攻めの漢方④~チーム漢方連携プレー~
ご機嫌いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは、漢方薬のチームワークについてです。
「漢方薬は即効性がない」という事については私は異なる感じ方を持っていると、「攻めの漢方②、③」でも触れてまいりました。
ま、敢えて言い表すとしたら「身体に優しい」
自然界に存在するものの中から、
科学の力で抽出して精製してぎゅぎゅぎゅ~っと濃縮して、
自然界に存在しうるバランスより、はるかに攻撃的に鍛え上げてしまい、現在に至っては化学式を組み合わせて合成された化学薬品に対して、
あくまでも自然界に存在するものを、自然な方法(天日干しとか)で凝縮させて完成させた生薬に位置づけられる漢方薬。
この化学薬品と漢方薬の作用の違いについてのお話です。
まず、普通にお医者さんに行ったら処方される「お薬」を想像してみてください。
風邪をひいて、お医者さんに行くと、その症状を聞かれます。
「咳が出ます」「熱があります」「下痢しています」等々。
すると、その症状を落ち着かせるための薬が出されます。
咳→咳止め 熱→解熱剤 下痢→下痢止め
それぞれの薬が、それぞれの症状に合わせてバラバラに作用します。
それに対し、一方の漢方薬というのは、何か一種類だけで使用することはほとんどなく、大抵、数種類から十数種類の動植物を組み合わせて使用します。
薬それ自体が持つ薬効だけでなく、組み合わせる事で起こる、相乗効果、更には相殺効果までも利用します。
漢方薬はそれぞれに役割があり、
「官」と呼ばれるリーダー達役割を果たすものと、
「臣」と呼ばれる補佐的役割を果たすものがいて、
「官」「臣」力を合わせてのチームプレーをします。
・敵を攻撃するもの、
・その攻撃力を効果的に高めるもの、
・攻撃した時のダメージで敵以外を傷つけないよう、いい具合に抑制するもの、
・既に傷ついている部分を補修するもの、
などなど、いい具合にお互いを引き出しあい、高め合い、また、抑え合ってバランスを取りながら身体にアプローチし、チームとして効果を発揮するのが「チーム・漢方」なのです。