
すると今度は「センセ―、私こないだ日本に行った時、センセ―に習った事、たった一言さえも使えなかった。何も使えなかった。私全然しゃべれなかった。」と言うのです。
ねえ、アナタ何故、私が教える事を「何一つ」記憶しないの?
何で四年も習っているのに未だに「今日」と「昨日」さえ間違えるの?
それって私の教え方の問題?
彼女は、日本に行って何一つ聞き取れず何一つ喋れずご機嫌斜めだけど、私は私で色んなどす黒い気持ちが心の中でうねります。
それなのに彼女の方は、とっくの昔に
「息子は二週間前に5日間だけ香港に帰って来ました」
という世間話に話が移っています。
そして「二週間」という日本語が思い出せないで止まっています。
「わたしのむつこ・・・」
私「ムツコじゃなくてむすこ、ね。むすこ!」
「TWO WEEKS AGO?」
彼女は自分の思い出せない日本語をいつもこうして英語の疑問形で投げかけてきますが、私はいつもそれをそのままオウム返しして、彼女に考えさせます。
私「ええっ?TWO WEEKS AGO?!日本語では何と言うんでしたか?」と。
すると彼女は黙り込んで不機嫌な様子で
「知りません。」(←!!!)
と言います。
・・・いや!「知りません」じゃないだろ💢
アナタが知らない事は聞かないよ💢
「センセ―、私は知りませんと言ってます。
もう、早く教えてください。時間のムダです。」
💣💣💣
説明すんじゃねえ!
時間のムダです、じゃない!
考 え ろ よ! 💢
最近、彼女は私が彼女に考えさせよう、思い出させようとする度に
こういう返しをしてくるようになりました。
皆さんには信じてもらえないかもしれませんが、彼女以外の生徒からは
本当に喜んでもらえているのです。
が、彼女とのレッスンは、私の方が頭おかしいのかな・・と思う事ばかりです。