やっぱりレベチ、「品質の日本」!
今日出かける時、すんごい土砂降りの雨だったので一年半ぶりくらいに長靴で出たら待ち合わせ場所に着く直前パコッと底が取れた。まあ、よく考えたら、もう買って10年近く経つ長靴。
ブーツっぽくも見えるのにやっぱり長靴で履きやすいから、実はこの長靴でバンドのライブをした事も一度じゃない私のお気に入り長靴だった。
歩く度にパッコンパッコン音がして、恥ずかしいやらこれから友達と会うのにどうしようかと焦るやらいたたまれない気持ちになった。
待ち合わせの改札に立って、そこにあるセブンイレブンを横目で見ながら、(日本のコンビニにゃあ、ないものはないくらい何でも売ってるけど、香港じゃ無理だろうな…)と思う。
香港のコンビニが「使える」という印象が、まっっっっったく!ない。
日本と比べるとまずいわけではないのに、いかにも長期保存できそうな、見た目から食欲をそそられる事はないだろうパッケージの弁当(でも本当に意外なほど味はそれなりなんだけど)や、日本のサンドイッチやおにぎりを冷凍で輸入してきて食感が落ちてしまっている魅力半減の定番品にお菓子、アイス、インスタント食品、飲み物、そして生活用品に至っては極めて限られたものしかない、という印象しかない。
日本のコンビニがあまりにもコンビニエンス過ぎて完璧過ぎて、至らない所しか目につかない香港のソレ。
・・・が。
状況が状況だけにダメ元でレジボックスに入っている店員さんに壁越しに聞いてみる。
「万能ボンドなんて売ってないよねえ(←最初から否定形)」
「有(あるよ)」
他の客の買い物をバーコードリーダーで「ピッ」っとしながら、こちらを見向きもせずに、ぶっきらぼうになされた返事。
私は最初から「無(ないよ」という返事が返ってくる、つまり返ってくる音は「モウ」だと決めてかかっていたので「あるよ!」という「ヤウ」という音を、頭が最初から想定してなかった為、もう一度店員に聞き直さなくてはならなかった。
「ハ?ヤウア?(へ?あるの?!)」
レジのお姉ちゃんは「AAでいいか?」と言いながらレジの前に出て来てレジ前の棚の最下段を指さした。
Aron Alpha アロンアルファ 略して 「AA」
そう、香港でもかなり早期からこの「アロンアルファ」というボンド、当時他に類を見ない程色んな物を瞬時にくっつけてくれるこのボンドは静かに大人気を博していた。そして「AA膠」と呼ばれ慕われ愛され続け、依然としてこれに取って替わる代物がないまま今に至っている。
アロンアルファをゲットしたはいいけども、拭いたり汚れを落としたりする環境もないので、(濡れてるから多分うまくくっつかないだろうな~)と思いつつ、立ったまま、履いたまま、後ろ手にAAをぐるっとかかと部分にひねり出す。
そして、私はそのまま自分の体重を重石代わりにその場に立ち尽くした。
友達が到着してからも、そこに立ち続ける事数分。
歩いてみると多少心もとない感はあるものの、ちゃんとくっついた!
その後も心持ちそ~っと歩いて何とかやり過ごしたけども
帰りも徒歩で帰ったら今度は両足の前側も取れた。
一昨年、断捨離に精を出していた時にもかなりの靴が、履かない間にゴムが劣化して割れたり、歩くと底が外れたりして片っ端から捨てた。勿体なくて履かなかった靴ほど劣化はテキメンだった。だから、靴がこんな風に劣化するんだと言うのはよくわかっていた事ではあったけど、靴は履いても履かなくても駄目になるから買ったらどんどん履き倒さないと勿体ないと改めて実感。
とにかく半日乗り切ってくれたアロンアルファの驚異の接着力に感謝!
そして、ここまでなっても水が浸み込んでくる事がなかったワコール社(←有名下着メーカー)の革靴風ゴム長靴(よく考えたら中がちゃんと長靴のゴム仕様だから水も浸み込まなかったんだろうな~)の耐久性にも感謝!
日本の、この自分達が作り出す製品に込められた誇りと真心。